あるとき私がBMWの責任者に「共用できるパーツがあればお互いコストを削減できる。開発を進める前に、すり合わせておかないか?」と提案したんです。
すると彼は「オマエは何を言っているんだ? そんなことでオマエの理想とするスポーツカーが作れるのか? ある程度できあがってから、『これとこれは共有できるかもしれない』って考えればいい」と返してきました。
ようは順番が逆だろ、と。まったく仰るとおりなんですよ。
それ以来、私はZ4がどうやって開発されているのか、まったく知ることはありませんでした。向こうも同じです。
プロトタイプが出来上がったところで、ようやく「ちょっと乗ってみるか?」と、互いのクルマを交換して乗ってみたのが最初です。
エンジンはBMW製ですが、味付けはまったく違います。
わかりやすい話としては、「我々は会社から燃費のことをまったく言われていない」ということが挙げられます。
今どきこんなのってありませんよ。BMWの人たちには羨ましがられています。
なぜ我々は自由にできるかというと、トヨタ全体の売り上げから見たらスープラの販売台数なんて雀の涙だからです。
だからCAFE(メーカー別平均燃費)にもまったく影響を及ぼしません。BMWはそうはいかないでしょう。
でね、今度のスープラ、アクセルを戻すとパパパパパンッて威勢良くアフターファイヤー音が出るんですけれど、あれは本当にガソリンを噴いているんですよ、無駄に。
もうホント、無駄ですよ。でもね、楽しいでしょ? こういうことは、できるうちにやっておかないとね。
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