あの「ゆ党」の選挙現場に、一足早い冬が訪れているようだ。

 27日投開票の衆院選が15日、公示された。それに先駆け、日本維新の会の候補が14日、都内で街宣。馬場代表が応援に入ったのだが、現地の空気は“激寒”と言うしかない状況だった。

 馬場氏が駆け付けたのは、東京メトロ南千住駅近くの商業施設。候補者は東京29区から出馬した海老沢由紀・元大阪市議だ。3連休最終日の昼下がり、多くの買い物客が行きかったが、街宣車の上から馬場氏が「海老沢さんをお願い致します!」と訴えても、足を止める人はほぼ皆無。聴衆は10人程度で、陣営スタッフの方が多かった。費用膨張の大阪・関西万博、兵庫県の斎藤前知事の問題で党勢がボロボロとはいえ、あまりにお寒い。その点を馬場氏に聞くとこう言った。

「まあ、こんなもんやろ。3連休で地域に人もおらへんし、よそから来た人がいっぱいで、あんま人は集まらへん。そもそも、(維新は)動員とかもせんからね」

「そんなバカな」と言うのはある維新関係者だ。

「馬場さんら役員クラスが応援に入る場合、維新関係者はシャカリキに人を集めまくるのが常です。動員しないなどあり得ない。もう、維新には動員する力も気力も残っていないのでしょう」

吉村氏の動員力も低下

29区には、立憲元職の木村剛司氏、公明党の岡本三成政調会長らが立つ。海老沢氏は早くも諦めムードということか。

「29区は捨てたのでしょう。13日に若者にも人気の吉村府知事が今回の選挙戦で初めて東京入りしたのですが、向かった先は赤羽、新宿、渋谷でした。それぞれ、阿部司前衆院議員、音喜多駿前参院議員、小野泰輔前衆院議員の選挙区です。情勢調査の結果、当選可能性があるのは3人だけと判断し、29区を重点区から外したともっぱらです」(同前)

 ところが、“客寄せパンダ”の吉村氏の動員力も低下しているようだ。

「赤羽で集まった聴衆は約300人とまずまずでしたが、新宿は駅前にもかかわらず100人程度。渋谷も駅近くなのに約200人でした。かつて吉村さんの街宣は、聴衆1000人なんてこともザラでした。党内では『さすがにヤバい』と危機感が高まっています」(前出とは別の維新関係者)

 馬場氏の「まあ、こんなもんやろ」という言葉は、維新の現状をよく表しているのかもしれない。

日刊ゲンダイ
10/15(火) 10:58配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4bdc431e11f451a84abc0c1e081c11892e37461d