自民党が所属国会議員といわゆる“統一教会”との接点について公表した調査結果を巡り、議員が報告していない「接点」が次々と明らかになっています。

 県関係でも“報告漏れ”があることが、KNBの取材でわかりました。

 田畑裕明衆議院議員
 「結果的に社会的な疑念を抱かれている団体と接点をもっていたことについては、率直にお詫びを申し上げたいというふうに思います」

 自民党が今月8日、教団と一定の関係があると認め、氏名を公表したリストには、県関係でただ一人、富山1区選出の田畑裕明衆議院議員の名前がありました。

 田畑議員は取材に対し、教団との関係は5年から10年ほど前に始まったと話します。

 田畑裕明衆議院議員
 「もともと熱心な支援者からの申し出によってですね、そこに参画するというか接点がありまして、家庭の大切さとか、世界の平和を希求する、そういった趣旨の勉強会であるということが最初、きっかけを持ったと」

 田畑議員は、ことし7月KNBが行ったアンケートには「関わりは一切ない」と答えていました。

 しかし、今回の党の調査では選挙においてボランティア支援を受けたり、関連団体の会合に出席し、本人があいさつしたりしたなどとされています。

 田畑議員は、自身が出席した会合は2017年10月の衆院選中の集会などあわせて3回、と説明しました。

 しかし、KNBの取材では、去年9月に開催された関連団体主催の講演会にも田畑議員が出席したことがわかっています。

 このことについて事務所に問い合わせたところ、「地元市議会議員の進言により再調査をしたところ、講演会開始前に挨拶をしていたことが判明した」とし、14日、党本部に追加報告をしたと説明しました。

 事務所は党の調査に答えていなかったことについて、「残っている記録では控え室で講師と名刺交換をした記録だけだったため、出席には該当しないと判断した」と答えました。

 一方、こちらの会合への出席について確認を求めましたが、いまのところ返答はありません。

 このほか堂故茂参議院議員は党の調査に対し、関連団体の会合などに祝電を3回出したとしています。

 しかし、関連団体のホームページには、去年の催しに堂故議員から祝電があったと記載されています。

 事務所は「再度調査したが、現在においてもその事実を確認できない状況」と答えました。

 また、今回の党の調査に「関係がない」と答えた野上浩太郎参議院議員については、関連団体のホームページに2015年の催しで野上議員から祝電があったと記載があるほか、一部報道では2006年ごろに関連団体の催しに祝電を送ったとされています。

 事務所は取材に対し、「調べた限り確認できませんでした」と回答しました。

 ジャーナリスト 鈴木エイトさん
 「単純に個々の議員に自己申告制で過去どのようなことがあったか申告させるだけではですね、当然、疑惑の原点である 解明とか本流まで迫れないと思うんですよね、そもそも迫るつもりがないのかもしれないですけど」

 長年“統一教会”を取材してきたジャーナリストの鈴木エイトさんです。

 自民党は幕引きするのでなく、どうして関係を持ったのか調べたうえで、被害者救済のために動くことが必要だと指摘します。

 ジャーナリスト 鈴木エイトさん
 「個々の議員の接点は、当然そこは追及していって事実確実に抑えていくことは重要で、基本ポイントなんですけど、そこから更にどのようにつながってきたかというところまでをちゃんと検証してほしいですね。そういう団体と知らないで付き合ってしまった、気を付けますで終わらせてしまってはですね、そういう団体の中にいる被害者を当然救えないと思うんですよ。国会議員である以上、社会的弱者に目を向けないといけない」

KNBニュース
2022.09.15 19:19
https://www.knb.ne.jp/nnn/news101tok5xzc30zrcfcfw.html