立憲民主党の馬淵澄夫・元国土交通相とれいわ新選組の山本太郎代表が立ち上げた「消費税減税研究会」は31日、消費税率5%への引き下げ案をとりまとめ、発表した。今秋までに実施される次期衆院選に向けて「野党共闘」の旗印にすべく、各党に政権公約に採用するよう呼びかける。

 同会によると、この日の会合には立憲、国民、無所属の議員14人が参加した。

 案では、コロナ禍が収束するまで、国債を財源として時限的に消費税を5%へ引き下げることを提言。その上で、コロナ収束後も経済が回復しなければ、消費税率を5%で固定する。その際は法人税増税や所得税の累進課税強化などで財源を捻出する考えだ。

 5%への引き下げはもともと馬淵氏の持論。所属する立憲はまだ消費減税の明確な方針は示していないが、馬淵氏は「選挙までに旗印と掲げていけるように努力する。国会会期中に各党の党首に申し入れをする」と意気込む。

 一方、れいわは「消費税廃止」を掲げていたが、野党共闘への「大きな譲歩」として「5%」を受け入れた。山本代表は「(コロナ禍を背景に)消費税0%、廃止が当たり前だ」としつつも、5%への引き下げ案を「野党の旗としてたて、政権交代に向け、人びとの生活を少しでも楽な方向に導けるような政治になっていけばいい」と述べた。

 立憲とれいわは候補者が重複している選挙区があるが、れいわは野党共闘の条件として「5%」を公約に掲げることを挙げている。(北見英城)

朝日新聞デジタル 2021年5月31日 18時27分
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