東京電力福島第1原発の処理水に含まれる放射性物質トリチウムの安全性をアピールする復興庁のチラシが批判され公開が取りやめになった問題で、同庁は22日、「ゆるキャラ」のようなイラストを記号の「T」に修正したチラシを公開した。

 復興庁の担当者は「福島県民の心に寄り添っていなかったと受け止められたイラストについて、問題を矮小(わいしょう)化していないと思われるような形で丸い玉のTと表記した。チラシを使った地元への説明については慎重に対応したい」としている。同じ内容で制作した動画も修正を加えた上で、今後公表する予定という。

 チラシではイラストを使って、トリチウムが海水や人体に存在すること、体内に入っても蓄積されず水とともに排出されることなどを説明。これに対し、ネット交流サービス(SNS)などで「無神経だ」「イメージ操作だ」といった批判が相次ぎ、発表翌日の今月14日にホームページ上の公表を取りやめた。

 平沢勝栄復興相は20日の閣議後記者会見で「不快に思われる人がいる形でやったことは、本当に申し訳ございません」と謝罪した。【関谷俊介】

毎日新聞
2021/4/22 19:02
https://mainichi.jp/articles/20210422/k00/00m/040/287000c
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