12日の毎日新聞の世論調査での内閣支持率急落を受け、政府・与党内に動揺が広がっている。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことが最大の要因とみられるが、「にやにやして危機感がない」「発信力がない」「リーダーシップがない」などと菅義偉首相に対する不満も噴出し始めた。【木下訓明、竹地広憲】

「政府はろくな手を打っていない」

 菅内閣は9月に発足して3カ月が経過したが、毎日新聞の世論調査では内閣支持率が64%→57%→40%と急落している。12月に入って報道各社の調査でも支持率下落が目立つ。自民幹部は「まだ支持政党なしよりも自民支持が上だから危機的とまでは言えないが、内閣にとっては痛手だ」と話した。

 首相は経済活動を維持し、新型コロナ感染防止との両立を目指す方針で、自身が主導して始めた旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業は継続する考えを繰り返している。しかし、今回の調査でも「中止すべきだ」が7割近くあり、世論の批判は強い。

 自民ベテラン議員は「毎日感染者が増えて病床も逼迫(ひっぱく)しているのに、政府はろくな手を打っていない。みんな帰省もしないのに、GoToトラベルをいつまで引っ張るのか」と語気を強めた。

 政府内からも「GoToをやめなきゃ駄目だ。接触するなと言いながら旅行しろとか、むちゃくちゃだ」と嘆く声が上がる。別の政府関係者は「政権の印象がかなり悪くなっている。これからは、もっと安全運転しないといけない」とため息をついた。

「本当にこの人で大丈夫なの?」

毎日新聞
2020年12月13日 06時30分
https://mainichi.jp/articles/20201212/k00/00m/010/259000c