自衛隊幹部招請行事で発言

 日本の麻生太郎副首相兼財務相が、自衛隊幹部の招請行事で、侵略戦争を美化する意味をもつ「大東亜戦争」という表現を再び使用した。この用語は、日本がアジアの植民地を解放するために戦争をしたという歪曲された意味を含んでおり、日本国内でもこの表現を使うこと自体がタブー視される。

 麻生副首相は17日、東京の首相官邸での自衛隊と防衛省の幹部を招いた懇談会で「大東亜戦争」という言葉を口にした。麻生副首相は乾杯のあいさつで、「大東亜戦争が始まる前、武官として駐英日本大使の吉田茂に仕えた人がいる」と語った。日本の自衛隊幹部を養成する防衛大学の設立に貢献した人物について説明する中で出た表現だった。

 麻生副首相は太平洋戦争そのものを美化する脈絡で「大東亜戦争」という表現を積極的に使ったわけではないものの、「大東亜戦争」という表現自体に問題がある。日本は1937年からこの表現を使い始め、1941年の東條英機内閣の時、閣議で「大東亜戦争」という表現を公式表現とした。この表現は、日本が主張した「欧米諸国からアジアの植民地を解放し、大東亜共栄圏を打ち立ててアジアの自立を目指す」という「大東亜共栄圏構想」から来た表現だ。敗戦後、日本を占領した連合軍総司令部(GHQ)は公文書でこの用語を禁止した。安倍晋三首相らも公式の場では「先の大戦」のような表現を使い、「大東亜戦争」は使わない。

 麻生副首相が「大東亜戦争」という表現を使ったのは今回が初めてではない。2008年の首相在任時にも「大東亜戦争」という言葉を使用して批判をあびた。彼は当時、日本の過去の戦争に対する立場を問う記者たちに「日清、日露(戦争)といわゆる大東亜戦争、第2次世界大戦とは、少し種類が違うと思う」と発言し、その後批判が殺到した。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) 

ハンギョレ新聞
9/19(木) 8:21配信
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