権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら漫画や写真、論文などをダウンロードすることを違法とする著作権法改正案について、自民党は8日の総務会で議題にしなかった。改正案に慎重な同党議員からは「自民党の良識を示すべきだ」などの声もあがっており、修正や開会中の通常国会への提出先送りの可能性も出てきた。

 8日に国会内であった総務会では、著作権法改正案は議題に上がらず、意見も出なかった。1日の総務会では、関係者からの聞き取りが不十分だとして了承を先送りし、文部科学部会などに差し戻しをした。同部会は6日に漫画家らの意見を聴いた上で改めて了承したが、加藤勝信総務会長は8日の記者会見で、「関係者からの様々な懸念の解消の努力が進められていると思う」と述べるにとどめた。党関係者によると、来週にも総務会で再度、議論する見通しだ。

 文化庁が示している改正案は、現在は音楽と映像に限って違法としている著作権侵害物のダウンロードの対象範囲を、漫画や写真、小説や論文などネット上のあらゆるコンテンツに拡大する内容。著作権侵害物だと「確定的に」知らなければ違法にはならないが、ネットでの情報収集が萎縮するとして党内にも根強い異論がある。

 6日の部会で法改正の先送りを…

朝日新聞
2019年3月8日21時30分
https://www.asahi.com/articles/ASM3854F8M38UCLV00J.html