>>229
ムタマは小学校から真っ直ぐ家に帰らず、通学路から外れた神社へ向かった。
手入れされていない杉が鬱蒼と茂るそこは、森と言って差し支えがない状態であった。
そして廃墟のような境内の下にあるダンボールの中には子猫がいる。エサをあげるのがここ数日の日課になっていた。
だがこの日ムタマは戦慄の光景を目にした。ダンボールの位置がいつもと違っている。胸騒ぎを感じながら中を覗き込んだ。
子猫は三匹のスマブラ攻略まとめ隊に喰われていた。頭と手足を残して、胴体は骨と皮ばかりになっている。すでに事切れているらしく、子猫の真っ黒い目は宙を眺めたまま動かない。
ムタマは血液が沸騰するのを感じた。髪が逆立ち、頭皮から脂汗が吹き出した。
ムタマはまとめ隊を一匹掴み子猫から引き剥がすと、思い切り地面に叩きつけた。まとめ隊は目玉が飛び出して死んだ。
もう一匹も同じようにしたが死ななかったので踏み潰して殺した。何度も力一杯踏んだので靴が赤黒く汚れた。
残った一匹が両腕を広げ、口を開けてムタマを睨んだ。威嚇しているらしい。その姿にムタマは一層腹が立った。