0001名無しで叶える物語(しうまい)2020/06/22(月) 22:49:27.04ID:En0jeO3/
よしまり「うふふ」
鞠莉「どうする?途中お菓子でも買った方がいいかしら?」
果南「んー、そうだね。連絡なしで突撃するわけだし、そのお詫びも兼ねて買ってった方がいいかもしれない」
鞠莉「じゃあ、松月でいいかしら?」
果南「そうだね、どら焼きでも買って行ってあげよう」
善子「にんぎょうは〜きゅう〜げつ〜!」
鞠莉「いいえ、しょうげつ、よ」
善子「しょうげつ!にんぎょうは〜しょうげつ〜!」
鞠莉「よし、じゃあ行きましょ」
善子「うん!」
善子「...疲れた」
鞠莉「あら...」
鞠莉「少し休みましょう」
果南「あそこのお店のベンチ借りよう」
鞠莉「もうちょっと我慢してね」
善子「...うん」
鞠莉「ダイヤの家も松月もまだまだ先だけど、歩ける?」
善子「...わかんない」
鞠莉「どうしようかしら...」
果南「鞠莉!ここは私に任せて!」
果南「はい善子バンザーイ!」
善子「??」バンザーイ
果南「うーん、よいしょ!」
善子「わーい、高い高い!」
鞠莉「すごい、善子を肩車しちゃったわ」
果南「いつも鍛えてるから、これぐらいどうって事ないよ」
果南「さ、行こう鞠莉!」
鞠莉「ええ!」
善子「うーみーはひろいーな大きいなー」ユラユラ
果南「つーきは昇るし 日は沈むー」テクテク
鞠莉「着いたわ」
果南「善子、じゃあいっかい降りよっか」ギュ スチャ
「いらっしゃいませ〜」
善子「何かうのー?」
鞠莉「そうねぇ...?」
果南「ダイヤん家いつもお茶出してくるから和菓子がいいと思うな」
鞠莉「じゃあどら焼きにしましょ。お金は私が払うわ」
果南「サンキュー鞠莉。ここはお言葉に甘えて...」
果南「おーい、善子、こっちおいで!」
果南「あのね、今日は鞠莉が好きなもの全部買ってくれるんだって!」
善子「ほんと!?」
善子「じゃあこれ!おっきいチュークリームがいい!」
鞠莉「わかったわ!シュークリームね!」
鞠莉「すみませーん!」
「これ8つとシュークリーム一つお願いします」
「保冷剤もお願いします」
「えーっと、だいたい30分ぐらいなので...」
「ありがとうございます」
果南「善子、後もうちょっとだけど、大丈夫?歩ける?」
善子「うん!歩ける!」
果南「じゃあよかった。行こうか!」
善子「ね!かんなちゃんも、マリーお姉ちゃんも一緒に手つなご!」
鞠莉「それなら善子が真ん中ね」
果南「私は海側歩こうかなん?」
善子「おててぎゅーってして!」
果南「こうかな?」
鞠莉「あ、善子!目の前に水たまりが有るわ!」
鞠莉「はいジャーンプ!」善子の腕を持ち上げる
善子「!!」ピョーン
善子「たのしい!!」
果南「善子、軽いなぁ。ちっちゃいから当たり前か!」
善子「またピョーンってやりたい!」キャッキャ
鞠莉「いつ見ても立派ねこの門は...」
果南「いや、それ鞠莉が言うと嫌味にしか聞こえないんだけど...」
善子「ほぇー」
果南「そのまま呼び鈴押しちゃうけどいい?」
鞠莉「ちょっとWait!私にいい考えがあるの」
鞠莉「善子と果南はそのまま呼び鈴を鳴らして」
鞠莉「私はダイヤが見えない様に柱の影に隠れて...」ゴニョゴニョ
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ピーンポーン
スピーカー「はーい」
果南「松浦です。ダイヤに用があって来ました」
スピーカー「あら、果南さんいらっしゃい。ダイヤね、今行かせるわ」
小さい門「ギィイイ」
ダイヤ「こんにちは果南さん。こんな暑い日に何の用事ですか?」
果南「ちょうど近く寄ったから、ついでにって思って」
ダイヤ「そちらのお子さんは?」
果南「親戚の子。善子っていうの」
善子「....」ギュ
果南「結果人見知りだからダイヤの事怖いってさ」ケラケラ
果南「あ、それでこれお土産」ズイ
ダイヤ「ありがとうございます」果南の近くに来る
鞠莉「今だわ!隙あり!!」ガバッ
ダイヤ「!?!?!?」
鞠莉「うーん、ちょっと肉付きが良くなったんじゃないかしら?でもおっぱいはまだまだね!」
ダイヤ「ぴぎゃあああああああ!」バチーン
「ちょっと!叩かないで!!」
「誰ですの!?セクハラ!破廉恥!犯罪で訴えてやる!」バシバシ
「痛い!痛い!私よ!」
「今度はオレオレ詐欺ですの!?無礼者めが!恥を知りなさい」バシバシ
「果南!見てないで止めてよ!」
「アハハハハハ!これは傑作!傑作!」
鞠莉「....」顔に大きな紅葉
ダイヤ「まさか鞠莉さんだったとは、あら、もうそんな時期でしたのね!」
善子「マリーお姉ちゃん大丈夫?」
鞠莉「ダイヤのバカ!ポンコツ!ただの炭素!」
果南「いやー、こんな事になるとは。良いもの見れたよほんと。あの鬼気迫る表情はほんとに傑作だった」ニヤニヤ
ダイヤ「か、果南さんまでそんな事言わなくったって良いじゃありませんか!」
果南「まあともあれ私達はダイヤの所に遊びに来たの」
善子「ねーねー、この人ってるびいのお姉ちゃん?」
ダイヤ「まぁ!ルビィの事、ご存知ですの?」
鞠莉「本当はね、善子は私の親戚の子なの。沼津の〇〇幼稚園に通ってるんですって」
ダイヤ「あら、そうでしたの!今日は丁度国木田さんのところの住職さんがいらしていて、花丸さんも遊びに来ていた所ですわ」
ダイヤ「中へお入りなさいな」
果南「お邪魔しまーす」門を潜る
鞠莉「お邪魔しまーす。相変わらず入り辛いわねこの横の門は」
善子「ちっちゃーい!かっこいい!」
ダイヤ「善子さんには丁度良い大きさでしたね...」
鞠莉「お邪魔します」
善子「こんにちは!」
ダイヤ「ルビィ達はこっちに居ますわ。着いてきてください」スタスタ
善子「うん!」タッタッタッタ
鞠莉「なんだかダイヤのお家って落ち着くわ。藺草のお陰かしらね?」
果南「なんかこう、木造の匂いってのも有るよね」
ダイヤ「ルビィ、入りますよ」襖スー
善子「るびぃ!はなまる!」
ルビィ「えっ!?よしこちゃ!?」
花丸「どうしてここにいるの??」
ダイヤ「善子さんの親戚がこちらにいらしていて、それで着いてきたんですの」
善子「マリーお姉ちゃんって言うんだよ!」
善子「ほら!あそこにいるよ!」ユビサシ
鞠莉「Ciao!」テフリフリ
ルビィ「かみのけの色がきいろ!かっこいい...」
花丸「かわいい!」
ダイヤ「私達は隣の部屋にいますから、静かに遊ぶのですよ」襖スー
ルビィ「うゆ!」
善子「ねーねー、はなまるとるびぃは何して遊んでたの?」
ルビィ「お絵かきしてたんだよ!」
花丸「あとどうぶつ図鑑見てたずら」
ルビィ「これがライオンさんで、こっちがイルカしゃん!」
善子「すごーい!よしこもやる!」
花丸「じゃあさ、みんなでお絵かきして、お姉ちゃん達にいちばんうまい絵をね、決めてもらおうよ!」
ルビィ「わかった!紙持ってきたよ」
善子「みんな何かくかひみつね!」
花丸「うん!」
ダイヤ「今お茶入れてきますね。そこに座って待っててください」
果南「サンキューダイヤ」
鞠莉「じゃあゆっくりさせて貰うわ」
鞠莉「あー、歩くの疲れたー」
果南「そんな大した距離じゃなかったでしょ?」
鞠莉「そうね、ちょっと運動不足なのかも」
ダイヤ「お茶お持ちしましたわ」
鞠莉「いただきます。....んく、んく...プハー!」
ダイヤ「はしたないですわよ鞠莉さん」
鞠莉「いいじゃない、ここには私達しかいないんだから」
ダイヤ「それで、あちらでの暮らしはどうですか?」
果南「私も気になるかな、鞠莉の話」
鞠莉「...うーん、そうねぇ...」
果南「またあの頃みたくお天馬はしてないよね??」
鞠莉「ばっ、馬鹿!そんな事してないわよ!思い出すのも恥ずかしいんだから!!」
鞠莉「この前は夏至のお祭りとヨハネのお祭りをやったわ」
鞠莉「夏の到来を祝うお祭りなのだけど、沢山料理も出すのよ」
鞠莉「今年はね、私、宿舎でお料理を出す係に選ばれたの」
果南「えー、鞠莉が?適当に突っ込んで変な料理作ってないよね?」
鞠莉「失礼ねぇ!私だって料理ぐらいできるわよ!」
鞠莉「それでね、寮母さんや地域のお爺ちゃんお婆ちゃんと一緒に作ったの」
鞠莉「ほら!これ!」スマホ見せる
ダイヤ「まぁ、綺麗です事!これ本当に鞠莉さんが作りましたの?」
鞠莉「もう、ダイヤまでそう言う事いう!」
鞠莉「レシピ教えて貰ったから、今度みんなに作ってあげる!」
果南「それは楽しみ!」グー
果南「あ、美味しそうな料理見てたらお腹減って来ちゃった...」
果南「さっきのどら焼き食べてもいい?」
ダイヤ「仕方ないですわね...」
鞠莉「ああ、そうだった。多分さっきの袋の中にシュークリーム入ってるから、分けて持ってきてくれないかしら?」
鞠莉「あれ、善子のなのよ」
ダイヤ「わかりましたわ」
ダイヤ「どら焼きお持ちしました。ルビィ達の分も一緒に持ってきました」
鞠莉「ありがとう。早速いただくわ」パク
鞠莉「はぁ、あまーい...」モグモグ
鞠莉「あっちから帰って来たんだなぁって思う時は、やっぱり何か食べた時だと思うわ私は」
果南「そんなに食べ物って違い有るの?」
鞠莉「有るわよ十分。日本食レストランはあっても、あっちの人の好みに合わせているから味が全然違うわ」
果南「そうなんだ」
ダイヤ「果南さんも外国に旅行に行った時は同じことを思いますわ」
ダイヤ「さてと、ルビィ達も呼びましょう」
ダイヤ「ルビィ、おやつ持って来ましたので一緒に食べましょう」襖開ける
ルビィ「.....むむむ!」
善子「......うーん」
花丸「......」ジー
ダイヤ「どうしましたの、ルビィ?お菓子あるわよ?」
ルビィ「るびぃ達ね!今お絵かきしてるの」カキカキ
ルビィ「誰がいちばんうまいか、お姉ちゃ達に決めて貰うの!」カキカキ
花丸「できた!」
善子「よしこもできた!」
ルビィ「あとちょっと待って」カキカキ
ルビィ「できた!」
ルビィ「お姉ちゃ達、ちょっときて!」
果南「なになに〜?」
鞠莉「私達は審査員って事かしら?」
ルビィ「誰が一番じょうずな絵か決めて欲しいの!」
ルビィ「るびぃはこれ!」
ダイヤ「あら、上手ね。これはどんなのを描いたの?」
ルビィ「アイドルだよ!この黄色いのがほうせき!それでね、こっちがマイク!」
ダイヤ「上手ですわね」頭ナデナデ
善子「つぎよしこ!」
善子「みて!これなんだかわかる?」
鞠莉「人の顔?」
善子「そう!マリーお姉ちゃん!」
善子「お姉ちゃんね、ご飯のまえに、ラーメンってやるでしょ?それ描いたんだ!」
鞠莉「あら、嬉しいわ。美人な所が私そっくり!」ナデナデ
花丸「最後はおらずら...これ...」
果南「あ、わかった!これシャチでしょ!」
花丸「正解!お姉ちゃんすごい!」
果南「だって、シャチの特徴がよく描かれてるからすぐにわかったよ」
花丸「昔ね、お父さんと一緒に行ったすいぞくかんで見たの。それからずっと好き!」
果南「うんうん!かっこいいよね!」ハグ
ルビィ「ねえねえ、誰が一番じょうじゅ?」
ダイヤ「うーん、そうですわね....」
ダイヤ「やっぱり、そんなの決められませんわ...」ナデナデギュー
ルビィ「えー!」
鞠莉「だってみんな上手だもの。頑張ったなら一番を決める必要はないわ!」ナデナデギュー
善子「マリーお姉ちゃんあっつい!」
果南「君花丸ちゃんって言うんだっけ?」
花丸「....ずら!」
果南「はー、ちっちゃい子ってなんでこんなにかわいいんだろう〜」ギュー
花丸「ちょっと苦しいずら...」お腹グー
果南「んー?お腹減ったの?」
花丸「...ずら」コクリ
ダイヤ「ああ、忘れていました。ルビィ、お菓子の差し入れがあります。こっちの部屋へきなさい」
ルビィ「なになに?」スタッ
善子「どら焼きだよ!」スクッ
花丸「ほんとずら!?」シュタッ
果南「あー、行っちゃった...」
ダイヤ「鞠莉さんが買ってきてくださいました。お礼をちゃんと言うのですよ」
ルビィ「ありがとう!」
花丸「ありがとうずら!」
善子「お姉ちゃんありがとう!」
善子「あれ?こっちの箱には何が入ってるの?」
ダイヤ「それはあなたのシュークリームですわ」
善子「やっぱりこっち食べる!」
鞠莉「でもそれは一つしかないから、持って帰った方がいいわよ?」
善子「食べるもん!食べるの!」
鞠莉「仕方ないわね...。ダイヤ、お皿いただけるかしら?」
ダイヤ「はいはい」
善子「いただきます!」
花丸「....」ジー
ルビィ「....」ジー
鞠莉(まぁそうなるわよね...)
善子「二人とも欲しいの?」
花丸「...」ブンブン
ルビィ「....」ジー
善子「ほんとう?いただきまーす」あーん
ルビィ・花丸「...!!!」
善子「.....」モグモグ
善子「やっぱり食べたいんでしょ?」
善子「はいどうぞ!」モギモギ
花丸「よしこちゃいいの?」
善子「うん!」
ルビィ「じゃあルビィのどらやきもあげりゅ!」モギモギ
善子「こうかんね」
花丸「お、おらも!」
果南「微笑ましいなぁ...」
鞠莉「そうね....」
ダイヤ「ゆっくりよく噛んで食べるのですよ」
三人「「「ごちそうさまでした」」」パチン!
善子「ねえ、これから何する?」
ルビィ「るびぃね、お飯事がしたい」
花丸「まるはお母さんの役やりたい!」
善子「私もお母さんの役やるの!」
ダイヤ「あらあら、喧嘩はよくありませんよ」
ルビィ「るびぃもお母さんの役!」
果南「わぁ、これは困った」
鞠莉「マリーに提案があるわ!」
鞠莉「ねえねえ、マリー達が子供の役をやるから、三人ともお母さんの役をやればいいんじゃないかしら?」
三人「!!」
花丸「ほんとう?」
鞠莉「ええ、本当よ」
ルビィ「お姉ちゃ、お姉ちゃなのに子供なんだね!!」
ダイヤ「今日はそうですわね」
善子「マリーお姉ちゃんこっちー!」ギュ
鞠莉「はいはい」ニコニコ
果南「花丸ちゃんよろしくね」
花丸「お姉ちゃんよろしくね!」
\ワイワイ わちゃわちゃ/
「それまだ食べちゃダメだよ!」
「ごめんごめん、あはは、飯事なんて久しぶりだなぁ」
「るびぃ食べれないからピーマンあげう!」
「こら、お母さんが残してはいけませんよ!」
「これお魚のシチュー!」
「まぁとってもデリシャス!」
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鞠莉・果南「お邪魔しました」
善子「バイバイ!」
ダイヤ「お土産ありがとうございました。家の者が送ってくれる様なので、表でしばらく待っててくださいな」
ダイヤ「そういえば鞠莉さんはいつまでこちらに滞在していますの?」
鞠莉「2週間こっちにいるわ」
ダイヤ「そうですの。予定を確認したらまた連絡を入れますわ」
鞠莉「忘れないでね」
果南「そうだ、今日の夜空いてるならこっちにおいでよ」
果南「見せたいものがあるんだ」
ダイヤ「あらなんですの?気になりますわね」
果南「それは見るまでのお楽しみ!」
ダイヤ「果南さんにしては粋な事しますわね」
果南「それじゃあよろしく!8時頃ね!」
ルビィ「あ、よしこちゃんまだいた!」
ダイヤ「どうしましたの?三人はもう帰りますのよ?」
ルビィ「さっきね、はなまるちゃんとお花とったの」
ルビィ「はなまるちゃんさっき帰っちゃったからルビィが渡すの!」
ダイヤ「奥の花園の奴ですね。綺麗ね」
善子「うわぁ〜きれい!ありがとう!」
鞠莉「車も来た事だし失礼するわ。今日はありがとうダイヤ」フリフリ
果南「ダイヤ車ありがとうね!また8時に!」フリフリ
善子「るびぃじゃあねー!」フリフリ
善子「到着!」
鞠莉「船はもう慣れたかしら?」
善子「うん!」
鞠莉「それはよかったわ」
果南「それじゃあ私はこれで。ご飯作らなきゃ!」タッタッタッタ
鞠莉「バイバイ果南!」フリフリ
善子「バイバイかんなちゃん」ブンブン
鞠莉「うーん、まだ会合が終わるまでに時間があるわね...」
善子「マリーお姉ちゃん、お花!お花どうしよう?」
鞠莉「うーん、そうねぇ....」
鞠莉「お花...お花....私はオハラ...じゃなくてお花....」
鞠莉「ねえ善子、そのお花少し分けてもらってもいいかしら?」
善子「???」
善子「いいよ!」
鞠莉「船着場のバケツを借りてきたわ」
鞠莉「そこに泉があるでしょ?その水をこのバケツに入れて」
善子「....」ジー
鞠莉「大分溜まってきたわね。それじゃあホテルへ帰りましょう」
善子「このお水何に使うの?」
鞠莉「2人だけのSecret festivalよ!」
善子「しーくれ?なに?」
鞠莉「2人だけの、秘密のお祭り」
善子「なにそれー!かっこいい!」
鞠莉「本当はちょっと前の時期にやるお祭りなんだけど...ま!気にしない!」
鞠莉「さ、帰ったらお祭りの準備をしましょう」
善子「うん!」
in鞠莉ちゃんの部屋
鞠莉「arriving!」
善子「あいらびん!」
善子「わぁああ、広い!お姫様みたいなお部屋!」
鞠莉「善子、ちょっとそこで待ってて」
善子「うん!」
鞠莉「ハサミと桶っと...こっちだったかしら...?」
鞠莉「あったわ。これとあとハーブティーのハーブで...」
鞠莉「お待たせ」
善子「これでどうするの?」
鞠莉「今からやる秘密のお祭りは、聖ヨハネのお祭りって言ってね」
鞠莉「泉の水にお花とハーブを浸して、このお花と水に月の光を集めてあげるの」
鞠莉「それでね、次の日にその水で顔を洗うとその一年はいい事が起こるのよ」
善子「...?」
鞠莉「うーん、わかんないか!」ナデナデ
鞠莉「お祭りというより習慣みたいな物だけど、私はこの習慣が好きなの」ナデナデ
鞠莉「だって、それが過ぎたらもうすぐみんなに会えるから....」ナデナデ
善子「....」
鞠莉「ちょっとしんみりしちゃったわね。さあ、お花の準備しましょう」
鞠莉「お花の茎を、こうやって斜めにカットできる?」パチン
善子「やってみる!」
鞠莉「それでね、カットしたお花をこうやって桶に入れてあげて...」パサァ
鞠莉「湧き水を入れてあげて...」ジョボジョボ
鞠莉「あとハーブを散らせば...、完成!」
善子「きれいだね!」
鞠莉「これをね、外に出して月の光を当ててあげるの」
鞠莉「また明日の朝いらっしゃい。桶の水で顔を洗えば、明日はきっといい事あるわよ!」
善子「ほんとお!?」
鞠莉「ええ!」
鞠莉「残りのお花は花瓶に入れて置いたわ。おじさんとおばさんに見せてあげるといいわ」
善子「ほんとだ!ありがとう!」
ドア「コンコン」
鞠莉「はーい」
ボーイ「お嬢様、もうすぐディナーのお時間です」
鞠莉「あらもうそんな時間だった?」
鞠莉「ごめんね善子。これで一旦お別れだわ」
善子「でもまた会えるよね!」
鞠莉「もちろんよ!」
鞠莉「ねえ?ディナーの前に善子を部屋に送り届けてもいいかしら?」
ボーイ「はいかしこまりましたお嬢様」
-善子達の部屋の前-
鞠莉「はいお花。おじさん達にちゃんと見せるのよ」
善子「わかった!」
鞠莉「多分もう帰ってきてる頃だから....」コンコン
「はーい」
ドア「ガチャ」
善子父「あら鞠莉ちゃん。今日は善子を預かってくれてどうもありがとう」
善子母「この子悪さしなかった?」
鞠莉「いえ全然。むしろお行儀良かったです。ね?」
善子「うん!今日ね、かんなちゃんにあってね、るびぃのおうち行ったの」
善子「そしたらね、はなまるがいてね、一緒に遊んだの!」
善子「るびぃからね、お花もらったの!これ」💐
善子母「まあ綺麗ね。良かったね善子」ナデナデ
善子「ぱぱにもままにも、今日の事いっぱいはなしたい!」
善子父「どんな事聞かせてくれるんだー?楽しみだな!」ナデナデ
鞠莉「あの、果南からの提案なんですけど...」
善子母「あら何かしら?」
鞠莉「今日の夜、見せたい物があるって言ってて、善子連れてきて欲しいって言われたんです」
鞠莉「多分神社の方には行かないと思うんですが、連れだしても大丈夫ですか?」
善子母「そうねぇ...夜はちょっと心配だわ。連れ出すのはいいけど、私達も一緒に行こうかしらね」
鞠莉「ありがとうございます。果南は8時ごろって言ってたので、またお伺いします」
善子母「何見せてくれるか楽しみね」
鞠莉「それじゃあ私は失礼します」
善子父「じゃあね!鞠莉ちゃん!」
-鞠莉ちゃんのお母さんの部屋の前-
ちょっと歩き疲れたせいもあって、足が重い。
でもそれはいつもの事だけど、なんだか今回は気持ちは前向きだった。
ドア「コンコン」
「どうぞ」
鞠莉「失礼します」ガチャ
今度はテーブルの上にかすみ草が生けてある。
大きくもなく、小さくもなく、丁度いい大きさ。
照明の暗さとも相まって、部屋の中にゆったりとした雰囲気が流れ始めた。
鞠莉ママ「今日はどうでしたか?」
鞠莉「果南と一緒にダイヤの家に行ったわ。途中で松月に寄ってお菓子を買って行ったの」
鞠莉「ダイヤにも日本にいるって連絡を入れてなかったから、びっくりさせようとして、隠れて驚かせたの」
鞠莉「そしたらね、逆ギレしたダイヤに叩かれてしまったわ」
鞠莉ママ「まあデスワったらなんて事を!」
鞠莉「そんな事は些細な事よ。それでね、善子達とね...」
鞠莉ママ(こんなに饒舌に話してくれるのはいつ以来でしょう...)ホロリ
鞠莉「善子とルビィってば、私にキムチを食べさせようとしたのよ!子供だから好き嫌いしちゃダメー!って」
鞠莉ママ「楽しそうデスね...」
鞠莉「あれ?どうしたのよ....」
鞠莉ママ「なんでもありまセン...もっと話を続けてください」
鞠莉「...まあいいけど、花丸って知ってるかしら?あの近くのお寺の....」
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果南「よし、入ってるかな〜?」シャカシャカ
果南「おー!光った光った!」
果南「じゃあ次は水槽用意してっと」ピロン
果南「ん?ダイヤからだ。島に着いたって」
果南「家の前の歩道にいるっと...送信」
ダイヤ「お疲れ様です果南さん」
ダイヤ「今日は何を見せてくださいますの?」
果南「それはまだ言えなーい」
果南「それよりもさ、鞠莉と善子を迎えに行こう!」
果南「はいこれ」ポイ
ダイヤ「懐中電灯...?」
果南「せっかく帰って来てるんだし、やる事は一つじゃん?」
ダイヤ「そう、ですわね。いきましょう果南さん」
ご飯を食べた後はなんだか少し眠くなる。
今日は一日が濃すぎた様な気がする。
日本にいる間、こんな日が続くという幸福感と少しの疲労感が襲ってきた。
鞠莉「コーヒーでも飲もうかしら...」
窓が一瞬明るくなる。はじめは見間違いかと思ったが、その後も一定の間隔を置いて明るくなった。
窓「ピカッ ピカッ」
鞠莉「!!」
鞠莉「....」ハァ
鞠莉「なんだ、みんなあの頃とちっとも変わってないじゃない...」
鞠莉「さて、善子の所に行かないと...」
善子父「おー、夜の淡島は初めてだ」
善子母「お風呂入った時は夕暮れだったものね。内浦の夜の景色ってこんな感じなのね」
善子「ちょっと怖い....」ギュ
鞠莉「風も吹いてるから、足元気をつけてね。たまに蟹なんかが歩いているのよ」
善子「今日はかにさんいる?」
鞠莉「うーん、道の端っことかならいるかもね」
鞠莉「さて、果南とダイヤはどこかしら?」
果南「おーい、鞠莉!こっちこっち!」
鞠莉「普通に遊歩道の側にいるのね。海の中潜ってると思ったわ」
果南「いくらダイビングが好きでもそんなことはしないよ」
ダイヤ「果南さん、言われてた仕掛け、全部引き上げ終わりましたわ」
果南「ありがとうダイヤ。鞠莉、善子、これなんだと思う?」
善子「ビン?」
鞠莉「コーヒーの空き瓶かしら?中に海水が入っているけど、バケツ?」
鞠莉「仕掛けって言うから、もっと大層なものだと思ってたわ」
果南「ふっふーん、よーく見ててね」
果南「この海水を水槽に勢いよく注いであげると....」ジョボジョボ
その時、水槽に幻想的な青い光が現れた。
果南とダイヤはすぐさま懐中電灯の光を消す。
そうすると、青い光が輪郭を持ち始める。
善子「わぁ〜!綺麗!」
善子父「俺初めて生で見た!」
ダイヤ「綺麗ですわね...」
鞠莉「ねえ、これって...!」
果南「そう!海ホタル!この時期は海流の関係でこの辺りにも住んでるみたいなんだ」
果南「海ホタルが本来住むのは浜辺だから、取れないかもって思ったけど今日はとれてよかった!」
鞠莉「私もここに住んでたけど、そんな事初めて知ったわ。それに果南から解説される日が来るなんて...」
ダイヤ「果南さんはこれでもちゃんと勉強してますのよ」
果南「なんだよ二人とも私を馬鹿にしてー!」
善子「かんなちゃん!よしこね、もっとみたい!」
果南「善子〜!君だけは私の味方だ〜」
果南「じゃあ次の仕掛け開けてみようか」
善子「うむむむ、うーん蓋が開かない」
果南「どれどれ...よいしょっと」グリ
善子「かんなちゃん力持ち!」
善子「ねえねえ、これってどうして光るの?」
果南「それはね、敵から逃げる為なんだ」
果南「タコが墨吐くのと同じように海ホタルは光を吐いて逃げるんだよ」
善子「へぇ〜」
善子「じゃあどうして光るの...?」
果南「それは...私も知らないや!」
鞠莉「肝心な所はダメじゃない」
ダイヤ「確かホタルが光る原理と同じだと聞きました」
果南「じゃあ電気は使ってないみたいだね!」
鞠莉「なにそれ...」
善子父「はじめはピカーってしてても、だんだん消えてっちゃうんだな...」
善子母「でもそれも綺麗ね...」
善子母「善子、動画撮るからもう一回やって見ましょう」
善子「うん!」
善子「マリーお姉ちゃんビンかしてー」
鞠莉「はいどうぞ!」
「ねえねえ、ホタルって食えるの...?」
「え....食べても美味しくないと思います」
「問題!海のダイヤモンドって何かわかるかしら?」
「昆布...ですか?」
「ノンノン、正解は Sea cucumber!なまこよなまこ!」
「えっ、黒いのにダイヤモンドとは...」
「善子、ほら蟹さんいたわよ」
「うう、ママこっちに向けないで。かにさん怖い...」
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〜次の日〜
ドア「コンコン」
鞠莉「はーい」
善子父「鞠莉ちゃん、善子連れてきたよー」
鞠莉「はい、今開けます」ガチャ
善子「....」ジョボジョボ
鞠莉「あら、まだお眠むだったのね...」
善子父「善子ってば、鞠莉ちゃんとの約束すっかり忘れてたみたいでさ...」
善子父「俺には内緒だって言って、約束の内容は教えてくれなかったけど、朝鞠莉ちゃんのお部屋行くんだって言ってたから連れてきた」
鞠莉「ありがとうございます」
善子父「じゃあ俺は部屋の外で待ってるから、済んだら声かけてね!」バタン
善子「....まりぃおねえちゃ...」ギュ
鞠莉「あらあら、寝坊助さんはこれから顔を洗いましょうね」
鞠莉「桶はこっちにあるから、バスルームに持っていって...」
鞠莉「善子、昨日の事覚えてる?」
善子「....うん」ジョボジョボ
鞠莉「昨日作ったこの水でね、顔を洗うと、その日一年はいい事あるのよ」
善子「ほんと?」
鞠莉「本当よ。顔を洗って目を覚ましましょう」
善子「うん!」シャバシャバ
鞠莉「気分はどう?」
善子「気持ちいい!それにこの水、いい匂いする!」
鞠莉「ハーブが入ってるからね。私も顔洗おう」シャバシャバ
鞠莉「気持ちいいわね」
善子「マリーお姉ちゃん、オデコに花びらついてる!」キャッキャ
鞠莉「あら、本当だわ...とってくれるかしら?」
善子「じっとしててね!」ノビー
善子「とれた!」
鞠莉「ありがとう。地味だけど、お祭りはこれでおしまい」
鞠莉「このお花、かわいいわね。善子、じっとしてて...」モゾモゾ
善子「...?」
鞠莉「ピンで止めてっと...はい、髪飾りの完成。鏡見てご覧」
善子「わぁ〜!かわいい!」
鞠莉「じゃあおじさん呼んでくるわ」
善子「やだ!やだ!」
鞠莉「どうしたの急に...」
善子「だってぱぱが来たらおうち帰らなきゃいけないもん!」
鞠莉「善子....」
鞠莉「寂しいのはわかるわ。私も一緒よ」
鞠莉「でもね、私もいつかイタリアに帰らなきゃいけないの」ハグ
鞠莉「本当に寂しいわ、本当に。でもね、また必ず会えるってわかってるから頑張れるの」
善子「また会える...」
鞠莉「来年また会えるわよ」目線を合わせる
鞠莉「善子が寂しくないように、私からの贈り物」オデコにキス
善子「よしこ、がんばる...」ウルウル
鞠莉「じゃあおじさんの所にいきましょう」
善子「....うん」グスン
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善子「船乗ったらマリーお姉ちゃんとお別れだね」
鞠莉「そうね。でもマリーはしばらく日本にいるわ」
鞠莉「その間は何度も私の所に遊びに来て頂戴!いつでもマリーは歓迎するわ!」
善子父「おーい、よったん!もうすぐ船が出るからこっちこーい!」
鞠莉「おじさんも呼んでるから早くいきましょう」
善子「マリーお姉ちゃん、あのね!」
鞠莉「何かしら?」
善子「よしこから、お姉ちゃんに寂しくないようにプレゼントあげゆ」
善子「これ」つ貝殻🐚
鞠莉「ありがとう。これでもう私も寂しくないわ」
鞠莉「さあ、船に乗りましょ」
善子「うん」
船「出航しまーす」
船が離岸する。
手を振り続けた。対岸についてもまだ手を振っていた。
少ししんみりする。次の便が来るまで、その場に立ち尽くしてしまった。
〜数年後〜
善子「はぁ、空港から抜け出すので精一杯ね...ぼられそうになったし、ミサンガ売りつけられそうになったわ...」
善子「このゲートね。こっちか...」
善子(あれからの数年、勉強も頑張って遂に夢のイタリア!)
善子「こっちかな...?」ドン
善子「痛っ!すみません...じゃあなくて... spiacente」
善子(何このお姉さん、サングラス掛けてて怖い!)
???「Mi dispiace. a proposito」
???「すっかり大きくなったわね、善子」
善子「へ...?」
???「あら、これでもわからない?」サングラスとメガネを外す
鞠莉「良い女になったんじゃない?」サファ
善子「...!マリーお姉ちゃん!」
鞠莉「ずーっと貴方の事を待ってたわ。貴方のくれた貝殻のお陰で私はいつも頑張って来れた」
鞠莉「ありがとうね」
善子「私だって同じよ。マリー、ちょっと顔をこっちに向けて」
鞠莉「こうかしら?」チュ
善子「あの時のお返し」
善子「さ、行きましょ!」テクテク
鞠莉「....///」ポカーン
鞠莉「...大胆さが誰に似たのかしらね..?」テクテク
おわり
途中で感想を書き込んでくださった方、保守してくださった方、長い間ありがとうございました
0150名無しで叶える物語(たこやき)2020/07/17(金) 01:24:59.31ID:uALQ4Wiw
お疲れ様でした、とても癒されました
善子ちゃんはもちろんなんだけど、本編より少し幼い鞠莉ちゃんたちもまた可愛らしい……
優しさに溢れた素敵なよしまりだった、いいもの読めて感謝