>>249
確かに現代の製油所は、ガソリンや軽油・ジェット燃料といった輸送用燃料を需要の中心製品として想定し、各種分解・改質プロセスを用いて得率を高める設計がなされている。したがって、これらの燃料が「単なる不要な副産物」であるとするのは事実ではない。

しかし一方で、原油は本質的に多成分混合物であり、分留・改質・分解といった工程を経ても、特定の製品のみを完全に独立して生産することはできないという物理的制約、すなわち連産性が依然として存在する。このため、ガソリンが過去には灯油精製の副産物として扱われていたという歴史的事実は、単なる過去の逸話ではなく、原油精製というプロセスそのものが持つ構造的特徴を示している。

現代においても、プラスチック原料や潤滑油、アスファルトなどの非燃料製品は全体の数量としては少数派であるが、原油を精製する以上、これらの留分は必然的に同時に生成され、燃料生産と切り離して存在することはできない。したがって、ガソリンや軽油が「需要の中心製品」であることと、「原油由来製品群の相互連鎖の中で成立している」という側面は両立する事実であり、どちらか一方のみを強調するのは現実を単純化しすぎていると言える。