>>536>>537について、法的には以下のように説明することができる
結果及び因果関係の基本的部分、本質的部分・重要部分を予見対象とし
その具体的予見可能性が認定できれば足りる
あるいは、結果の予見可能性は結果発生の危惧感・不安感あれば足りる
どちらの考え方によっても、>>536でいうと、
津波が到来することについての具体的予見性があれば足り、
10mを超える津波が到来することについての具体的予見可能性までは要求されないということである
具体的因果経過の予見までは必要ではないのである

では、女川判決は?との反論が教員擁護派から出るであろう
これに対しては次のように反論できる
まず、女川事案では、13mの屋上へすでに避難が完了しており、
その置かれた状況では、津波の危険性について問題となるのは
13mの高さを超える津波が到来した場合である
この場合には、13mを超えて屋上避難では危険となることについての具体的予見可能性は
基本的・本質的部分であるといえるから、13mの高さを超える津波到来の具体的予見可能性が求められたのである

では、屋上避難を開始する時点において、屋上へ避難するか、指定避難所であった山への避難とするか、
この選択時においては、「より高く」の原則を適用されないのか?という問題については、
その時点においては、マニュアルの想定を超えた事態であると具体的に認識することはできなかったから、
支店を放棄する動機付けまでの情報があるとはいえず、マニュアルに従った避難行動は合理的であるといえる
さらに、管理対象は成人であり、離脱の自由もあったといえる
よって、女川事案での確定判決は、>>536>>537の考え方に反するものではない

大川小事案では、10m以上の津波が到来することについて、具体的予見可能性を認定することは可能であるし、
大津波警報10m以上の情報を入手していなかったとしても、「より高く」の原則を適用し
裏山ではなく三角地帯を避難先として選択したその判断について、結果回避義務違反と認定することは可能なのである