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ある方に奨められて、映画「関心領域(The Zone of Interest)」を観ました。
アウシュビッツ強制収容所と隣り合っている邸宅で、所長のルドルフ・ヘスと家族たちが「幸せに暮らしている」狂気を描いた作品ですが、ほぼ実話です。実際に収容所の隣の豪邸でヘスと奥さん、子供たちが楽しそうに暮らしている映像が残されていたりします(庭は映画ほど広くないですが)。

わたくしは、映画ではなくリアルの映像の方を見たとき、ヘスの家族たちが楽しそうに、笑って暮らしており、男の子が庭に設置されたブランコで楽しそうに遊んでいるシーンを見て、愕然としました。
子供たちはともかく、ヘスの奥さんは「お隣」で何が行われているのか、知っていた。それでも、笑って夫や子供たちと楽しく暮らしていたわけです。映画では、夫の転勤時に収容所の隣の家で暮らすことに固執していました。

なぜか?
お隣で「何」が行われているかについては、関心領域の「外」だったためです。人間とは、そういう生命体なのですよ、所詮は。

何を言いたいか、分かりますか?

実質賃金が25カ月連続で対前年比減となり、輸入物価上昇に起因するコストプッシュ型インフレに国民が苦しんでいる。
正しい政策は、とりあえずは「消費税の廃止」です。それにも関わらず、多くの国会議員は「正しい政策」から目を背ける。財務官僚は、この状況にありながら、PB黒字化目標に堅持している。

なぜか?
国民の苦しみや国家の凋落が、彼らの関心領域の「外」だからです。