再来年に迫る大阪・関西万博の準備が遅れています。資材高騰や人手不足のあおりを受け、万博の目玉である海外パビリオンの建設申請が、いまだゼロにとどまっているのです。

半世紀前の1970年に開かれた大阪万博。およそ6400万人が訪れ、日本の高度経済成長の象徴に。大きなウリとなったのが77か国が参加した海外パビリオンでした。

あれから半世紀…

再来年4月から、今度は大阪・夢洲で大阪・関西万博が開かれます。およそ50の国と地域がパビリオンを建設する予定でしたが、建設認可申請がまだゼロにとどまっているのです。

先ほど、パビリオンの調印式を開いたカナダも建設申請はこれからです。運営側は…

関西経済連合会 松本正義会長
「何が問題なのか、今、万博協会が必死になって調べている」

「(Q.お父さん行くつもりですか?)全然ない。もともとおかしいと思っているから、作るのは。あんなの無茶苦茶」

なぜ準備が遅れているのか。パビリオンの建設を担う建設業界からは、すでに悲鳴があがっています。

全国建設業協同組合連合会 青柳剛会長
「タイトな工期と価格が高止まりになっているのが大きな要素。それでみんなが敬遠しがち。(建設業界に)どんどん人が入ってくる時代じゃない」

開催が再来年に迫り、長い工期を確保するのは困難に。また、セメントや鉄鋼などの資材は5割以上値上がりしています。それに、複雑なデザインが多い海外パビリオンの建設には、特に多くの人手が必要になるため、受注が難しいといいます。

出展する日本企業関係者
「最後は国がゼネコンにお願いするしかないのでは…」

「最初からこんなんいらないと思っていたし、建築とか高いと思っているなら、やる気ないのにやってもしょうがない」
「このパビリオンができないという段階で、後戻りした方がいいと僕は真剣に思う」

万博の目玉である海外パビリオンの建設が間に合わないようでは、その開催意義も問われることになります。

TBS NEWS DIG
2023年7月18日(火) 18:48
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/610386