[東京 24日 ロイター] - 松野博一官房長官は24日午後の会見で、北朝鮮が同日午後に発射した弾道ミサイルは新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の可能性があるとの見解を示すとともに、わが国の安全保障に対する深刻な脅威であり、断じて容認できず、外交ルートを通じて厳重に抗議したと述べた。

また、事前の通報なく日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、航空機や船舶の安全確保の観点から「極めて危険で問題のある行為であり、深刻な懸念を表する」とした。

松野官房長官はこの事態発生について、主要7カ国(G7)首脳会議出席のため、航空機でブリュッセルに向かっている岸田文雄首相に直ちに連絡を取ったと説明。岸田首相からは、1)情報収集分析に全力を挙げ、国民に対して迅速的確な情報提供を行う、2)航空機・船舶等の安全確認を徹底する、3)不測の事態に備え、万全の体制をとる──の3点について指示があったと述べた。

岸田首相はブリュッセルに到着後、記者団に対して「北朝鮮が新型ICBMと思われる弾道ミサイルを発射し、我が国の領海に近いEEZ内に落下した。許されない暴挙であり断固として非難する」と語った。

また、北朝鮮が2022年に入り、今回の新型ICBMを含め弾道ミサイルの発射を繰り返していることに対し「我が国と地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認することはできない」と指摘。関連する安保理決議に違反しており、すでに北朝鮮に対し抗議を行ったとした。

その上で、今後の対応については、日米、日米韓をはじめ、関係国としっかり連携を取りつつ「G7首脳会議においても北朝鮮の弾道ミサイルへの対応での連携を確認したい」と語った。

一方、落下したミサイルの回収に関し、松野官房長官は「弾道ミサイルの性能や製造技術に関する情報を得られる可能性がある」と指摘した。ただ、実際の引き上げについては「落下地点の海域の状況など技術的な観点等総合的に勘案して判断していく」と説明した。

ロイター
2022年3月24日6:54 午後
https://jp.reuters.com/article/north-korea-icbm-idJPKCN2LL0Y6