夏に予定される東京五輪・パラリンピック期間中の医療態勢をめぐり、丸川珠代五輪相は27日の閣議後の記者会見で政府としての支援の可能性を問われ、「私の知る限り、東京都がこの厳しいコロナの状況で開催するためにどう取り組んでいくか、具体的なことをまだ示してもらっていない」と述べるにとどめた。都の対応が分からないので政府の支援を検討できないという考えを示した格好だ。

 大会期間中の医療態勢については丸川氏はこれまで、大会組織委員会と東京都で調整するよう求めていた。組織委は日本看護協会に医療スタッフとして看護師500人の派遣を要請するなど対応を進めている。

 丸川氏によると、2週間ほど前から事務方を通じて東京都に考え方を示すよう求めているが、現在までに具体的な返答はないという。丸川氏は「東京都が大会の主催者として、医療の現場を預かる者として、両方の責任をどう果たすのかについて、明確な発信なり方向性なりを示してもらわないと、私たちもどう支援すればいいのか非常に戸惑っている」などと述べた。

 大会期間中の医療態勢にとどまらず、「東京の感染状況をしっかり抑えてもらうことが、全国からお客さまに来てもらうための大切な条件だ」とも語った。東京都には25日から緊急事態宣言が出されている。(小野太郎)

朝日新聞
2021/4/27 13:44
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