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 主要野党は次期衆院選に、小選挙区の候補を一本化して臨む方針だ。野党候補が乱立し、与党が漁夫の利を得るのを防ぐ狙いがある。ただ、立憲民主党と国民民主党などによる合流協議が決着せず、一本化の作業は停滞気味だ。候補者不在の「空白区」も70以上残り、焦りの声も出ている。
 立憲の福山哲郎、国民の平野博文両幹事長は27日の協議で両党が合流する方針で一致。次期衆院選の候補者調整を進め、小選挙区と比例代表への重複立候補者は比例名簿の同一順位とすることなどを確認した。
 7月の参院選では、立憲、国民、共産、社民の4野党が32ある1人区全てに野党統一候補を立て、10勝と一定の成果を挙げた。一方、旧民進党が分裂して臨んだ2017年の前回衆院選では、立憲や、国民の前身の希望の党などがばらばらに戦い、自民党に圧勝を許した。
 こうした経緯から、国民の玉木雄一郎代表は25日の会見で「合流しようがしまいが、野党で(候補者)一本化を図らなければならない」と強調。共産党も「与野党が競り合う選挙区を中心に調整する」(小池晃書記局長)と連携に意欲を示す。
 だが、実際の動きは鈍い。立憲、国民両党は「空白区を埋めることが先決」(国民幹部)としてそれぞれが候補擁立を進めた結果、茨城、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、岡山の9選挙区で候補予定者が競合、一本化調整は難航しそうだ。
 立憲の枝野幸男代表は「(来年)2月総選挙のつもりで構える」と早期の衆院解散を見据えるが、空白区や競合区を抱える地方からは「合流話がまとまるまで、候補者調整の議論に入れない」(国民中堅)と焦りの声も漏れる。
 れいわ新選組の動向も焦点の一つだ。山本太郎代表は100人規模の擁立を目指し、11月から候補者公募を開始。山本氏は消費税率5%への引き下げに賛同することを条件に候補者調整に応じる構えだが、各党が政策合意する見通しは立っていない。野党共闘とは一線を画する日本維新の会は、「身を切る改革」「統治機構改革」など独自の政策を掲げ勢力拡大を図る。