愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の展示の一部「表現の不自由展・その後」が中止となった問題で、文化庁は26日、採択を決めていた補助金約7800万円の全額を交付しないと発表した。

■関係者のショック大きい

 文化庁が「あいちトリエンナーレ」に対し、採択していた補助金を全額交付しないことを決めた。同庁幹部も認めた通り、異例の対応といえる。

 説明が十分とはいえない点でも、会期中の決定という点でも、いきなり全額カットという点でも、乱暴の感は否めない。

 文化的な表現は、楽しさや感動といった魅力と同時に、社会的少数者や、異なる地域に暮らす人々、民族を知る窓口になる。「あいち」などの国際芸術祭もその一つだ。多様性のある社会の構築が目指されている今、文化を支援することは行政の目的にも合致するはずだ。

朝日新聞
2019年9月26日20時19分
https://www.asahi.com/articles/ASM9V6RY5M9VULZU011.html