デリバティブ(金融派生商品)取引を巡り、顧客側が担保として預ける証拠金の不足分を立て替えたとして、証券取引等監視委員会は30日、JPアセット証券(東京都中央区)を金融商品取引法違反(特別の利益提供)の疑いで行政処分するように金融庁に勧告した。関係者によると、この顧客は国会議員という。

 監視委などによると、昨年10月〜今年5月、計141営業日のうち111営業日で議員が預けるべき証拠金が最大約6200万円分不足し、同社はこれを立て替えて取引を継続するなどした。デリバティブ取引で生じた赤字については補塡(ほてん)していないという。

 監視委は「経営陣の法令順守意識が欠如し、ガバナンスが機能していない。社会通念上、妥当性と相当性を著しく欠く」と判断した。毎日新聞の取材に対し、同社は「違反したのは事実」と話している。【二村祐士朗】

毎日新聞
2019年8月31日 19時53分
https://mainichi.jp/articles/20190831/k00/00m/020/205000c