天皇陛下「国民の意志で戦争ない時代に」 即位30年式典

政府主催の天皇陛下在位30年記念式典が24日午後、東京都千代田区の国立劇場で開かれた。式典には天皇、皇后両陛下のほか、安倍晋三首相ら三権の長、自治体関係者、各国駐日大使らが出席。天皇陛下は時折声を震わせながら、「国民の平和を希求する強い意志に支えられ、近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちました」と在位期間を振り返られた。

陛下はグローバル化が進む世界の中で「誠意を持って他国との関係を構築していくことが求められる」と平和を願う言葉を続けられた。

これまでの歩みを「象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く」と回顧。「次の時代、さらに次の時代と象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています」と述べられた。

午後2時から始まった式典には約1100人が出席。安倍首相は式辞で、両陛下が重ねられた被災地訪問や戦没者慰霊に触れ「国民に常に寄り添ってこられた両陛下のお姿を忘れることはない」と述べた。内堀雅雄福島県知事と川口順子元外相が国民代表としてあいさつ。内堀知事は東日本大震災直後に陛下が国民に語りかけられたビデオメッセージについて「大いに励まされ復興に向けて国民の気持ちが一つになった」と謝意を示した。

日本経済新聞
2019年2月24日 15:50
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41686440U9A220C1MM8000/