自民党の最大派閥、細田派(96人)で所属議員に相次いで問題が浮上し、内閣改造・党役員人事を前に「猟官運動」の自粛ムードが広がっている。

 同派は安倍晋三首相の出身派閥。細田博之会長(党総務会長)は10日、松江市の講演で、内閣支持率の急落を懸念する会場からの質問に「首相には政策を深化させてほしい。寄り道をするひまはない」と答え、安倍政権の経済、外交政策に支持を訴えた。

 しかし、同派に対する党内の視線は冷ややかだ。東京都議選の告示直前、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡って萩生田光一官房副長官の関与を示す文書が見つかった。さらに豊田真由子衆院議員の暴行問題、稲田朋美防衛相の失言、下村博文幹事長代行への加計学園からの献金疑惑と続き、自民党は都議選で惨敗した。他派の閣僚経験者は、この4人の頭文字をとって「THIS(豊田、萩生田、稲田、下村) IS 敗因」と皮肉っている。

 稲田氏、萩生田氏、下村氏は首相側近と目されてきただけに、細田派の参院議員からは「自覚が低く、まとまりがなさすぎる」と衆院側への批判が出ている。ある同派議員は「内閣改造で人事を一新したことを示すには、ポストを他派に譲った方がいい」と語った。【村尾哲】

 ◇問題が浮上した自民党細田派議員(判明順)

・中川俊直衆院議員

  女性問題で離党

・萩生田光一官房副長官

  加計学園による獣医学部の早期開学を後押ししたとされる文書が発覚

・豊田真由子衆院議員

  暴言・暴行問題で離党届を提出

・稲田朋美防衛相

  東京都議選の応援中に失言

・下村博文幹事長代行

  後援会が加計学園の秘書室長(当時)から政治資金パーティー券の購入代金200万円を受領

7/10(月) 23:25配信 毎日新聞
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