クソスレ

1名無し百物語2018/08/20(月) 14:09:36.62ID:JPj1b5mG
べろべろ

50名無し百物語2020/09/18(金) 17:45:33.03ID:y09bJRMO
10月9日
なぜだろう…彼と連絡が取りづらくなって来た。
「事務所がねえ」とか「うん、今仕事がさあ」とか言ってくる様になった。
(前はそんな事言わなかったのに…)
日を重ねる毎に気分がブルーを越えてブラックになっていった。
でも明日は、お笑いの大物司会者さんのAさんと初めて一緒にお仕事するバラティの仕事だ。
緊張もしてるが、ここでチャンスを掴みたい!!よし、がんばろー!!!
〈あれぇアレが遅れてるのかなあ?〉

51名無し百物語2020/09/18(金) 17:50:08.39ID:y09bJRMO
10月17日
お婆ちゃんが倒れたって連絡が母から来た。
でマネさんに送ってもらい実家に一旦戻った。急いで地元の総合病院に行った所、夏疲れによ
る過労との事だった。
上の姉の結婚式以来の家族全員集合だった。しばらく病室にみんなで残っていた。じじが背伸
びして個室を取ったのが良かったんだと思う。
お婆ちゃんの顔に明るい色が戻った感じがしたので泊らずに戻った(下の姉が残った)
実家に寄り、荷物を取ると高速バスの最終便に飛び乗った。
〈明日は前々から予定していた彼とのズーラシ〇デートの日だ。いっぱい楽しむぞぉ!!!〉

52名無し百物語2020/09/18(金) 17:51:59.25ID:y09bJRMO
10月31日
アレが来てない、遅れてる。
この前のデートは彼の方から突然、行けないって言われ「ごめん」って言われた後は彼からの
返事も少なくなって、そして来なくもなった。
あの人は以前、同じ様に連絡を寄越すが正直、うざい…消えて欲しい…
〈打合せ中です〉って返している。
マジでアレが来ないのがキツいわい、、、わしゃ来月頭からはドラマの打合せと撮影が始まるの
にと思った。

53名無し百物語2020/09/18(金) 18:06:10.20ID:y09bJRMO
11月4日
彼との連絡がつかなくなった。あの番組が放送されたから…
「もう、またほら!浮気するぅぅ!!」
なんで「あんな事言うの?」って私は思ったけれど…相手が大物芸能人すぎた…
チーフマネさんも「気にするなよ」っては言ってくれてはいるが…内心どうだろう?
私の心としては憎い!という一点しか無い!
私に関しての何か悪い噂でも、あの大物司会者の耳には入っているのだろか?
こんな時に限ってまた、あの人から連絡が来てた…
無視していたら1時間に4件も入れてて正直、困った。他に女の人とも遊んでいるのも解
っているのに…〈今、撮影中です〉と返信を送り返した。
やっと来なくなった…

54名無し百物語2020/09/18(金) 18:24:41.17ID:y09bJRMO
11月12日
彼と大喧嘩をした。
>事務所に、バレて反対されたからとかさ。今は仕事が大事だからとかさ。
>そんなのって私だって同じだし、私だって同じ芸能人なんだよ!
>そんな事よりも好きだから!!!
>好きになっちゃったんだから…
>嫌な事も、変なクセも全部ひっくるめて付き合いたかった!!
>めちゃくそに愛情注いでくれないって…ムリって解り切ってる。
>だから…

あの放送以来、互いに連絡しあう事も、会う事も出来ない状況下だったので、色々と心の
澱が溜まっていた、それと同時に復讐って言葉が心の底のどこかから浮かび上がって来て
いた。あと彼の事は〈きれいさっぱりにする為〉にも彼と会おうと決心した。

11月13日
その言葉を言われた時は私の部屋の中ではラグビーワールドカップ試合中継がFMから流
れていた。
それがその突然の予想外の言葉の暴力で私の頭の中では「キーン」と耳鳴りの様な音が鳴
り響いた。
が途切れそうな意識の中で、あと数日でワールドカップがフィナーレになるのだけはなん
とか解った。
気がつくと、あの人が私の部屋から出ていったのですら解らなかった。
もう何度目の大ゲンカだろう…と冷めた頭で思った。
それと同時に〈復讐〉って言葉が心の底から浮かび上がって来ていた。
そしてしっかりと証拠と資料を用意しようと思った。

55名無し百物語2020/09/18(金) 18:26:33.70ID:y09bJRMO
11月25日
彼が私の部屋から出ていったのですら、解らなかった。
『この子は、この子は…またやっぱり死んでしまうんだ』ってと思うと、ただただ涙が流れた。
泣き終わってから気が付いたが未使用のピンクのゴムがベッドのそばに落ちていた。
「もう別れよう」って心の底から決めていたから、切なくなった。
ワールドカップのテーマ曲を歌う歌手の別のヒット曲がラジオから流れてきた。人気ドラマの
主題歌だった、あとは涙が後から後から出て来るだけだった・・・

56名無し百物語2020/09/18(金) 18:31:34.66ID:y09bJRMO
12月3日
正式に彼に別れを告げた…彼も解ってくれた…あの指輪とカメラはファンのフリをして事務所
宛に送り返した。
・・・だったけれどカメラは返された「お前の写真好きだから、これだけ持っててくれ」
って連絡が来た。涙が出た、振り向かずにそっと別々に歩き出し、今までの事、二人の思い出
は無かった事にした。
私の吐いた息が白くなっていき、あぁ…もう冬なんだなぁと感じた。
ソシテ、ワタシハワタシノオナカヲサスッタノダッタ………

57名無し百物語2020/09/18(金) 18:34:32.20ID:y09bJRMO
12月11日
色々な話を聞いた、ネットでも調べた。
そしてやっと見つけた芸能人でも特別の方御用達の某産婦人科に「宿泊」の方で手術をしてもらっ
た。勿論、全部一人で準備・段取をした上でだ。
相手は…あの人って事にしたので、著名な有名人でも、推し推されのタレントでもなかったのに。
隠さなきゃならない秘密を持った若手タレントとして、気をつかいこっそりと病院側が処理をして
くれた事だった。
あの人は今頃は見た目だけの安心家族…子供たちへのプレゼントの事を考えるので、精一杯みたい
だったと。奥様がラジオから言っていた。

12月24日(火)
たった一人のクリスマス…サイレントナイト、ホーリーナイト…部屋の灯りは暗く、またたく星の光も
弱いように感じた…

58名無し百物語2020/09/18(金) 18:41:10.15ID:y09bJRMO
2019年の12月25日は水曜日だった…
その日、私は始めてあの人の奥さんの携帯に電話を入れた。
というか奥様=異性の配偶者っていう社会的な役割の人に初めて電話をした事になる。
その日は休みを取るというの彼から聞いており、知っていたからだった。コール音が続く、
7度目で出た。
先日ラジオで聞き、TVのビールのCMでも聞いた事のある、あの声だった。
「あの…お世話になって…」
と私は重い声で言つつ身構えた。
「ええ、大体の事は…解ってるわよ」
思っていた以上に優しい声だった。
「えっとなんて言えばいいのか…ごめんなさい」
素直に「ごめんなさい」の言葉が出た。
「そうね、そんな謝罪をって柄でもないし彼は来ないわ。どうよこれから鍋パーティするの
よ、うち来ない?」
その大胆さにあっけに取られて声も出なかった。

59名無し百物語2020/09/18(金) 18:46:59.50ID:y09bJRMO
〈で運命の2020年1月30日を迎えた…〉
…しっかし、この現状には参っている。
とは2019年年末の時点での私は少しも思わなかった。なぜってこの復讐計画はX‘Masの時
から大きく動いたから、がそこが彼女と私の甘さの違いなのだろうか…?

60名無し百物語2020/09/18(金) 18:57:06.45ID:y09bJRMO
2月11日
まず変装用に髪の毛を切った。
その部屋には裁ちばさみしか無くて、ずっと宣材用のロングの髪をボブぐらいしかならなかっ
たけれど自分で髪型を決めれて、嬉しかった。
買ってきてもらってた髪染め(ベージュ系)を使って髪を染めた。鏡に写った姿を見て高一の
頃を思い出した。コロナの影響でマスクを着けるのが当たり前になってきたので、益々一人で
出歩ける機会が増えてる気がする。
新人のAちゃん担当のマネが何か持って来たみたいだった…

2月14日
事務所が用意してくれてた部屋がネットの噂のせいでダメになり、こっそりと彼女に助けをお
願いした。で一日後には彼女から連絡が来た。
都内近郊のある街にあるファミリー向けの物件を用意しておくので使ってとの事だった。
こっそりとホテルから移動し、そこに入った。その手早さに手伝いにきてた新人のAちゃん担
当のマネも驚いていたが気にしてはいられなかった。

61名無し百物語2020/09/18(金) 18:57:56.84ID:y09bJRMO
2月17日
彼女から連絡が来た。
お金も同封されてて、助かった。
お小遣いがなくなって来た頃だったから、助かった。あと家族とLINEでちょっとだけ会話した。

2月29日
4年1度の2月の29日。わたしは少しだけこの日が好きだ。
あぶれもんっていうか、半端な感じなのにでも日としては認められている。
ちょっとうれしくなり、こっそりと近くのコンビニに行った。
髪の毛切り、眼鏡とマスクしていれば解らないものなのかって思うとバレなかったのが嬉しい。
がでも悲しくなった…
出版社が私をキャラに推しててくれたバッグが売っていた、でもチープに見えてきた………

62名無し百物語2020/09/18(金) 19:00:59.85ID:y09bJRMO
3月5日
彼女から連絡が来た。
お金も同封されてて、助かった。
あと上の姉とLINEでちょっとだけ会話した。祖母が心労が溜まり入院したって事を言ってた。
下の姉が急性腸炎で入院したのも、その時初めて知った。
それと上の…が離婚したのを、その時初めて知った。〈…ごめんなさい…〉と心の中で謝った。

3月10日
心ない書き込みに胸が痛んだ。なぜって姉がそれを書き込んだんだろうって予想出来たから………

3月12日
あと家族とLINEでちょっとだけ会話した、すぐ上の姉が、「あの記事、捏造だからね。
そんな事言ってないよ」って言っていたのがおかしかったが笑い堪えた。
大丈夫だよ、あんたの事信じてないからさあ…って思ったが「うん、わかったよ。お姉ちゃん」
と返事をした。〈私まだまだ女優としてイケれんじゃん!〉って思った。

63名無し百物語2020/09/18(金) 19:06:03.30ID:y09bJRMO
3月14日
変装ってレベルにする為(?)にボブからショートにした。
色もベージュから「ミントアッシュ」染め変えた。鏡に写る私の姿を見ると別の伊達メガネ
の事もあって、もう昔の私だと思う人はいない?って思えた。
借りてたこの部屋を掃除しようと思いたった。そうしたら手荷物の中から彼から、もらった
あのカメラが出てきた。こっそりと出て〈女子カメラ〉して来た。

3月16日
またカメラを持ち、女子カメラしてきた。
なぜだかここ2,3日は事務所からはマネさんも、連絡も来なくて不思議だった。同時に気
持ちも楽になってるのも事実だった。
戻ったら彼女から連絡が来ていた。集合の場所と日時が連絡されていた。
破ってからトイレで流した。

64名無し百物語2020/09/18(金) 19:11:50.62ID:y09bJRMO
2020年3月、
寒の戻り、真冬のような寒い日…。「へっ」と我ながら間抜けな声だった。
そう声を出したあと、何かで後頭部を2度殴られ意識を失った。それが私という女の
人生劇場の最後のセリフとなった。
私は二度と意識が戻る事はなかった…
「…ごめんねぇ、お口がいっぱいあるとねぇ、後々で色々と面倒になるの」
と言って彼女は私の首にロープをかけぐぃと引っ張った(もうとっくに意識は無いのに)
「色々と役に立ってくれてありがとう、でもここでお別れねえ」
と言って彼女は私の首にロープをかけ、「そして、さようなら」と言いつつしっかりと
また私にトドメをさした。
「さてと」といい小さなハサミを取り出した。それで私が着て来たコート、ジャケット
ブラウス、下着類、パンツ、パンストを切り裂き私を真っ裸にした。
そこからは別に呼び出されていたあの人の出番だった。

65名無し百物語2020/09/18(金) 19:12:14.00ID:y09bJRMO
「ねえ、あんたがちょっとでも好きになって、熱心に愛撫した体だし。最後ぐらいは…
手だししたいでしょ」
あの人はただ黙っているだけだった…
「まったくバカよ、大バカ!こんな小娘に二股かけられて、気が付いてなくって証拠の
資料取られて、脅されて、挙句どっちの子供か解らないのに堕胎の費用の借用書!」
またうなだれた。
「この金額!!!どこのハリウッドスターが行く病院よ!ここ日本だからね!!」
「これ!誰が代りに払ってあげたの?あんたの母親!?」
「違うでしょ!!!」
「ほら、とっととやってしまいなよ」
続いてキャンプ用の小型のバーナーで小型のフライパンを熱すると、私の両手の指紋と
掌紋を焼き始めた。焦げた匂いが当りに漂い始めるが、振り出した雪によって消し去ら
れていった…

66名無し百物語2020/09/18(金) 19:15:01.52ID:y09bJRMO
左手の人差し指から始まり、最後は右手の親指だった。
「…事務所には〈失踪〉でケリつけてとくから」
まだうなだれたままだった。
「…互いに一生言えないよね、この件は…」とあの人がぼそりっと言ったが、彼女の耳
には届いてはいなかった。
あの人は私の顔に毛布をかけると、金属ではない固いゴムのハンマーを使い歯を折り始
めた。私の顔は金属製のハンマーで潰された。
次にあの人がナイフとピックを使い胸骨の下辺りに5cm程の孔が2つ、おへその辺り
に3cm程の孔が3つ開けられた。
腐敗が始まった時そこからガスが抜ける様にする為なんだと言っていた。

67名無し百物語2020/09/18(金) 19:20:56.96ID:y09bJRMO
なんだぁバレてたのか私が二股かけてった事。
そしてあのインスタ裏垢も、画像も、みんな彼との思い出写真を加工したものだって事も
「…重要なのは、その存在がこっちの手の中にあるんだって事を信じさせる事。こいつの
生死は…たいして問題にはならない!」
って彼女はそれが私だったモノを指さして言ったんだ。
シロイユキガ、ワタシト、カノジョト、アノヒトノ上に重ねて降り続いていく…
「…とにかく、互いの事務所にはケリつけてとくからね」
そう彼女は怒った声を出した。それからの私はシートに厳重にグルグルにくるまれ、しっ
かりとロープを何重にも巻かれ、重石をつけられて…あの人とあの人の元奥さんの手で、
農業用貯水池の一番深い所へと〈ドボン〉と落とされた。
もう体も無い幽霊なのに直感でこの水は寒いなあと思った。雪は次の日まで降っていた。

(彼女の23回目の誕生日に捧ぐ *これはフィクションです)

68名無し百物語2020/10/06(火) 11:29:38.80ID:/rJMlPXc
次回鋭意準備中  COMING SOON

69名無し百物語2020/10/23(金) 16:48:24.32ID:hWngUlZ8
1《独白》
僕の独白はクリスマス前の数日前までには終わる予定にしています…
でも全てを書き上げる事は出来ないのです
あと僕の正体については深く詮索しないで下さい。
基本、僕と彼女の2人だけで進みますがイニシャルで表記されますし、また同じイニシャ
ルになった場合は【K2】、【Ab】などで区別出来る所は努力していきます。

彼女との事を結婚に疲れたから…火遊びだから…だとか思われていますが…
実の所は年の差を利用した【理想の女性】に仕上げる事を目的にしていました。
そうまるで横溝の短編「百日紅の下」の主人公、佐伯一郎の様にです。
実際は違いました。
谷崎の小説、刺青の中に出て来た清吉の後日譚の様になってしまったのです。
…10ほどの年齢の違う為、最初の頃は彼女の奔放さに振り回された所もありましたが、
次第に時間の経過と共に距離が埋まってくると、僕の方が彼女を制御下における様になり
ました。出会い、交わり…2年程経過した頃…僕らは一旦、別れました。
彼女【K】からの裏切りによってです。
影で僕以外の男性と付き合っていたみたいでした。丁度、僕も妻との間にある一件を切っ
掛けからか愛情が少し、ほんの少しだけ生まれたので、彼女を手放す事にしました。
ですが連絡先と、ある動画、画像などは手元には残しておいたのです…

70名無し百物語2020/10/23(金) 16:50:45.14ID:hWngUlZ8

彼女と初めて出会ったのは…2015年のまだ寒さの抜けない頃の事だった。
映画の関係者が集まる某レセプションの会場でだ。そこで次回作の件で僕のマネージャー
と僕はある監督の元を訪れていた。
チーフマネからは関西出の新たな形の映画を撮る人だと紹介された。
少し小太りの口ひげのある、関西弁の抜けない人だが悪そうな感じはしなかったし、参考
に見てきた映画を撮った人と同じ人なのかと思ったぐらいギャップがあった。
「じきに資金面が都合がつくはずなので…」と監督【H】さんは切り出して来た。
次回の予定作では大阪と東京を2つの街を舞台とする、すこし年上の大人達のメルヘンを
撮る予定だ。「それの主役を演じて欲しい」と言われた。
「ありがとうございます」と言い頭を下げた。ちょっとワクワクドキドキした。
その後で、その監督の師匠すじに当たる大御所ではあるが、まだメジャータイトルを、持
っていない老齢の監督に挨拶をする為テーブルを後にした。


その監督は喧噪の中に佇むようにイスに腰を下ろしていた…
「はじめまして……です、よろしくお願いします」
「こちらこそ、縁ありましたらよろしくお願いしますよ」
始めて逢ったのだがそんな感じにも思えず。会話はたどたどしいながらも妙に弾ん
だ所もあった。
「君があの〇×君の噂の彼氏かあ…」僕は軽く笑みを浮かべつつ右手を振った。
「(背が)大きいなあ…どれくらいあるの?」
僕を気にいって使ってくれている女性監督の【O】さんの名前が出た。
「約190㎠です」と答えた。
「そうか撮るとなれば、ティルトや広角を上手に使わないと…ダメかなあ?」
「ズームやパンも場面展開によっては使い分けないといけないかも?ですが…」
そこに監督の長年の助手みたいな事をしている方も会話に参加してきた。
その方を簡単に紹介されて僕は軽く驚いた。
あの有名なチーフ助監督さんだった。

71名無し百物語2020/10/23(金) 16:55:58.70ID:hWngUlZ8

と脇に居た別の人がこう囁くように言う。
「でも……監督好みの背の高い女優さんなんかも使えますよ」
監督は僕の方を見ながらこう話かけてきた。
「最近の女の子は大きくなったからなあ…」
「そうですねえ」と僕も賛同した。後ろではマネージャーの吹き出すのが聞こえた。
きっと僕の今の彼女の事を思い出して…だろう?
話の最後には二人で笑い合った。
そんなちょっと女の人が聞いたらつまんないだろうなあって会話をしてから僕らは、
大御所の老齢監督から離れ、また別のテーブルへとミツバチの様に移動していった。


その後あるテーブルに行き、某大手制作会社のプロデューサーらと話をしている時
に僕は左手の袖を引かれた感じがしたので、振り向くと彼女【K】がそこに居た。
…というか紹介された。
彼女は女優のみが専属する事務所【F】の新進の女優との事で、丁度壇上に立って
いた女優【T】の後輩にあたるとの事だった。
来週テレビドラマでデビューするとの事だった。なんでも彼女が僕のファンらしく
姿を見かけたので、お近づきの挨拶に来たとの事だった。
「…初めましてKです。いつも映画とか見させてもらっています」と言った。
その声に…特徴があるなあと思った。
そう風邪声の様な感じが一番解り易いかも?ただ僕は嫌いな感じでは無かった。
それでもファンって言われて、この商売をやっていて嬉しくない訳ではなかったので、
彼女が差し出した白いハンカチに僕はサインをしてあげたのだった。
その時交わした一言、二言の言葉は覚えてはいなかったけれど彼女は覚えていた。
男と女の感覚の違いなんだろうなあってのちに思った。

72名無し百物語2020/10/23(金) 17:02:26.96ID:hWngUlZ8

運命の女神様とは面白いいたずらを時に仕掛けるものだなあ…
って思ってしまった。
あの関西出の監督が温めいたという映画脚本をベースにし、小説の賞レースを勝ち上
がりたいという女性作家の意欲作を加えた映画「夢かうつつか」のヒロイン役になぜ
かKが残っていた…
いや、ほぼKに決まりかけていた。(正直、事務所パワーってヤツだろ?)
だが監督の【Hg】は愚痴っていた。
「ヒロインの夢架はさあ、26才の女なんだよなあ…」
「あの子、二十歳前だよ…」
「23〜26にかけての女の時間の彩り、色の濃さ…だせる訳ないよなあ…」
そこで僕が提案した「…監督、僕が彼女の演技指導をしてあげたいと思いますが」
「そ、そうかぁ頼む、助かるよ」
僕には別の目的もあり、彼女Kに近づく事は好都合だったのだ…。

8《独白》
正直驚きだった。こんなにも早く〈誘い〉乗ってくるとは…と思ってはいなかった。
僕の内心では
「こいつはすごいアホか、それともパパ活の延長か、それらの何かと思ってはいない
だろうなあ」と疑ったりもした。
が取り敢えず「…ファンなんです」と言ったKの言葉を信じてみようと思った。
東京湾岸のとある町の片田舎から18で出て来たとはいえ、高校は卒業し今では横浜
の2DKに住み。都内の同年代の女子ら行く所は網羅しているだろうし…
ましてや情報や感覚だっても、然程変りばえしない…?
そんな年頃の女の子が全く危機感が無くやって来るなんて…と軽く恐怖も覚えたが、
あの監督との映画撮影が始まってから現場でのKの事を見てると理解った。
何度か僕の名義だけで芝居の稽古部屋として借りている都内の2LDKマンションで
僕らは身体を重ねあった。
そしてやがて…彼らと【K】を始めてマンションで出合わせたのだった。

73名無し百物語2020/10/24(土) 22:43:10.63ID:zRtKodKu

最初のメンバーは若手イケメン俳優の【M】、中堅お笑い芸人で声に特徴がある【Y】、
背の小さいベテランの芸人の【O】の3人だった。
最初は僕とYの飲み会にKが合流って形で、そこにMが加わり、最後にOがゲストと
してやって来るという僕の考えた演出だった。
秘密のパーティでは最も若いMが隠して持って来てた【アッシュ】と【カップ】と言
うトランキライザーの一種らが実にキイた。
が以外にもKは薬(アッシュ)にも抵抗が無く受け入れたのだった。
「…あっち(K国)に行ってた時に一緒になった…女優さんからもらって」と答えた。
その直後にOが「またまたあっちイケメン俳優さんからと違うん?」
と酔って赤い顔で言うものだから、益々猿っぽく見えた。言われたKも少し頬を膨ら
ませてる様にも見えた。
みんなでヘロヘロの一歩手前まで行った、でそこからがパーティの本番だった…。

10
次のパーティは3週間後にセットし準備・用意した。
Kの方は脇のモブ役の単発のドラマの撮影が終わった後、緑山の方から戻らせた。
だが、この前参加のMは主演のドラマ撮影の都合で調整がつかず欠席。
Oも番組のロケで九州地方に行ってるので欠席だった。Yは番組の撮りが遅れ気味な
ので「遅刻するね」という連絡があった。
で次に選んだのがドラマで競演した事もある、太目の体だが声に特徴のある俳優の
【Kd】、同じくドラマ共演の空手の道場主の息子でイケメン系やんちゃ役者の【N】
という面子だった。
二人ともKとは初めて顔を合わせる。
以外とKの事がタイプだったのかKdが熱心にKの事を口説いていたが、とうのK本
人は気もそぞろだった。

74名無し百物語2020/10/24(土) 22:54:55.34ID:zRtKodKu
11
今回は気分を高揚させてくれる秘密のお薬も、媚薬も、優しいイケメンMも、笑わせ
ながらリードしてくれるOもいない。
(Kは乗り気ではなかったが)Yもまだ着いてはいない。
それでもパーティは僕の掛け声で始まった。
Kには始まる前に渡しておいたゆったり目の薄いグレーのワンピースを着させてある、
勿論、その下はもちろん真っ裸だ。
ワンピース自体はアメヨコで買った中古の安物で、すぐに破れる様に出来ていた。
それをNとKdが引っ張るとKのまだ若い肉体肌が見え、その体と肉が弾ける。Kd
がKの体にむしゃぶり付く、それを脇から見つつも美人妻(某女優)が身重で、フラ
ストレーションが溜まりに溜まってるNが力でねじ伏せ、強引に事を推し進める。
Kdもここでは負けじとKの腕を取り自身のモノを握らせ咥えさせた。

12
Nは力任せで強引過ぎたし。太目の体で圧迫感と供に、にじり寄ってくるKdでは、
まだ精神が子供、子供してて割り切れないでいるKでは、相手を感じさせる事も自分
自身が乱れ感じる事ですら出来なかったのかもしれない。
だがそれでも…僕はただそれを黙って見ていた………
額にはじんわりと汗が浮かんで来ていた。

「…なあ…あんたはしないのか」とNやKdが動きを止めてまで聞いてきたが、僕は
首を横に振っただけだった。
やがてKを下にしていたKdが適当なところで果てると、逃げる様に部屋から出て汗
を流しに行った。
Nがその後Kの事ををAVの男優の様に攻めたてた、それでぐったりしたのかKも人
形の様に体を横たえた。そんなKで、Nは義務的に果てると体を離し、即シャワーに
行った。
ふと気づくと僕のスマホのライトが点滅しており、Yからラインが入っていた。
〈本日、収録にてトラブル発生。不参加。すまぬ〉という内容だった。
そのトラブルの原因が、司会者の所属する事務所のお家騒動だと知ったのは数ヶ月も
後の話だった。
横たわるKを見ながらNとKdを送る準備をしなければならないと…僕は思った。

75名無し百物語2020/10/24(土) 22:58:38.68ID:zRtKodKu
13《独白》
NとKdを帰らせてから、彼らとKの行為を隠し撮りしたのをKに見せつけつつ、僕
はKを抱いた。
何度も何度も強く抱きしめキスをした。その人形のようになったKの体と心を鷲掴み
にし、抱いた…まるで今までの僕じゃないかの様な動きと、ヒトケモノの様な声が迸
った。
そして、初めて彼女の中に僕の精を迸らせたのであった。
僕の下でKは声を抑えて泣いていたかもしれないが記憶が曖昧で思い出せずにいる。
やがて体を起こしたKは、足を引きずる様に風呂場に行った。
僕も少し間を置いて行った。
「ねえ入るよ」と一言だけ言って入るとKは滝に打たれる修行僧の様に冷水のシャワ
ーに打たれていた。
僕は後ろからそっと抱いた。少し震えてる感じもしたし泣いている様にも思えた。
その強めのシャワーの音だけが真夜中の東京に響いてる気がした。

14
あの夜…僕が初めてKの内で果てて以降、Kの中で何かが変わったように思えた。
それからは月に1,2回ほど定期的にKも交えたり、呼んだりして積極的に〈パーテ
ィ〉を開いた。
メンバーについてはその時々で若干の変更もあったが、大抵はなるべく独身の芸能人
を選び、口が堅い事、業界内に友人、知人が少なく、パーティに参加すると後ろめた
さが残る様な男性らを中心に選らんでいた。
回数を重ね、その度にKの中にあった〈蠱惑的な魅力〉や〈魔性の女〉は少しづつ上
がっていった気がした。
メンバーを1、2人づつ替えつつもパーティを数回経た後には、彼女は上着を脱ぎ、
下着姿になっただけでも、一部の参加者らを熱狂的に喜ばせる迄に〈蠱惑的、小悪魔
的に〉仕上がっていったのだった。
「…この娘、いいな」
「まったくいい娘を仕込んだもんだな」
「また、アッシュキメてやろうなあ」
などとKの夜の顔には賞賛の嵐が吹付けていたのだった。
事務所側が目指す表の顔である〈清純派女優〉を目指して奮闘中の若手駆け出し女優
と。裏の顔である原始の娼婦〈リリス〉の様な魅惑的な私娼とのギャップの差が男ら
を蕩けさせたのだった。
「まったく最高の女の子だよ、Kちゃんは…」

76名無し百物語2020/10/24(土) 23:05:34.72ID:zRtKodKu
15
僕とKがそういう関係になり、もう2年近くが経っていた。
妻にはなんとかバレずにKと続いていた。その間に、いつの間にかKは21才になっ
ていたのだが仕事の方はまだまだ、駆け出しの…女優とも呼べないレベルの仕事しか
来なかった。
彼女の誕生日を…遅れてしまったのだが、僕とKの二人だけ祝った。大っぴらにどこ
かへは行けないので、家族単位の予約だと優先して個室を用意してくれる鉄板焼き屋
を僕が若手のマネを使って予約した。

(連絡方法は、某掲示板を使い暗号化し連絡した)
夜の7時前に店に到着し、店内に入ると店員が案内をしてくれた。個室、家族別の部
屋は4部屋あったが、その日は僕らだけであった。
「酒は飲めるようになった?」とKに聞くと、声を出さずに頷いたので、生ビールを
グラスと僕の分は中ジョッキで頼んだ。
「K?何食べる?食べたいのある??」
「…初めてなんで、お任せします」
「じゃあ、〈季節のお任せコース〉とアラカルトで、ホタテと、牛肉のフィレを…」
と僕が積極的に頼んだ。(Kはとくに好き嫌いが無いのが助かる)
飲み物が来たので二人でグラスを合わせ、乾杯をした。
ほどよく赤くなったKを見て僕は素直にカワイイと思った。

プレゼントも渡し終え、頼んた食事もほぼなく終り、あとはデザートぐらいになった
時にKがバックの中から取り出したのは少し古いカメラだった。
「記念に一枚いいですか?」とKが聞いてくるので、僕の事を撮るのかと思ったらば
自分の事を撮って欲しいとの事だった。
「変だぞ?」と言ったらば
「好きな人の事は…私が撮りたいんです」と返して来た。
「(わかったよ)」の意味で首を縦に振ると僕は彼女愛用のカメラで彼女を撮った。
この1枚の写真が、後々にやがては大きなトラブルへと変貌していくとは…その時は
まだ思ってもみなかった。

77名無し百物語2020/10/24(土) 23:14:35.29ID:zRtKodKu
16《独白》 
Kと体を重ね始め、彼女の話を寝物語に聞いた。
が幼い頃に別れたという父親の事では多少ながら驚いた。以前、ある著名な芸事務
所の外部役員だとKから教えてもらってはいたのだが…
(*本業はまた別会社(外資系企業)の役員とのこと)
でその名前を聞いて驚いた。なので現在Kが所属する事務所FでKが新人レベルな
のに待遇が妙によい訳が解った気がした。
「…ねえ、私を怒らせると実は…怖いんだよ」
と笑いながらいうKの顔がまじまじと見た後で、まだ子供の様な笑顔のはずなのに
背中では悪寒が起こったのを覚えている。
また彼女は家族…姉らの事をこう評している…一番上の姉はKの芸能活動にはどち
らかと言えば批判的であり。独善家。
二番目の姉は好意的ではあるが嫉妬心は大きい…だったと覚えている。

78名無し百物語2020/10/24(土) 23:22:49.30ID:zRtKodKu
17
彼女がポツポツと話した中には…
母親は、自分の父親が遊興業(パチンコ)で作りだした資産でKらには大学に行って
もらいたかったみたいな素振りを見せていたのだが…
結果、姉らもKも進学をしなかった、末子のKですらも母や祖父らの希望を叶える事
は出来なかったという事になる。
女ばかりの家の中は賑やかだった事だろうと頑なに想像される。彼女の祖父は地元で
3店舗のパチンコ店を経営しているとの事だった。
昭和の時代の暗黒部…オイルショック後すぐに川崎から妻と二人の子を連れ、今の街
…対岸の街へと流れ流れてやって来て、その後、東京湾工業地帯の発展と共に興行…
遊興業として財を成していった。
「…なあ大学に通ってたらどうなってたの?」
と例の…あの映画の撮影の合間に聞いた事がある、Kはこう答えた。
「多分、普通の大学生やって。普通の恋して普通に過ごす。でもお金がなくなったら
もしかした援交しちゃうかもね」とあっけらかんと言い、ちょっと驚いた。
その後のシーンで僕らはカメラの前で情熱的なキスを何度もした…。
それから数日後に僕らは初めて体を重ねた事になる。
彼女がまだ18才と何ヶ月…って頃だったと思った。

18
彼女の家庭事情はかなり複雑で、姉らとKは全員父親が違うのだという。
なので、一番上の姉と彼女Kが並んで歩いていても事情を解っていないと姉妹だとは
思われないらしい。
それらの話は彼女の地元では通った話だった。
一番上の姉は地元の高校から専門学校に行き、卒業し都内のカメラスタジオでアシス
タント兼事務として働いているとの事だった。
スタジオの名前を聞いて誰かピンと来たくらいの長身の美女で…確かにKとは似ても
似つかないタイプの女性だと思った。
すぐ上の姉(2番目)はいわゆるヤンキーで、中坊上がった頃から色々とやんちゃし
ていたらしく、折角の高専も中退したみたいだった。
今は実家から隣の街のホームセンターの準社員として通っており、実家住みの姉とは
彼女の事を指すらしいとKから聞いていた。
彼女の画像をKから見せてもらったが三姉妹の中では、もっとも二人には似ていない
と思えた。まず身長が低く155cm程度、可愛らしいヤンキーって感じがした。
東京湾の東側から出てきて一番最初のアパート…
川崎のアパートに住んだ時、その二番目の姉が免許取り立てだったので高速を渡って
遊びに来る事があったと聞いている。
Kにとっては悩みを相談出来る相手だったのだろう…か?

79名無し百物語2020/10/25(日) 12:24:22.99ID:sZo2PHmi
19
「僕の本音じゃ…Kと合わせるが事自体が嫌で、辛い」のだが。
僕の個人パーティの事をどこかから聞き、俳優【I】が向こうの方からすり寄って来
たのだった。
俳優Iがサドっ気の強い男だというのは話を聞いていたが、ここまでだったとは思わ
なかった「…秘蔵のビデオだよ」と言って見せられた中には、共演した事もある女優
【Nm】がIとくんずほぐれつの痴態を見せているだけでなく。
直接見えないトコには青あざがあったりした。
「オシリを適度に叩くといい声を聞かせてくれるの」
「顔はダメだよ、ボディだよボディ…」というとIは瓶ウォッカを呷った。
場面が変わりNmが下になり、Iが上で腰を振っているとまたこう彼は囁く…
「…首を絞めてあげるとアソコの締まりがぐっと良くなるだけじゃなくて、本人も気
持ちがいいみたいなんだよね」
と僕の耳元で囁くのでセリフが飛びそうになった事もあった。
「…俺の羞恥の…恥部をここまで見せたんだ、なあ今度はキミの作っているという…
ドールちゃんを俺に見せてくれるのが…フェアってもんだろう!?」
とギラギラした目で言われ、僕は…イヤイヤ頷いた。

80名無し百物語2020/10/25(日) 12:34:03.85ID:sZo2PHmi
20
「ねぇここへ行ってくれないか?」
と僕はKにあっさりとした感じの芝居で電話をした。
電話を受け取ったKも、ただ何も言わずに「うん」とだけ言って電話を切った。
それから数時間後に…あっちの国から来た葉っぱなどが出ス〈むさく甘い匂い〉のす
る部屋でだけ会う、そんな奇妙な二人の関係がバチっと断ち切られた時だった。

《独白》
妻が僕の芝居練習部屋へとやって来たのは1年ぶりぐらいになるのだろうかな?
勿論、その手には子供達もいるのだが。
「ここがパーパのお仕事の部屋ですよ」
と妻が娘達に説明し、話しかけていきつつも僕の浮気の痕跡がないかとチェックをし
ていく抜け目のない女だ。
逆にまるで千鳥が鳴くような声で、あれやこれやと語りあう二人の双子らは見てても
また耳も楽しませる。
僕は彼女らを抱く時もKの水滴をはじく柔肌を抱く時も、同じように傷付けない様に
注意して抱くのだ。
その傍らで物色するような妻の腕の中では、この前生まれたばかりの、たった一人の
息子が抱かれ眠っている。

がさつで、むらっ気と気質的に雑多な所のあるKは片付けをしない。
いや語弊がある片付けを得意とはしていない。
お陰で妻が疑うような変なモノや証拠が出て来ない。普通は疑われるだろう…長い髪
の毛だってもイヤリング類であっても、芝居の練習部屋であれば…誰か女優らが他の
人と一緒に練習に来てたから…って事で済ます事が出来るから、有難い事だと思って
いる。
妻が昔の台本や、いたずらで書いた脚本。趣味で読んでる本、誰かが持ち込んだ本…
そしてKも読む雑誌などを詰め込んだ本棚の前で立ち止まりこう言った。
「あ、懐かしい…毎朝のドラマの脚本じゃない」
「…それは捨てる事は出来ないよ」
と僕はすぐに返事をする。そこへ千鳥が鳴くような声がユニゾンで聞こえて来る。
「パパーこれ何―」と台本の束の脇にあった、Kが以前持ってきた猫のおもちゃを手
に取り娘達が駆け寄って来る。
彼女達を見ながら僕は、今頃都内のシティホテルの高層階で逢っているだろうIとK
の事に一瞬思いをはせた。
その邪まな思いを払拭する様に、かぶりを振ると二人の娘にはKにもまだ見せた事の
ない、とびっきりの甘い笑顔を見せたのてこう言ったのだった。
「さあさあお姫様達…お昼ご飯は何を食べたいんだい?」

81名無し百物語2020/10/25(日) 12:45:25.73ID:sZo2PHmi
21
渋谷、六本木、新宿、池袋…などはマスコミらの目が厳しい。
かと言って他の繁華街とて市井の目がしっかりと行き届いているしネットの目もある。
正直、都内…古い言い回しならば…コンクリートジャングルってヤツだ。
それらをツアーするのにも…僕の様な多少でも名の知れた既婚芸能人が、まして若い
女の子を連れ回して簡単にする訳が無かった。
〈「はい、上手に撮ってねパパラッチさん」〉って感じである。
が僕が隠れ蓑にしつつ、行動を可能だと提唱した街がある…それがある街であった。

この街が最初は嫌いだったのだが…足掛け数年…で好きになっていった。
大きな公園、歴史ある食べ物屋、雑多な繁華街…そして路地裏の墓地群…ここからな
らば必要であれば別の街へも移動は可能だし、下町特有の路地裏に身を潜めパパラッ
チらの襲撃の眼から逃れる事も出来る。
海外へは一本の路線でも行ける!し、なによりも土地柄年齢層が高く、あまり僕らの
世代の事を気にも止めないというのが…実にゆるいリスキーさでもあった。

「ねぇここ(〇〇地内某ホテル)へ行ってくれない?」
と僕はKに執着心も無く、実にあっさりとした感じの芝居で電話をした。
単発の電話を受けたKも、ただ何も言わずに「うん」とだけ言って電話を切った。
それが二日前にKに頼んだ事だった。
そして僕は何食わぬ顔で〈家族〉っていう単位グループと僕とKが疑似愛を囁く部屋
で会ったのだった。

82名無し百物語2020/10/25(日) 12:58:04.96ID:sZo2PHmi
22 Asaid
Kは部屋をノックした。
黙ってドアが開かれ。そしてその部屋の中に招き入れられた時に初めてその人=顔=
俳優【I】だと知ったのだった。
その部屋で初めてIと出会ったKは最初は戸惑ったみたいだった。
「Iさんですか?は、初めまして…Kです」
がIの方から積極的にいったみたいだったとKは後日、僕に教えてくれた。
「…ふ〜んキミが【僕ちゃん】の大事にしているお人形さんかあ…」
その言葉にKは違和感を覚えたみたいだったよ、とIが僕に教えてくれた、僕は余計
な事を…と思った。
「本当にIさんですか?」
「この顔、他にいると思う?」
「…確かに」
「ま、立ってないでキミの為に高いシャンパンを用意してあるから、まあそこにでも
座って飲みなよ」
「はい…じゃあ戴きます」
やがて…KとIは熱烈なキスをした。で長い時間をかけて抱き合い、絡み合い、そし
て互いに果てて…眠った。

22 Bsaid
数時間程、深く眠った後で先に起きたのはIの方だった。
KはIの性交に深いオーガズムを感じ、目覚るのが後になった様だ。
IはKの財布から免許書を勝手に抜き出し、見ていた。そして彼女にこう言ったのだ
った…「へえキミ、9月生まれなんだ…どれどれ占ってあげようか?」と。
Iが占星術に懲り、それを習得したのは二十歳を過ぎてすぐの事だったようだ。
「そ、それがどうかした」
自身のバッグの中身を勝手に触れられたKの声には怒気が含まれていた。
「時間、生まれた時間は聞いた事ある?」
「…生まれは時は夕方だったと…」
「で血液型がA…」
「それも関係あるんですか?」
「…ま俺の占いの仕方じゃね。…今の所、芸能活動は…万事悪くは無いと思うが……
ん?1年…いや2年後は気を付けた方がいいのかもね?」
「何にですか?」
「…ちょっと大きなトラブルが出そうってある」
「…はい、他にはありますか?」
「おっ乗ってきたねえ…ふ〜ん為る程。これ大事だ、キミはアイツ(僕)の奥さんと
は相性が良くないかもね?近づかない事、構わない事、そして何かあったら逃げる事」
Kは、はだけた胸を隠すように毛布を手繰り寄せた。
「そ、そうなんですか?」
「彼女は怖いよー、人型の雌ライオン…って感じかな?ただ普通に出会いに行った
らば頭からガブリ!だね」
Iはベッドから降りるとLDの真ん中にあるソファーへと行き、腰を下ろした。
「ダンナさんと浮気…してるんだし、と当然ですよね」
「んん!それだけじゃないんだなあ…キミがある女の子と同じ誕生日だからねえ…」
「ある人って?」
「一応、女優かな?オルガって老舗の芸能事務所に…まだ居るのかな?その子、今
しばらくの間、干されてるけれどね昔は人気女優だったんだよねえ…」
(Kは無言になった)
「ま、九州の田舎の方から出てきて、煽てられて、持ち上げられて処世術も知らな
い顔面だけのバカな子だったけどさ」
Iはソファーに置いてあったジャケットの中から巻タバコを取り出すと火を点けた。
それはなんとも言えない甘い匂いのするものだった。
「…あの…やっぱりついで聞いちゃいますが、やっちゃんたんですか?」
「はい、美味しくいただきましたよ」
とIがおどけて言うのでKは屈託の無い顔で笑った、その顔は僕には見せた事の無
い顔だったよ…とIは後日僕に語った。

83名無し百物語2020/10/25(日) 13:09:02.53ID:sZo2PHmi
23《独白》
【I】とのSex&彼から勧められるドラッグ類の味を覚えたKの中の〈戯女の血〉
は覚醒を増々加速化していった。
とにかく…残念な事なのだがIとKは身体の相性が抜群に合うようだった。
元来Sっ気が強いIと。受け身のM気質もあるKのカプはエッチだけでなくプライ
ベートでの付き合いも不思議と馬が合っていった。
夜の街をIと共にKは流していった、と同時にKの仕事も格段に減っていった。
Iが売れっ子のバイプレーヤーなので仕事の切れ間が無いし、ロケによってはだが
全国どこへでも行くからだった。
やがてはKはIの高級マンションの部屋へと転がりこむ様になっていった。
で僕らの…僕とKとの芝居の部屋での事…関係は少しづつ疎遠になっていった。
がモテモテ年中発情期俳優のIの異性関係の派手なのが、K一人で簡単には収まる
訳ではなく。
KとてIが手の内に置いているガールズの一人ではあるのだが。
他の女達らとは違うのが【I】の部屋(寝室)に入る事を許された者だという事だ
けだったが…それで、なんとか、Kは自身の矜持(精神のマウント状態)を辛うじ
て維持していたのだった…

その頃の僕と言えば、Mは売れに売れ、Oも仕事に復帰し、YはM以上に売れっ子
となり…あの部屋での〈パーティ〉を一時的に封印し、子育てイクメン仮面の真っ
最中だった。
上の子達はインタースクール系の幼稚園に行き、朝から片言の英語を話すし。
少し病弱な下の男の子の世話の為、妻は手がかかりっきりになっていた。僕は彼女
の手伝いを齧る程度にしていただけだが。
丁度その頃は主演の映画なども決まり、ドラマも好調だったので落ち着いてきてお
り、生活に余裕もあった。

84名無し百物語2020/10/25(日) 13:28:38.49ID:sZo2PHmi
24
「…なあK…?」
「K?」
「おい!!Kっ!返事をしろよ!」とIは怒鳴った。
地方ロケも長期ロケも無く、日曜日の昼下がりでIしては珍しく3日間程自宅の周
りでゆっくりと過ごしていた。
その時KはIに買ってもらったヘッドホンをし、大好きなK-POPを大音量で聞
いており、Iの声が届かなかったのだった。
がIのその大きな怒鳴り声に気づいたKは、ソファの上で紙巻マリファナを吸う彼
に近寄り、その筋肉質な首すじを抱きつきつつ甘える声で聞いた。
「へ?ごめんね…カン・ジャムーの新曲聞いてたから。でなあに?何か用事」
マリファナを灰皿に置くと、手放しIはKにこう言った。
「…なあ俺と…一緒にタトゥー入れるか?」
「へっ…なぜに?」
KはIに対して不思議そうな顔を見せた。
「だって俺達は似た者同士の仲だろ?…キズナの証って欲しくね?」
Kは一瞬、躊躇と戸惑いに近いのを見せたが、そのIのキズナの証って言葉が彼女
の琴線にダイレクトに触れたみたいで数秒後には「うん」と頷き彼の顔にキスをし
たのだった。
「よし、じゃあ今度の日曜日に俺馴染みの行こう…」とIはKの頭をぐしゃぐしゃ
に撫でながら言った。
「うれしぃー」とKはぽそっと呟いた。

25
実はKは以前、Mにも似たような事…タトゥーを一緒に入れないかと言われた事が
あったのだった。
MとKの環境…生まれや今までの生き方とかが、なんとなく似てるって気が付いた
のは、事務所で一人確定申告の為に深夜までPC作業してる時にだった。
僕の給与は妻のAとは違う、母の名義を経由してある個人設定の法人口座なので、
Aにバレるとまずい事(主な経費には〈あの芝居部屋など〉)になるからだった。
仲間、事務所の連中とも飲みにも行かずに、いそいそと領収書の取りまとめなどの
作業をしていた時にふと頭の中に浮かんだのだった。

Mの家庭も複雑であったと聞いていた。
「…たいした努力家だな」と以前Mに言ったらば彼はこう返してきた
「家…実家には帰りたくないから…しがみつくしかないんだ」と。
海が近い町で生まれ、母親の再婚などの都合で引っ越し、その後で複雑に入り組ん
だ少年時代を経て、某有名劇団への推薦枠をゲットし、その後も努力を重ねた上で
現在の地位まで登りつめている。
Mの父(亡父)、母、Mの父(義父)、そして謎のオジさんという存在は谷崎潤一郎
作品の様な…甘美な匂いが感じられて僕は大いに、彼と彼の環境に興味を持った事
は事実だった。

Kは一応、とある場所でマネージャーがスカウトの形式で…と事務所内外では通っ
てはいるのだが………実際には彼女の父親の影響力も、大きいのは前にも言った通
りだった。
なのでHPに載ってる経歴などは練って考えられたストーリーであり。
それは現実には存在しない話だ。
彼女の…関係、いや所属事務所にとって彼女という存在は、事務所の発展、利殖と
契約延長上の為にある。
彼女は《預かりモノ》なのだ。
「…ねえ、私を怒らせると実は…怖いんだよ」
がK自体の家庭環境はMと似て複雑なものであった…
それもお話した事があると思った…
それらは彼女の祖父の影響も強いからもあると僕は思っている。
女系家族の中で唯一の男性による強烈な支配…その祖父には谷崎の小説の中の日本
の古い強烈な個性の男が発する様な匂いが感じられると思った。
「…ネエ、ネエ聞イテルノ?私ヲ怒ラセルト本当ニ…怖インダヨ」

85名無し百物語2020/10/25(日) 13:43:35.16ID:sZo2PHmi
26 A side
IとKはお揃いのタトゥーを彫った。
Iは左脚のふくらはぎに、Kは左の腰の辺りにだった…
「…これで水着の仕事、特にビキニの仕事はNGだね」とKはIに向かい言った。
「…俺以外にその肌を見せる必要が…お前はあるのか?」
とIからは言い返されたとMから聞いた。
「うんん、そうだね…事務所の仕事は〈清純派だもんね〉…Iさん大好きだよ。
もちろん、私の事も…だよね?」
「当たり前だろう?」
「ご飯…食べて帰る?」
「ああ、いつもの所がいいが?いいだろ?
「うん、あそこの焼き魚定食好き。それに他人目も気にならないから」
「じゃ決まりだな」
この時がこの二人にとっての一番のギジ恋愛のピークだったんだろうと僕は思って
いる。この頃からIはKに寄りそうな事はせず、ちょっとした距離を取っていたと
Kは僕にぼやいていたなあ…と思い出す。

22 B side
その話をYから聞いたのがついさっきの話で。
でMがIに喰ってかかったのは数日前の事であった…
原因は勿論、Kの事であるらしかった。
「…お前には関係ねえだろ」
「そうでも…ないですよ」
「セックスの回数で…アイツとの経験値決めるなよ、優男…」
「いくら先輩でも、それって言ってていいと思ってんのか」
「子供のケンカじゃねえんだ…もう止めろ、時間だ」
「顔に何か付くとマズいっすもんね」
「お互い様だろ…もう、近づくなよな…ベビーフェイス」
MもIの知人の一人であるし、演じる者として先輩、後輩の仲でもあった。
だがIばかりが当時のKを独占し始めた事に嫉妬という訳ではなく、Kが情緒不安
定に陥りそうだった事が複雑な家庭環境にあるMにとっては…琴線を引いた所なの
だろうと僕は思っていた。

それだけの理由でもなかった。
Kの魔性がそれをK自身が望んで発動を開始し、周囲を狂わせ始めていたと後で思
ったのだった。
後日、Kが僕の下に戻って来てから、その件のソレを風呂場で見せてもらった。
ハート図案化したモノだった。
シャワーをかけた、洗い流そうとした…「…ねえそこばっかりかけないでね?」と
Kから言われた。でそれを僕は高い治療費を出して消させた。
Iが残したキツい残り香みたいで…気持ち悪かったカラダ………だった。

86名無し百物語2020/10/25(日) 14:01:27.73ID:sZo2PHmi
27 A side
そんなこんなではあったが、やがては…そんな蜜月にも満つる月が来て、ゆくっり
と欠けていったのだった。
IはKに飽きた…
激辛料理は味に奥行きが無いと…やがてその味に飽きが来るものである…
KもIに飽きた…
見た目がよくても、味にしっかりとしたコクない料理を女は飽きるものである…
ある日。ふときっかけでIもKも互いに到達した=満足しあったの感じた。
「(辛い料理ってこんなもんだったのかあ…)」
何か満ち足りてしまったと思えた…
最後の場所はIの自宅ではなくて、渋谷の裏手にある芸能人お忍びのラブホだった。
「じゃ、この先は互いにNGだな」と言った。
「うん。知らないふりの人の…ままでね」ってと返した。
二人は自然とその渋谷の繁華街裏のラブホを早朝6:45頃に出ると、どちらから
とも無くそう言いあった。
で互いに別々の方角へと歩いていき…プライベートでは二度とは会う事は無いだろ
うと思った。
別れたその日のうちにIがした事とは。
Kと一緒に彫ったというキズナタトゥーに手を加え、別のモノにしした事と。前か
ら声をかけていた新たな女と暮らし始めた事だった。
新しい女はモデル…のある有名一族の血の流れを組む著名なモデルだった。
しかしこの女性がIの俳優人生を狂わせる事なったのは又、別の話だ。

27 B side
でKの方はというと。。。
突然、僕の後ろで「にゃあ」と彼女が言い、その後、ネコが舌を出すような仕草を
した様な気がした
いけしゃあしゃあと…Kはまた僕の所へと戻って来たのだった…
でもなぜだか、僕は「別に…あぁ…そう」ってな感じがした
家で飼ってるネコが勝手に出て行き、また勝手に戻って来た
…そんな感じがした
またはゴロゴロと喉を鳴らす、世間の蜜の味を覚えたズルいノラ猫みたいな感じで
ある意味で大きくなって戻って来たのだった…

Mが怒って興奮した様に電話を寄越してきた…
そのトラブルの事の原因は、Kがある映画に出たいと言い出した事からの様だった
無論、当然と言わんばかりに僕にも彼女は声をかけて来てる。
「確かに後輩はエントリーはしてますが、実際は実力勝負です」
「なる程、彼女の考えも聞いてみないと…」
「困ります…」
「…すまない…気を使わせてしまって」
僕はまずMをなだめた後、その後でKを叱った…
Kが膨れ面をするかと思ったが、そのKはペロりと下を出してきた。
彼女の中の魔性の彼女に魅かれてる僕は、挑発的な彼女と熱っぽい口づけを交わし
てしまっていた。

その「十三人の死にたいこども等」という映画には、監督・制作サイド推薦の実力
演技派という若手俳優が数人。
オーディションによって計13人の出演俳優を決め、群馬の外れにある地方都市に
指定されたロケ現場で約3ヶ月間寝食を共にし、その映画をびっしりと撮影すると
の事だった。
原作は有名作家、監督はあの【T】という個性派監督、脚本はTとタッグを組む有
名女性脚本家…と面子もさる事ながら、その映画に出られるという事は20代らの
実力派役者らが集結する=2010年代の代表とさせるオベリスク作品になる可能
性があった。
そしてKが恋して止まない俳優【Tr】の彼女と目される若手女優【Ks】も参加して
いたのだった…

87名無し百物語2020/10/26(月) 10:16:45.41ID:Ckjt8zKo
28 A side
IもMもOもKdも…彼女は彼女自身と関係のある(見えない紐に繋がった相手)者
には皆に声をかけていた。
そして僕のあの部屋を使って彼らから真面目に演技指導を受けていた。Yからは面接
に対する相手との気の引き方、駆け引きなど習っていた。
今迄見た事のない必死な顔、姿も僕は見せられた。
彼女は…へぇ役者だったんだなあとその時は僕も思わされたのも、また事実だった。
が…結果は残念な…いや惨敗な結果に終わったのだった。
まずは他の参加者のレベルが違い過ぎた。
事務所の後輩【Ki】も受けていたので関係者に都合をつけ、合格者を名簿を見せても
らったのだが…ざっと見ただけでも確かに女子で、Kが演技で叶う相手は(後輩含め)
いないなあと思った。
だが勿論の事、その知り合いの情報によるとあのKsは、しっかりとある役柄の合格を
射止めていた。
会場で発表されたという推薦枠の5人の俳優、女優らはみな、放送・公開済みのドラ
マ、映画などの主役、準主役クラスを経験した者達…錚々たるメンバーであった。
ほかオーディションの参加者も各事務所から、その年代に合わせた実力のある役者ら
を出して来ており、オーディション組からの合格者にはKのように事務所のパワーで
役を取った者は一人としていなかったのだった。

28 B side
後輩Kiはこの先売っていこうと思われてる、演技派の女優だ。
美人ではない、またKや妻のようなスタイルももちあわせてもいない…が天性の演技
力というのは現在の事務所の女優部門トップの【Km】に匹敵するだろうという見方を
されている…そんな女の子だった…
そんなKiが言っていた「…まず芝居のレベルが違う…中には憑依かよ」って思うレベ
ルの子も居たらしい…と。
バレない様、まずは演技指導を含めての…という事でKiをカフェまで呼び出した。
KとKsとKiの3人がエントリーしたのが「マイコ」という役だった。
それで「マイコ」という役の話から始めてもらった、どうやらKが彼らと創り出した
マイコ像は監督ら制作サイドが思う、マイコ像とはかけ離れておりKiは全くマイコを
演じきれずに終わったとKiは言っていた。
(なるべく)さらりと…Kの事を聞いてみると…
「ああ…その子は演技自体が当初からマイナスでしたね」とバッサリだった。
「…マイコのズル賢さが出て来てないんですよ、マイコって見た目は普通のJKなんだ
けれど、父性の渇望…父に対しての愛情に狂ってて…」
「とにかく(Kさんって)女から見ても微妙な色気はあったけれど…なんか違うネって
脚本家の方には言われてたのを覚えてます」との事だった。

88名無し百物語2020/10/26(月) 10:25:13.15ID:Ckjt8zKo
28 C side
次の話ではまた別の芝居から始まって…KiとKと【Ya】という古参事務所の一つ研演
所属の女優が対決した「ミカ」の方では、Yaの自然体のイメージが役である「ミカ」
に、ぴったりだったとKiは言っていた。
「でこの子は?」とまたKの事を(なるべく)さらりと聞いてみたが。
「最初のからもう既にギャルっぽくない演技だったんで、1回目のリハでもうアウトが
決まっていましたね」
「終わってから(監督からは)キミの演技はギャルじゃなくてキャバ嬢みたいだなって」
「(監督いわく)JKギャルのイメージが古いって、前の世代のエンコーJKだなって」と
言われていたとの事だった。
40分程彼女に指導という御礼を言った後、見送ってその場を離れた。
そして…最後にMが聞いてきた話だと。
Mの後輩がオーディション組で一番気になったのが、背格好も姿も少しKと似ている…
【Ts】という若手の子らしかった。
が彼女は与えられた「ユキホ」という役の設定を見事にこなし、同じような恰好のKら
とは違った演技を見せたとの事だった。

28 D side
「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
「また…なの?」
もう何回目のコールなんだか数えられなくなってきたし、解らなかったし、数える
気も無くなっていった。Mくんは完全に私の事をシャットアウトしてるんだ。

「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
「また…かよ…何よ!」
もう何回目のコールなんだか数えられなくなってきたし、解らなかったし、数える
気も無くなっていった。Yくんは私の事をシャットアウトしていたと思った。

「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
「また…どうして、ねえどうして?」
もう何回目のコールなんだか数えられなくなってきたし、解らなかったし、数える
気も無くなっていった。僕さんは完全に私の事をシャットアウトしてるんだね。
「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
夕暮れ前から降ってきた雨が激しさを増していった。

28 E side
Kは荒れた。
その荒れ方は今迄の彼女の姿を知ってる人らだったば完全にヒいていた程だった。
配慮した…いや手を余らせた事務所側は…Kをしばらくは休み扱いにし…いや元々
Kに仕事らしい仕事などは無かったみたいだったが。
休暇を与えたみたいだった。
そんな経緯や、細かい事などは僕はよくは知らない。
だってその頃の僕はと言えば…
準主役の位置で時代劇が2本だとか、妻の歴史好きが切っ掛けで歴史番組のナビゲ
ーター役だとか、今までに無い仕事が舞い込んで来て、とても彼女の事を構ってや
れる程の時間は無かったし…
それに何よりも、僕には新しい女トモダチが出来たのだった。

89名無し百物語2020/10/26(月) 10:28:26.93ID:Ckjt8zKo
29 A said
それからも…僕らはたびたびは会ったし、お互いの部屋を行き来きもした。
したけれども以前のような二人には戻れなかった。
そして…11月のある日…彼女が突然キレたのだった…
>事務所に、バレて反対されたからとかさ。今は仕事が大事だからとかさ。
>そんなのって私だって同じだし、私だって同じ芸能人なんだよ!
>そんな事よりも好きだから!!!
>好きになっちゃったんだから…
>嫌な事も、変なクセも全部ひっくるめて付き合いたかった!!
>めちゃくそに愛情注いでくれないって…ムリって解り切ってる。
>だから…

29 B side
私Kは【僕】の秘密を売った
彼と私の過ごした私達の時間って以外に…安かったのには驚いた
「…大丈夫、しっかりと記事にするから」とか
「…気持ちは…しっかりと持ってね」とか
「これで生まれ変われるから」とか
安っぽい言葉が私の周りを埋め尽くし、それがフワフワと浮かんでいるのが私だけ
には見えるんだなあ…
マネージャーだけには「…売ったよ」と話をした…そうしたら軟禁されそうになっ
たから逃げ出した

90名無し百物語2020/10/26(月) 10:31:39.38ID:Ckjt8zKo
30
Nの事は家…どころか事務所すらも知らなかった。ま、はなからあんな美人妻に勝
てるとは思えなかったし頼るつもりも無かったが…
Kdは「これは人目から隠す為のビジホ代だよ」って封筒に入ったお金を…十万円
程?はくれたが、自宅マンションには上げてはくれなかった。
彼も既婚者だったのだけど、独身と偽って別の女性と交際していたと後日スクープ
記事で知って幻滅した。
Iの部屋には別の女の人が居た。
私が噂で聞いてた人…(一応、国内では)トップモデルの【Mh】さんではなか
った…相手はキョトンとした顔で私の事を見つめていた。
訳を…説明出来る範囲で彼女に話ししてみた。が「Iは…撮影で東北の方へ行った
まま、来週まで戻って来ない…」としか言わなかった。
「…失礼します」って言って自分からその場を下がった。お休みの間で知った事な
のだが、とあるスポーツ選手の奥さんだった…
Oは元々あった精神疾患の症状が加速し、休業中だった。
で故郷から家族が来てて彼の世話をしている為、彼のマンションには行けなかった
し。気持ちの純粋な人だから…迷惑をかけたくなかったから…彼の所には行くつも
りも無かった。
Yは…某TV局近くの喫茶店で会い、20万ほど入った封筒を渡された。
「…これで最後だね」と言われ、私はきょとんとした顔になった。
「じゃここのお代は払っておくから僕が出た後で…ゆっくりとしてから…店を出て
行ってね」って言い、彼はコーヒーを一口すすると喫茶店を出て行った。
彼も後である女優さんと結婚した事をスクープ記事で知った。
最後に…Mさんの家に行った…
もう既に、そこはからっぽだった…どこかに引っ越していたのだった。彼の携帯に
電話をしてみた
「…Mさん、Kですが…げ、」
「…あのぉ…すみませんが、どちらさんですか?」
という聞いた事の無い女性の声が聞こえたので、「ごめんなさい」して即切った。
番号も変えてたなんて…知らなかった。
私の頭の上に降る雨は…ただ濡らしていくんじゃなくて…私との繋がりですら、寸
断させていくんだな…って思ったんだ。

91名無し百物語2020/10/26(月) 10:32:35.30ID:Ckjt8zKo
31
トボトボと歩いた。。。
コンビニの透明傘を差して何駅も、何駅も。。。
(ワタシが)どこに居る、(ワタシが)どこへ立っているのかも分からない。。。
あの記事で話題になった。。。
例の私。不倫、不貞女、泥棒ネコ、ズルい女、魔性の女、淫〇女、淫〇…とかと
言われてる、例の私。
「私はここに居るんだよ」って、、、声は出なかったけど。。。
私だと思っている人は何人いたのだろう?

私は…そのうちの事務所の先輩であり、若手の女優の中でも売れっ子の一人
【Ak】のマネージャーさんらによって保護(確保)された。
私のマネージャーさんら…親しい人らは、みな解雇されていたみたいだった…
保護された直後には事務所の偉い人らからは、
〈なあお前…ちょっと間、ここ(韓国)に行って来いよ〉って言われたけれど……
コロナ蔓延の影響で行けなかった…みたい…(?)
その時の事とか、それから先の事とか、関係・関連する記憶はあまり思い出したく
はない…ま、とにかく色々あったんだよ…短い間にだけどさ

92名無し百物語2020/10/26(月) 10:36:10.96ID:Ckjt8zKo
32 A said
実家の…
姉さんら、お祖父さん、そしてお母さんには…今まで生きてきた中で最もいっぱい
の文句言われた。お祖母さんに至っては【もう帰って来なくてもいい…】
とまで言われた。。。
ま元々あんな家に帰るつもりも無いが。。。
だから〈オ父サン。。。ガ用意シテクレタホテルヘ逃ゲコンダ〉

32 B side
正直、売ったお金で…
これであの人とか、別のあの人とか…と海外旅行に行けるかなあって思ってたネ。
・・・思ってたらコロナ流行と即日バッシングの波に飲まれてもうたネ。。。。。。
〈ワタシハ、被害者ナノニ…奪ワレタンダヨ…ワタシノ時間〉
〈カエシテ欲シイノハ…ワタシノ方ナンダヨオ。。。〉
〈ワタシノ、貴重ナ…3年間…失ッタ。アンナ人ニ。。。ダッタ…出会ウノガ遅スギ
タンダヨ…〉
って思ってたよ
…えっ贖罪とか?
あぁ…そんな気持ちはないし。。。あの人との事はもう遠い思い出話。。。
そうオモイデだよ、オモイデだったんだよ…ワハハハッ

93名無し百物語2020/10/26(月) 10:37:07.51ID:Ckjt8zKo
32 C said
〈今現在では事務員みたいな事をしなさい〉
って偉い人、新マネさんら言われながらも…時折別の事もさせられているけどね…
それもカメラがいじれるから。
うへっ、ちょっと気分的に愉しくなって来たのは事実だよ。
またね、来週にはロケの取材って事で長野、軽井沢ってトコに行けるの、初めてな
んですよぉ〜

32 D side
よく晴れた冬間近の日に…今住まわせてもらってるマンションのLDKの掃き出し
窓を大きく開けた。
そのマンションからだと海…東京湾までは、そう遠くはないので風向きによっては
だけれど…湿気を少し含んだ風が、ゴウって音を立てて入ってくる時もある…
生まれた町の汐の匂いが感じられる気がしていたが…
今日はそうかな?と思って窓を開けてみたが違っていた。
ベランダに出て外の景色を見ると…晩秋ってのが終り、初冬が、冬の気配が本格的
に感じられると思ったんだなあ…

94名無し百物語2020/10/26(月) 10:43:19.07ID:Ckjt8zKo
33《独白》A said
よく晴れた冬間近の日の事だった。もう少ししたら冬の気配が本格的になるんだろ
うなって思った。
僕は僕が現在迄に持っている中でもKに関与する最大クラスの秘密を売った。
時とKサイドが、それらを勝手に熟成させてくれたのか…
思っていた以上に…随分と高い売り物になった。
内容は…Kが未成年時(18才なりたての頃)当時のマネと部屋の中で飲酒をして
いる姿のが2枚。
同じマネと18才の時の都内カラオケBOX内での喫煙姿、顔がばっちり写ってる
のが2枚。それと同じく18才時の…ラブホらしき所でベッド上で制服のまま喫煙
しているのを写したのが1枚。
これにあの国に行ってた間…私は女優なんだよって面していた時の…あっちの国の
俳優Pと半裸姿で一緒にベッドの上で何かを吸ってる2つ動画だった。
…我ながら豪華なラインナップだと思った。

95名無し百物語2020/10/26(月) 10:46:33.52ID:Ckjt8zKo
33《独白》B said
「…2週間後には載せます、単独です」とその記者(A出版)は嬉しそうに言った。
A出版のタブロイド誌は、とくに薬関連においてはすっぱ抜き、貫き通す雑誌とし
て、ある意味では有名な雑誌だった。
「じゃあさ…あとこれは、あんたに任せるよ」
と僕は言うと、Kの父親の情報について入っているUSBを彼に渡した。
同じ内容を別の記者(こっちはBスポーツ新聞社)にも売った…こっちはA社より
も僅かだが高く買ってくれた。
「…A社の月間タブロイド誌と、同じタイミングで載せてよ」と依頼した。
「はい…OKっすよ」と(Bスポーツ新聞社記者)は言った。
(A出版)記者の名前と名刺のコピーを渡し、あとは直接でのやり取りをしてもら
う事にした。
「…他には(情報売ってないよね)?」
「ないない、俺の事を比較的、中立的に書いててくれた2社だけ…独占だよ」
「…失礼かな?まず謝っておくね、ごめん」
「一体何を謝るの?」
「(この情報を出すっていう)切っ掛けって何?」
「…裏事情。…あとこれの使い道は、あんたに任せるよ」
と僕は言うとKの父親の情報について入っているUSBを彼に渡した。
そして僕は人生で初の超々長期休暇ってヤツに入る事にし、その場を後にした。

96名無し百物語2020/10/26(月) 10:50:32.11ID:Ckjt8zKo
34《独白》A said
あれから数週間程が経過した…
事務所ごとのガサ入れは回避されたみたいだったが、ネット、マスコミ、他の人間
らからは彼女個人はかばい切れずに…いた模様。
まあどっかに隠したみたいだった。あとは知ったこっちゃない。先に裏切ったのは
…かつ3社協定を破ったのはあっちの方が先だ。

……朝から僕のスマホは鳴ってるみたいだが…電源自体を消してるのでどうなって
いるのか解らないんだ。
数日前から3番目の避難先として選んだ…この伯父名義のマンションには、寝具と
冷蔵庫などしか入れてない、だからテレビもラジオも、無論ネットも無いから……
世の中の状況は疎いとういうか、解らない。
が、それでもよくぞ短期間で調べたものだと感心する。マンションの周りには人だ
かりが出来ている。

97名無し百物語2020/10/26(月) 10:55:44.25ID:Ckjt8zKo
33《独白》B said
「…さ〜ん、さん?ね、居るんでしょ?」
「Kさんが亡くなったって知ってますか?」
「…あの…Kさんが今朝方…事務所の近くのビルから飛び降り自殺をしたって」
「遺書とか…は見つかってないそうですよ」
「なにか?知ってる事有りますかぁ?」
「何か連絡とかは取りましたか?…ありましたか?」
「お答えくださいよぉ〜」
「お願いしますよぉ〜」
〈さあ…?なんの事、全く知らないよ〉と言ってインターホンを切った。
〈…復讐スルハ我ニアリ…ってやつだ〉
僕も、ようやく出来た別の新しい彼女がベッドのある部屋待ってるし、で手招き
をし始めてんだ…
さてと…アレは僕の事を待っているだろうか…?
いいや待ってなんかいないさ、誰か別のヤツを祟る事だろう…
まいい…考えたってムダ。食べ物、飲み物はたっぷり10日間分以上は運びこん
であるのだから…消えてくれる迄、待つとするさ…

98名無し百物語2020/10/26(月) 10:58:37.28ID:Ckjt8zKo
35
…おれは、それぎり永久に中有の闇へ沈んでしまった…
私はその最後に彼が読んでくれていた、あの本の中にあった短編の最後の一行が、
なぜだか思い出された。
…そしてワタシもそれっきり永久の闇の中へと沈んでいった…

99名無し百物語2020/10/28(水) 15:29:35.86ID:b9q0k/X6
2020年10月28日 東京都コロナ感染者数 171人
彼女の事、彼女の思い出を早く忘れないといけないのに

100名無し百物語2021/06/10(木) 15:37:06.97ID:3bnr/cUx
いろいろな意味で。。。
現在の芸能界に〈唐田英里佳〉っていらんやろ
本人が望まんでも強引にでも普通の人として人生送らせろや

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