Rippleの戦略は、あくまで「線」の戦略だった。つまり、国際送金やブリッジ通貨といった特定のユースケースや限定的な通路に焦点を当て、そこを着実に押さえることを狙った戦略だ。しかし、現実の市場や技術構造では、その「線」だけでは流動性や基軸性を確立するには規模が不足しており、結果として広くエコシステムを押さえ切ることはできなかった。

一方、イーサリアムの戦略は明確に「面」の戦略である。EVM互換チェーンという共通規格を軸に、L1・L2・数百のDEX・ステーブルコイン・トークン・Agglayerといったあらゆる要素を包み込み、一網打尽に流動性と基軸を確立する構造を作り上げた。単一の線ではなく、面として市場全体を覆い、ユーザー・流動性・操作性を統合することで、競合が部分的に入り込む余地を最小化している。

言い換えれば、Rippleは「特定のルートを押さえれば勝てる」と考えた戦略だったのに対し、イーサリアムは「市場全体を包み込む構造的支配」を狙った戦略だった。この違いが、基軸通貨としてのETHとブリッジ通貨としてのXRPの現実的な立ち位置の差につながっている。