イーサリアムはL2の発展だけに依存するのではなく、L1単体の処理能力を劇的に引き上げる明確なロードマップを持っている。L1とL2は互いに補完しあう二層構造として設計されており、L2での高速処理と低コスト化は、L1のデータ可用性やセキュリティの上で成り立っている。現在、Proto-Danksharding(EIP-4844)の導入によってL2のコストは大幅に低下しており、Base などのL2ではすでに数円から数十円程度の手数料で取引が可能になっている。さらに、フルDankshardingが実装されれば、L1上のデータ可用性コストがさらに圧縮され、L2の手数料は理論的に現在の数分の一にまで低下する見通しである。これは、DankshardingによってL2が利用できるブロブデータ容量が飛躍的に増加することで、L2上のトランザクションを処理するためのL1コストが分散されるためである。つまり、EIP-4844と将来のフルDankshardingの組み合わせにより、L2の取引コストは今後さらに劇的に下がることが技術的に保証されている。

さらにイーサリアムのL1自体も将来的なスケーリングが見込まれている。Danksharding の完成によりブロブデータ容量が大幅に増加し、データ可用性の効率が飛躍的に向上する。また、EVMの並列化、Verkle Treeによるステート圧縮、Data Availability Sampling などの技術的改善により、L1単体でもより高いTPSを処理可能になる見通しが立っている。これにより、L1とL2は完全に連携して動作し、ユーザーはどのレイヤーを利用しているかを意識せずとも、低コストかつ高速な取引を利用できる環境が実現する。

スマートコントラクトの脆弱性についても、DAO事件を引き合いに出す論調があるが、コードのバグリスクはあらゆるチェーンに共通する課題であり、イーサリアム特有の問題ではない。むしろ監査体制、開発者数、ツールやドキュメントの成熟度などの面で、リスクの可視化と改善が最も進んでいるチェーンである。秘密鍵管理に関してもWeb3全体の課題であり、イーサリアムはアカウントアブストラクションやMPCウォレットなど先進的な技術でリスク軽減に取り組んでいる。

規制リスクや検閲についても、特定のチェーンだけに当てはまる問題ではなく、むしろネットワーク構造やステーキングの集中度によって、中央集権化リスクが左右される。イーサリアムのステーキングについてはLidoだけでなく、Coinbase、RocketPool、Kraken、EigenLayerなど多様な選択肢があり、分散性は維持されている。

競合チェーンの台頭は健全な競争を生むが、開発者数、TVL、DeFi、RWA、企業利用、L2エコシステムの広がりなど主要指標では依然としてイーサリアムが圧倒的に優位であり、特にRWA分野では約九割がイーサリアムまたはイーサリアム互換環境で発行されている。

総じて、イーサリアムはL1とL2を連携させた二層構造でスケールしていく明確な方向性を持っており、L1も今後劇的に処理能力を向上させる技術的見通しが立っている。Proto-Dankshardingと将来のフルDankshardingにより、L2の手数料はさらに大幅に低下することが保証されており、過去の批判や単純化された「欠点」は現実の技術ロードマップを反映していない。イーサリアムは、安全性・分散性・スケーラビリティを同時に満たす次世代インフラとして、着実に進化を続けている。