0001クロ ★2019/06/23(日) 15:02:59.00ID:Fl4yaugk9
玉城デニー知事による、沖縄慰霊の日の「平和宣言」全文は以下の通り。
◇
平和宣言
戦火の嵐吹きすさび、灰燼(かいじん)に帰した「わした島ウチナー」。
県民は、想像を絶する極限状況の中で、戦争の不条理さと残酷さを身をもって体験しました。
あれから74年。忌まわしい記憶に心を閉ざした戦争体験者の重い口から、後世に伝えようと語り継がれる証言などに触れるたび、人間が人間でなくなる戦争は、二度と起こしてはならないと、決意を新たにするのです。
戦後の廃墟(はいきょ)と混乱を乗り越え、人権と自治を取り戻すべく米軍占領下を生き抜いた私達(たち)ウチナーンチュ。その涙と汗で得たものが、社会を支え希望の世紀を拓(ひら)くたくまいしい営みをつないできました。
現在、沖縄は、県民ならびに多くの関係者の御(ご)尽力により、一歩一歩着実に発展を遂げつつあります。
しかし、沖縄県には、戦後74年が経過してもなお、日本の国土面積の約0・6%に、約70・3%の米軍専用施設が集中しています。広大な米軍基地は、今や沖縄の発展可能性をフリーズさせていると言わざるを得ません。
復帰から47年の間、県民は、絶え間なく続いている米軍基地に起因する事件・事故、騒音等(とう)の環境問題など過重な基地負担による生命の不安を強いられています。今年4月には、在沖海兵隊所属の米海軍兵による悲しく痛ましい事件が発生しました。
県民の願いである米軍基地の整理縮小を図るとともに県民生活に大きな影響を及ぼしている日米地位協定の見直しは、日米両政府が責任を持って対処すべき重要な課題です。
国民の皆様には、米軍基地の問題は、沖縄だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障、人権、環境保護など日本国民全体が自ら当事者であるとの認識を持っていただきたいと願っています。
我が県においては、日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小が問われた1996年の県民投票から23年を経過して、今年2月、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票が実施されました。
その結果、圧倒的多数の県民が辺野古埋め立てに反対していることが、明確に示されました。
それにもかかわらず、県民投票の結果を無視して工事を強行する政府の対応は、民主主義の正当な手続きを経て導き出された民意を尊重せず、なおかつ地方自治をも蔑(ないがし)ろにするものであります。
政府におかれては、沖縄県民の大多数の民意に寄り添い、辺野古が唯一との固定観念にとらわれず、沖縄県との対話による解決を強く要望いたします。
私たちは、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去と、辺野古移設断念を強く求め、県民の皆様、県外、国外の皆様と民主主義の尊厳を大切にする思いを共有し、対話によってこの問題を解決してまいります。
時代が「平成」から「令和」へと移り変わる中、世界に目を向けると、依然として、民族や宗教の対立などから、地域紛争やテロの脅威にさらされている国や地域があります。
貧困、難民、飢餓、地球規模の環境問題など、生命と人間の基本的人権を脅かす多くの課題が存在しています。
他方、朝鮮半島を巡っては、南北の首脳会談や米朝首脳会談による問題解決へのプロセスなど、対話による平和構築の動きもみられます。
真の恒久平和を実現するためには、世界の人々が更に相互理解に努め、一層協力・調和していかなければなりません。
沖縄は、かつてアジアの国々との友好的な交流や交易を謳(うた)う「万国津梁(ばんこくしんりょう)」の精神に基づき、洗練された文化を築いた琉球王国時代の歴史を有しています。
平和を愛する「守禮(しゅれい)の邦(くに)」として、独特の文化とアイデンティティーを連綿と育んできました。
私たちは、先人達から脈々と受け継いだ、人を大切にする琉球文化を礎に、平和を希求する沖縄のチムグクルを世界に発信するとともに、平和の大切さを正しく次世代に伝えていくことで、一層、国際社会とともに恒久平和の実現に貢献する役割を果たしてまいります。
本日、慰霊の日に当たり、国籍や人種の別なく、犠牲になられた全ての御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧げるとともに、全ての人の尊厳を守り誰一人取り残すことのない多様性と寛容性にあふれる平和な社会を実現するため、全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します。
2につづく
朝日新聞
2019年6月23日12時40分
https://www.asahi.com/articles/ASM6R3C6MM6RTIPE00B.html
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平和宣言
戦火の嵐吹きすさび、灰燼(かいじん)に帰した「わした島ウチナー」。
県民は、想像を絶する極限状況の中で、戦争の不条理さと残酷さを身をもって体験しました。
あれから74年。忌まわしい記憶に心を閉ざした戦争体験者の重い口から、後世に伝えようと語り継がれる証言などに触れるたび、人間が人間でなくなる戦争は、二度と起こしてはならないと、決意を新たにするのです。
戦後の廃墟(はいきょ)と混乱を乗り越え、人権と自治を取り戻すべく米軍占領下を生き抜いた私達(たち)ウチナーンチュ。その涙と汗で得たものが、社会を支え希望の世紀を拓(ひら)くたくまいしい営みをつないできました。
現在、沖縄は、県民ならびに多くの関係者の御(ご)尽力により、一歩一歩着実に発展を遂げつつあります。
しかし、沖縄県には、戦後74年が経過してもなお、日本の国土面積の約0・6%に、約70・3%の米軍専用施設が集中しています。広大な米軍基地は、今や沖縄の発展可能性をフリーズさせていると言わざるを得ません。
復帰から47年の間、県民は、絶え間なく続いている米軍基地に起因する事件・事故、騒音等(とう)の環境問題など過重な基地負担による生命の不安を強いられています。今年4月には、在沖海兵隊所属の米海軍兵による悲しく痛ましい事件が発生しました。
県民の願いである米軍基地の整理縮小を図るとともに県民生活に大きな影響を及ぼしている日米地位協定の見直しは、日米両政府が責任を持って対処すべき重要な課題です。
国民の皆様には、米軍基地の問題は、沖縄だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障、人権、環境保護など日本国民全体が自ら当事者であるとの認識を持っていただきたいと願っています。
我が県においては、日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小が問われた1996年の県民投票から23年を経過して、今年2月、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票が実施されました。
その結果、圧倒的多数の県民が辺野古埋め立てに反対していることが、明確に示されました。
それにもかかわらず、県民投票の結果を無視して工事を強行する政府の対応は、民主主義の正当な手続きを経て導き出された民意を尊重せず、なおかつ地方自治をも蔑(ないがし)ろにするものであります。
政府におかれては、沖縄県民の大多数の民意に寄り添い、辺野古が唯一との固定観念にとらわれず、沖縄県との対話による解決を強く要望いたします。
私たちは、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去と、辺野古移設断念を強く求め、県民の皆様、県外、国外の皆様と民主主義の尊厳を大切にする思いを共有し、対話によってこの問題を解決してまいります。
時代が「平成」から「令和」へと移り変わる中、世界に目を向けると、依然として、民族や宗教の対立などから、地域紛争やテロの脅威にさらされている国や地域があります。
貧困、難民、飢餓、地球規模の環境問題など、生命と人間の基本的人権を脅かす多くの課題が存在しています。
他方、朝鮮半島を巡っては、南北の首脳会談や米朝首脳会談による問題解決へのプロセスなど、対話による平和構築の動きもみられます。
真の恒久平和を実現するためには、世界の人々が更に相互理解に努め、一層協力・調和していかなければなりません。
沖縄は、かつてアジアの国々との友好的な交流や交易を謳(うた)う「万国津梁(ばんこくしんりょう)」の精神に基づき、洗練された文化を築いた琉球王国時代の歴史を有しています。
平和を愛する「守禮(しゅれい)の邦(くに)」として、独特の文化とアイデンティティーを連綿と育んできました。
私たちは、先人達から脈々と受け継いだ、人を大切にする琉球文化を礎に、平和を希求する沖縄のチムグクルを世界に発信するとともに、平和の大切さを正しく次世代に伝えていくことで、一層、国際社会とともに恒久平和の実現に貢献する役割を果たしてまいります。
本日、慰霊の日に当たり、国籍や人種の別なく、犠牲になられた全ての御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧げるとともに、全ての人の尊厳を守り誰一人取り残すことのない多様性と寛容性にあふれる平和な社会を実現するため、全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します。
2につづく
朝日新聞
2019年6月23日12時40分
https://www.asahi.com/articles/ASM6R3C6MM6RTIPE00B.html