0001名無しで叶える物語(日本)2020/06/06(土) 10:55:59.36ID:7huEnajK
ダイヤ「いきなりですわね」
果南「だってハンバーグ嫌いなんてめっちゃ珍しいじゃん」
ダイヤ「まあ、わたくし以外に嫌いな人は見たことありませんわね」
果南「だから理由が気になってさ」
ダイヤ「…まあいいでしょう、時間もありますし」
ダイヤ「あれは…わたくしが小学生の頃のことですわ」
ダイヤ「ええ…恋焦がれていたのかもしれませんわね…」
果南「やっぱり…」
ダイヤ「熱々のハンバーグに」
果南「え…そっち?」
ダイヤ「あの程よい触感、ジューシーな肉汁」
ダイヤ「思い出しただけで心が躍りますわ」
果南「やばいなダイヤ」
果南「…でもさ、ここまでの話を聞くとハンバーグ嫌う理由になってないよね」
果南「むしろめっちゃ好きだよね、ハンバーグ」
ダイヤ「ええ、昔のわたくしはめっちゃハンバーグが好きでしたわ」
ダイヤ「ですが…二年生ごろにある事件が起こったのですわ」
果南「事件?」
あの頃、ハンバーグ狩りというものが内浦にて頻繁に起こっていましたわ
道端でハンバーグを食べている者が襲われるという事件でした
もちろん、わたくしの耳にもその情報は入っていたのですが…
ダイヤ「ハンバーグ…ハンバーグ…たまりませんわハンバーグ」モグモグ
ハンバーグジャンキーと化していたわたくしにはハンバーグを抑えることができませんでした
そして、路上ハンバーグをキメていたある日…
ダイヤ「ハンバーグ…ハンバーグ…」モグモグ
「君、今ハンバーグを食べたよね?」
ダイヤ「…?はい、確かに食べましたわ」
「はあ…困るんだよね、私以外の生物がハンバーグを食べるなんて、勿体ない」
とうとうハンバーグ狩りに出くわしてしまったのですわ
ダイヤ「…フルフェイスのヘルメットに黒い服という怪しい恰好…」
ダイヤ「もしかして…あなたがハンバーグ狩りですの?」
ハンバーグ狩り「ハンバーグ狩り?失礼しちゃうなあ」
ハンバーグ狩り「全てのハンバーグはこのよ…私のものなんだよ?」
ハンバーグ狩り「所有物にまとわりつくハエを叩き潰してるだけなのに勝手に私を悪者みたいに」
ハンバーグ狩り「ちゃんちゃらおかしいよね」
ダイヤ「は…話が通じませんわ…逃げ…」
ダァーン
ダイヤ「…は?」
ハンバーグ狩り「あちゃ〜外しちゃったかあ、なかなか慣れないもんだね」タハハ
ダイヤ「じゅ…拳銃…!?」
ハンバーグ狩り「そうだよ、かっこいいでしょ?手に入れるのに苦労したんだよ?」
ダイヤ「あ…ああ…早く逃げないと」
ハンバーグ狩り「今ので大体の感覚はつかめたから次は外さないよ」
ハンバーグ狩り「あいにく様ってやつだね」
ハンバーグ狩り「じゃあね」カチャ
ダイヤ「ッ!」
ダァーーン
ダイヤ「…?」
ハンバーグ狩り「……現れたね」
ハンバーグ狩り「ハンバーグ師匠」
師匠「…」ポタポタ
ダイヤ「師匠!!!」
0029名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/06/06(土) 12:19:58.27ID:hxyKFY6L
師匠……!!
俺だったらボウガンどころか傍観することしかできないわ
0035名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/06/06(土) 13:54:16.42ID:hxyKFY6L
うまい
師匠「危なかったな、嬢ちゃん…」
ダイヤ「わたくしを庇って…」
師匠「なんてこたあねえ…ハンバーグに焦げはつきものさ…」
師匠「さあ、早く逃げな!こいつは俺が引き受ける!!」
ダイヤ「でも、そんなことしたらあなたが…」
師匠「大丈夫だ、俺はハンバーグ」
師匠「切られ焼かれは慣れっこってもんよ!」
師匠「さあ行け!!」
ダイヤ「…すみません!」ダッ
ハンバーグ狩り「そうはさせないよ!」カチャ
師匠「熱々のペレット!!」
ジュウウウウ
ハンバーグ狩り「熱ッ!」バッ
師匠「へっ、レアじゃ腹壊しちまうぜ?」
ハンバーグ狩り「…本当に鬱陶しいねあんた」
師匠「そりゃそうさ、俺はハンバーグ…にくいやつってもんよ」ニヤリ
ハンバーグ狩り「チッ…死ね」カチャ
師匠「ミートアゲイン(また会おう)!!!!」
ダァーンダァーン
ダイヤ「あああああああ!!!」
そして、わたくしは師匠のおかげで無事に逃げることができましたの
そのあと、警察に行って事情を話したのですが
不思議なことに現場には血痕以外何も残っていませんでしたわ
果南「それのせいで…」
ダイヤ「ええ、それ以来ハンバーグを口にしようとすると思い出しまうのです」
ダイヤ「倒れ行く師匠の姿を…」
ダイヤ「ですから、わたくしはハンバーグを食べることをやめたのです」
ダイヤ「あんな辛いことは…思い出したくありませんから…」
果南「ダイヤ…」
ダイヤ「辛気臭くなってしまいましたわね、ごめんなさい」
果南「ううん、こっちこそダイヤに辛いこと話させちゃったね、ごめん」
ダイヤ「いいのですわ、もう2年ほど前の話ですし」
ダイヤ「ですが…叶うならば」
ダイヤ「師匠の冷えたジョークが聞きたい…」
ダイヤ「師匠の作った熱々のハンバーグをもう一度食べたいですわ…」
「ご注文はこちらでよかったかな?お嬢ちゃん?」
0044名無しで叶える物語(茸)2020/06/06(土) 16:25:31.59ID:0sDk0EQz
目からデミグラスソースが
ダイヤ「…え?」
果南「な、なんだよあんた!私たち何も注文してないよ!」
「変だねえ…師匠のハンバーグが食べたいって言わなかったかい?」
果南「!ふざけたことを… ダイヤ「待ってください果南さん」
果南「ダイヤ?」
ダイヤ「なぜでしょう…」
ダイヤ「この方…どこかで会ったような…」
ダイヤ「それにこのハンバーグも…なんだか懐かしい…」
「あー…ハットかぶってなきゃわかんねーか、よっと」パサ
果南「嘘…あんたは…」
「どうした、超ビッグサイズのハンバーグを見るような目で俺を見て」
ダイヤ「あ…ああ…」ポロポロ
師匠「俺だよ俺!ハンバーグだよ!!!」
ダイヤ「師匠!!!生きてたのです!?」
師匠「あたりめえよ、俺はハンバーグに穴が空いたって死ぬわけないさ」
師匠「ま、実のところはこれのおかげだけどよ」スッ
ダイヤ「こ…これは…わたくしが差し上げたダイアモンド・ハンバーグ」
師匠「ああ、嬢ちゃんが作ってくれたのはうれしかったが…」
師匠「ちと硬すぎて食えなかったんだ」
師匠「だからお守り代わりにもってたら…本当に銃弾から守ってくれたんだ、ありがとよ」
果南「す、すごい…そんな奇跡が…」
師匠「さ、嬢ちゃん、冷めないうちに食べちまいなハンバーグ」
ダイヤ「ええ、いただき…ます」パク
ダイヤ「…おいしい…」ポロポロ
師匠「おいおい、泣くなよ、せっかくのハンバーグが濡れちまうぜ」
ダイヤ「こ…これはデミグラスですわ…泣いてなどいません!」
師匠「へへっ、元気になったじゃねえか」
師匠「で、嬢ちゃん、久しぶりのハンバーグ、焼き加減はどうだい?」
ダイヤ「ええ…もちろん…」
師匠「だよな!それでは御唱和ください!」
師匠「そこの青髪の嬢ちゃんも!」
果南「わ、私も!?」
師匠「行くぞ!」
師匠「7!」
ダイヤ「8!」
果南「きゅ…9!」
3人「じゅ〜!」
終わり
終わりです、見ていただいたかたありがとうございました。
それと、今更ですが芸人ネタ入ります。
ちなみに最後にダイヤさんが食べたハンバーグの材料は……
0058名無しで叶える物語(わんこそば)2020/06/06(土) 19:19:40.66ID:1MIPrxPh
いちいち面白い
師匠のギャグは真っ白な湯気が立つアツアツ鉄板やろがい!