果南「ダイヤってさ、なんでハンバーグが嫌いなの?」
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ダイヤ「いきなりですわね」
果南「だってハンバーグ嫌いなんてめっちゃ珍しいじゃん」
ダイヤ「まあ、わたくし以外に嫌いな人は見たことありませんわね」
果南「だから理由が気になってさ」
ダイヤ「…まあいいでしょう、時間もありますし」
ダイヤ「あれは…わたくしが小学生の頃のことですわ」 ダイヤ(小学生)「はあ…もう、いやですわ…」トボトボ
ダイヤ「こんなにつらいならもういっそのこと…」
あの頃のわたくしは日々の稽古が辛くて暗い日々を過ごしていました
いっそのこと死んでしまおうとまで思っていましたわ
しかし…
「この町も変わらねえなあ…」
ダイヤ「…?」 「どうした、焦げたハンバーグみたいな顔して俺を見やがって…」
「俺だよ俺、ハンバーグだよ!!」
そんなとき、わたくしはハンバーグ師匠に出会ったのですわ! 果南「ハンバーグ師匠!?あの熱々の鉄板ジョークを言う!?」
ダイヤ「ええ、あの熱々の鉄板ジョークを言うハンバーグ師匠ですわ」
果南「すごいじゃん!なんで私にも教えてくれなかったの!?」
ダイヤ「いや、確かにすごいといえばすごいですが…」
ダイヤ「言いふらすほどすごくはないかな…と」
果南「…確かによく考えれば言いふらすほどでもないかな…」
ダイヤ「…では、話を続けますわ」 ダイヤ「えぇ…」ボーゼン
師匠「熱々の鉄板ジョーク!!」
師匠「そこでしょげてるお嬢ちゃん!どうしてそんなにしょぼくれてるんだい?」
ダイヤ「わ、わたくし!?え、えーっと…ちょっと稽古が辛くて…」
師匠「なんだそんなの些細な悩みじゃないか!俺に出会えたことに比べれば!!」
師匠「ほら!ハンバーグもいってるよ…素敵なミートにありがとう、ってな」
ダイヤ「…」
師匠「ハンバアアアアアアアアアアアアグ!!!!」
ダイヤ「…ハハッ」 ダイヤ「まあ、正直なところ、彼の鉄板ジョークは冷えた鉄板みたいなものでしたわ」
ダイヤ「ですが、彼がジョークを言い終わった後にくれたハンバーグ…あれは本当においしかった」
ダイヤ「私の白黒だった世界は…まるでサイドサラダのように色を取り戻したのですわ」
果南「へえ、ハンバーグ師匠もといハンバーグのおかげで立ち直れたんだね」
ダイヤ「ええ、その時だけでなく、わたくしがルビィと喧嘩してしまったとき」
ダイヤ「うまくいかなかったとき、一年生の頃にAqoursが解散してしまったとき」
ダイヤ「彼は決まってわたくしが悲しんでいるときにあらわれて…」
ダイヤ「冷えたジョークと熱いハンバーグを置いて行ってくれたのですわ」
ダイヤ「私にとって師匠はメシアでしたわ」
果南「…ダイヤ、あんたまさか…」 ダイヤ「ええ…恋焦がれていたのかもしれませんわね…」
果南「やっぱり…」
ダイヤ「熱々のハンバーグに」
果南「え…そっち?」
ダイヤ「あの程よい触感、ジューシーな肉汁」
ダイヤ「思い出しただけで心が躍りますわ」
果南「やばいなダイヤ」 果南「…でもさ、ここまでの話を聞くとハンバーグ嫌う理由になってないよね」
果南「むしろめっちゃ好きだよね、ハンバーグ」
ダイヤ「ええ、昔のわたくしはめっちゃハンバーグが好きでしたわ」
ダイヤ「ですが…二年生ごろにある事件が起こったのですわ」
果南「事件?」 あの頃、ハンバーグ狩りというものが内浦にて頻繁に起こっていましたわ
道端でハンバーグを食べている者が襲われるという事件でした
もちろん、わたくしの耳にもその情報は入っていたのですが…
ダイヤ「ハンバーグ…ハンバーグ…たまりませんわハンバーグ」モグモグ
ハンバーグジャンキーと化していたわたくしにはハンバーグを抑えることができませんでした そして、路上ハンバーグをキメていたある日…
ダイヤ「ハンバーグ…ハンバーグ…」モグモグ
「君、今ハンバーグを食べたよね?」
ダイヤ「…?はい、確かに食べましたわ」
「はあ…困るんだよね、私以外の生物がハンバーグを食べるなんて、勿体ない」
とうとうハンバーグ狩りに出くわしてしまったのですわ ダイヤ「…フルフェイスのヘルメットに黒い服という怪しい恰好…」
ダイヤ「もしかして…あなたがハンバーグ狩りですの?」
ハンバーグ狩り「ハンバーグ狩り?失礼しちゃうなあ」
ハンバーグ狩り「全てのハンバーグはこのよ…私のものなんだよ?」
ハンバーグ狩り「所有物にまとわりつくハエを叩き潰してるだけなのに勝手に私を悪者みたいに」
ハンバーグ狩り「ちゃんちゃらおかしいよね」
ダイヤ「は…話が通じませんわ…逃げ…」
ダァーン
ダイヤ「…は?」
ハンバーグ狩り「あちゃ〜外しちゃったかあ、なかなか慣れないもんだね」タハハ ダイヤ「じゅ…拳銃…!?」
ハンバーグ狩り「そうだよ、かっこいいでしょ?手に入れるのに苦労したんだよ?」
ダイヤ「あ…ああ…早く逃げないと」
ハンバーグ狩り「今ので大体の感覚はつかめたから次は外さないよ」
ハンバーグ狩り「あいにく様ってやつだね」
ハンバーグ狩り「じゃあね」カチャ
ダイヤ「ッ!」
ダァーーン ダイヤ「…?」
ハンバーグ狩り「……現れたね」
ハンバーグ狩り「ハンバーグ師匠」
師匠「…」ポタポタ
ダイヤ「師匠!!!」 俺だったらボウガンどころか傍観することしかできないわ 師匠「危なかったな、嬢ちゃん…」
ダイヤ「わたくしを庇って…」
師匠「なんてこたあねえ…ハンバーグに焦げはつきものさ…」
師匠「さあ、早く逃げな!こいつは俺が引き受ける!!」
ダイヤ「でも、そんなことしたらあなたが…」
師匠「大丈夫だ、俺はハンバーグ」
師匠「切られ焼かれは慣れっこってもんよ!」
師匠「さあ行け!!」
ダイヤ「…すみません!」ダッ ハンバーグ狩り「そうはさせないよ!」カチャ
師匠「熱々のペレット!!」
ジュウウウウ
ハンバーグ狩り「熱ッ!」バッ
師匠「へっ、レアじゃ腹壊しちまうぜ?」
ハンバーグ狩り「…本当に鬱陶しいねあんた」
師匠「そりゃそうさ、俺はハンバーグ…にくいやつってもんよ」ニヤリ
ハンバーグ狩り「チッ…死ね」カチャ
師匠「ミートアゲイン(また会おう)!!!!」
ダァーンダァーン
ダイヤ「あああああああ!!!」 そして、わたくしは師匠のおかげで無事に逃げることができましたの
そのあと、警察に行って事情を話したのですが
不思議なことに現場には血痕以外何も残っていませんでしたわ 果南「それのせいで…」
ダイヤ「ええ、それ以来ハンバーグを口にしようとすると思い出しまうのです」
ダイヤ「倒れ行く師匠の姿を…」
ダイヤ「ですから、わたくしはハンバーグを食べることをやめたのです」
ダイヤ「あんな辛いことは…思い出したくありませんから…」
果南「ダイヤ…」 ダイヤ「辛気臭くなってしまいましたわね、ごめんなさい」
果南「ううん、こっちこそダイヤに辛いこと話させちゃったね、ごめん」
ダイヤ「いいのですわ、もう2年ほど前の話ですし」
ダイヤ「ですが…叶うならば」
ダイヤ「師匠の冷えたジョークが聞きたい…」
ダイヤ「師匠の作った熱々のハンバーグをもう一度食べたいですわ…」
「ご注文はこちらでよかったかな?お嬢ちゃん?」 ダイヤ「…え?」
果南「な、なんだよあんた!私たち何も注文してないよ!」
「変だねえ…師匠のハンバーグが食べたいって言わなかったかい?」
果南「!ふざけたことを… ダイヤ「待ってください果南さん」
果南「ダイヤ?」
ダイヤ「なぜでしょう…」
ダイヤ「この方…どこかで会ったような…」
ダイヤ「それにこのハンバーグも…なんだか懐かしい…」 「あー…ハットかぶってなきゃわかんねーか、よっと」パサ
果南「嘘…あんたは…」
「どうした、超ビッグサイズのハンバーグを見るような目で俺を見て」
ダイヤ「あ…ああ…」ポロポロ
師匠「俺だよ俺!ハンバーグだよ!!!」 ダイヤ「師匠!!!生きてたのです!?」
師匠「あたりめえよ、俺はハンバーグに穴が空いたって死ぬわけないさ」
師匠「ま、実のところはこれのおかげだけどよ」スッ
ダイヤ「こ…これは…わたくしが差し上げたダイアモンド・ハンバーグ」
師匠「ああ、嬢ちゃんが作ってくれたのはうれしかったが…」
師匠「ちと硬すぎて食えなかったんだ」
師匠「だからお守り代わりにもってたら…本当に銃弾から守ってくれたんだ、ありがとよ」
果南「す、すごい…そんな奇跡が…」 師匠「さ、嬢ちゃん、冷めないうちに食べちまいなハンバーグ」
ダイヤ「ええ、いただき…ます」パク
ダイヤ「…おいしい…」ポロポロ
師匠「おいおい、泣くなよ、せっかくのハンバーグが濡れちまうぜ」
ダイヤ「こ…これはデミグラスですわ…泣いてなどいません!」
師匠「へへっ、元気になったじゃねえか」 師匠「で、嬢ちゃん、久しぶりのハンバーグ、焼き加減はどうだい?」
ダイヤ「ええ…もちろん…」
師匠「だよな!それでは御唱和ください!」
師匠「そこの青髪の嬢ちゃんも!」
果南「わ、私も!?」
師匠「行くぞ!」
師匠「7!」
ダイヤ「8!」
果南「きゅ…9!」
3人「じゅ〜!」
終わり 終わりです、見ていただいたかたありがとうございました。
それと、今更ですが芸人ネタ入ります。 ちなみに最後にダイヤさんが食べたハンバーグの材料は…… 師匠のギャグは真っ白な湯気が立つアツアツ鉄板やろがい! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています