0001名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:19:31.10ID:Vmkk0YFs
2期5話中盤から
0002名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:19:58.42ID:Vmkk0YFs
梨子(何よ、泣き止んですぐに立ち直るなんて)
梨子(善子ちゃんの想いはその程度だったってことね)
善子「ほら、行くわよ」
梨子「うん……」
0003名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:20:25.20ID:Vmkk0YFs
―――
―
梨子(小さい頃から犬が苦手だった)
梨子(人間のものとは違う鋭い犬歯、獰猛な鳴き声、荒い吐息)
梨子(そのひとつひとつが、幼い私の恐怖心を煽った)
梨子(彼らの本心を探ろうともせず、ただ怖くて)
梨子(逃げてばかりだった)
梨子(それなのに)
梨子「……ただいま」
桜内母「お帰り、飼い主さん喜んでた?」
梨子「うん」
桜内母「よかったわね」
梨子「うん……」
桜内母「……じゃあ、ご飯にしようか」
梨子(どうして私、こんなに落ち込んでるんだろう)
0004名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:21:02.96ID:Vmkk0YFs
―――
―
ザー…
果南「今日の練習はここまでにしようか」
ダイヤ「最近雨が続いてますし、無理して続けない方がよさそうですわね」
千歌「ふぇー、つっかれたぁ」
曜「梨子ちゃん、また振り付けズレてたよ」
梨子「え?」
曜「ほら、この動画見て」
梨子「あー……ホントだ、ごめんね」
曜「ううん、気にしなくていいんだけど」
曜「――大丈夫? どっか調子わるい?」
梨子「……そんなことないよ」
曜「今日ずっとボーっとしてたみたいだったから」
千歌「言われてみれば、確かに今日の梨子ちゃん変だったかも」
梨子「千歌ちゃんまで……本当に大丈夫だよ」
曜「梨子ちゃんがそういうなら、いいんだけど……」
善子「……」
0005名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:21:30.13ID:Vmkk0YFs
―――
―
善子「ちょっと」
梨子「……へ?」
善子「来て」
梨子「どこに?」
善子「いいから」グイッ
梨子「わわっ!」
善子「……」ツカツカ
梨子「ちょ、善子ちゃん……もう閉まっちゃうよ?」テクテク
善子「どうでもいいわよ」
梨子「えぇ……施設の人に迷惑が……」
梨子(喧騒が遠ざかる)
梨子(私たちは、誰もいない……静かな場所へと向かっていった)
梨子(二人っきりになれる場所へ)
0006名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:21:59.70ID:Vmkk0YFs
善子「……」クルッ
善子「貴方、まだ昨日のこと気にしてるの?」
梨子「昨日の……」
善子「ライラプスのことは忘れなさい。あの犬はあの家の子なんだから」
梨子「ムッ……ノクターン!」
梨子「っていうか善子ちゃん、何も無かったみたいな様子だけど」
善子「なによ」
梨子「悲しくないの?」
善子「フン、堕天使がこの程度のことで悲しむと思って?」
梨子「いやいや……昨日善子ちゃん、みっともなく泣いてたじゃない」
善子「うっ、うるさいわね! 泣きもせずにいつまでも引きずる貴方よりマシよ!」
梨子「なっ……どうせ私は面倒な女ですよ」
善子「そんな言い方っ……してないじゃない」
0007名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:22:26.28ID:Vmkk0YFs
梨子「善子ちゃんは強いね」
善子「は?」
梨子「あんなに仲良かった子と、あんな別れ方して……それなのにすぐ立ち直れるんだもん」
梨子「私には、そんなことできないよ」
善子「強くなんてない」
善子「この程度の"不幸"には、慣れてんのよ」
梨子「慣れてる?」
善子「そう、私は不幸にも天から堕ちた堕天使。人間風情と一緒にしないで頂戴」
梨子「……」ジー
善子「……なんか言いなさいよ」
梨子「いや、続けて?」
善子「なによ、調子狂うわね」
善子「とにかく。あの犬のことはもう忘れて、いつもの梨子に戻りなさい」
0008名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:22:57.01ID:Vmkk0YFs
―――
―
桜内家
梨子「……」ボー
梨子(このおもちゃで……楽しそうに遊んでたっけ)
梨子「ノクターン……」グスッ
桜内母「梨子ー、善子ちゃん来てるわよ?」
梨子「へ?」
ガチャッ
善子「……何してるのよ」
梨子「何って?」
善子「それ、ライラプスに買ったものでしょう」
梨子「……うん」
善子「そんなに未練があるなら、いっそ取り返しにいけば?」
梨子「はい?」
善子「今日の練習も身が入ってなかったし。いつまでもそんなんじゃ困るの」
梨子「別に、善子ちゃんには関係……」
善子「大アリよ。おなじAqoursのメンバーだし、ユニットだって同じだし」
梨子「それはそうだけど……でも、だからって他所のペットを盗んでいい理由にはならないわ」
0009名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:23:23.95ID:Vmkk0YFs
善子「あの子が梨子を選んだら?」
梨子「え?」
善子「仮にあの子が梨子を飼い主と認めれば、貴方が飼い主なのよ」
梨子「そんなわけないでしょ!」
善子「契約とはそういうものよ。クックックッ、そうと決まれば早速あの家に……」
梨子「行かない! それ犯罪だから!」
善子「なら、貴方はこのままでもいいっていうの?」
梨子「うっ……よくはない……けど、仕方ないでしょう。あの子はあの家の子なんだから」
善子「私はイヤよ。でも、あの子のためを思って振り切ったの。そうするべきだと思ったから」
善子「でも貴方は? いつまでも煮え切らない態度で周りを困らせて。そんなんだったら、たとえ認められない行為でも……」
0011名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:24:15.03ID:Vmkk0YFs
梨子「ふざけないで」
善子「……!」
梨子「私にあの子を押し付けといて、自分が一番あの子を好きだったみたいに言わないでよっ!」
梨子「私だって……でも、仕方ないじゃない。今更どうしようもない事なんだから……」
善子「気に入らない」
梨子「は?」
善子「気に入らないのよ。貴方の諦め癖」
梨子「……」
善子「……話は終わり。帰るわ」
0012名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:24:42.00ID:Vmkk0YFs
―――
―
桜内母「スー…スー…」
梨子「……よし」
梨子(ごめんなさい、お母さん)
ガチャッ
0013名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:25:09.08ID:Vmkk0YFs
―――
―
梨子(自転車でいけば30分くらいかな)
梨子(一目見るだけよ……それだけなんだから)
梨子「ハァ…ハァ……着いた」
梨子(明かりは……消えてるか)
梨子(って、そんなの当たり前よね)
梨子(家の近くまでくれば、もしかしたら会えるかも……なんて思ってたけど)
梨子(考えてみれば、この時間は犬だって寝てるに違いない)
梨子「はぁ……帰ろ」
0014名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:25:37.07ID:Vmkk0YFs
グイッ
梨子「キャッ! モゴ……ン〜〜〜!!」
善子「静かにして!」コソコソ
梨子「……!」
梨子「プハッ……善子ちゃん、どうしてここに?」
善子「こっちのセリフよ。どうして貴方がいるの?」
梨子「私は……その」
善子「フッ、言わずともわかるわ。貴方もライラプスを取り返しに来たのでしょう」
梨子「……違うもん。あとノクターン」
チリンチリン…
警官「君たち、そこで何してる!」
梨子「やば!」
善子「逃げるわよ梨子!」
梨子「ふぇ!?」
善子「早くっ!」
梨子「ちょ、待って〜!!」
警官「こらー! 止まれー!!」
0015名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:26:03.86ID:Vmkk0YFs
―――
―
よしりこ「ハァ…ハァ……」
善子「なんとか……撒いたわね」
梨子「う、うん……」
善子「クッ……プククッ……」
梨子「もう、笑い事じゃないって」
善子「はぁ……楽しかった」
梨子「怖かったよぉ」
善子「スリル満点ね。こんなに楽しいのはライブでもそうそう味わえないわ」
梨子「悪趣味……」
善子「あら、貴方がそんなこと言えるの?」
梨子「クスクス……」
梨子「あんこちゃん、元気にしてるといいな」
善子「――っ」
梨子「帰ろっか」
善子「……そうね」
0016名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:26:30.25ID:Vmkk0YFs
―――
―
翌日
千歌「ねえねえよーちゃん」
曜「うん?」
千歌「道端にこんなのが貼られてたんだけど」
曜「なになに……"迷い犬探しています"?」
梨子「おはよー。2人とも何見てるの?」
千歌「あ、梨子ちゃん! これだよ、迷子の子犬さん!」
梨子「それ……まだ剥がされてなかったんだ」
曜「え?」
梨子「善子ちゃんがその子を見つけて、飼い主さんの所に帰してあげたのよ」
千歌「なーんだ、それなら安心だね」
梨子(……あれ? でも、私と善子ちゃんも剥がすの手伝ったはずなんだけどなぁ)
0017名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:26:56.69ID:Vmkk0YFs
バタバタバタ…
善子「梨子っ!」
梨子「ふぇ?」
善子「ハァ…ハァ……これ」
梨子「善子ちゃんも、あんこちゃんの張り紙見つけたんだ。きっと剥がし忘れてたのね」
善子「ううん、違う」
善子「また貼られてたのよ……剥がしたはずの場所に」
梨子「……え?」
0018名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:27:23.58ID:Vmkk0YFs
―――
―
ピンポーン
『……はい』
梨子「あ、えっと……」
善子「以前お会いした津島です」
『ああ、あの時の……ちょっと待っててね』
ガチャッ
母「いらっしゃい」
梨子(なんか……疲れてる?)
善子「こちらの張り紙の件なんですけど」
母「……貴方たちには説明しないといけないわよね」
母「どうぞ、上がって」
0019名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:27:49.99ID:Vmkk0YFs
―――
―
娘「ひっぐ……えっぐ……あんこぉ……」
梨子(あんこちゃんは……見当たらないか)
母「どうぞ座って」
善子「失礼します」
母「説明って言っても、簡単な話なんだけど。……また逃がしちゃったのよ」
梨子「へ?」
善子「ライ……あんこちゃんをですか?」
母「あんこは小さい頃からヤンチャな性格で。少し目を離すと、すぐにどこかに走って行っちゃうような犬なのよ」
母「だから娘には、リードを離さないようにって強く言ってたんだけど……」
娘「うぇぇ……ごめんなさい」
0020名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:28:24.29ID:Vmkk0YFs
梨子「リード、離しちゃったんですか?」
母「ううん、違うの。この子の癖みたいなもので……やめなさいって言ってるのに、いつもリードをその辺に引っ掛けちゃうのよ。柵のドアノブとかね」
梨子「ああ……」
善子「それで、逃がしてしまったんですか」
母「ええ。せっかく見つけてくれたのに、本当にごめんなさい」
梨子「いえ、私たちはそんな……」
母「昨日の夜ずっと探してたんだけど、結局見つからなくて」
母「はぁ……どこに行っちゃったのかしら」
0021名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:28:53.44ID:Vmkk0YFs
―――
―
善子「……探すわよ」
梨子「え?」
善子「決まってるでしょ、ライラプス!」
梨子「探すって、一体どこを?」
善子「しらみつぶしに探すの!」
梨子「日が暮れちゃうよ……」スッ
善子「スマホ?」
梨子「2人で探すより、9人で探したほうが見つかりやすいでしょ?」
0022名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:29:20.94ID:Vmkk0YFs
―――
―
千歌「2回もいなくなっちゃうなんて、仕方ない子だなぁ」
曜「遊びに行きたい気持ちは分かるけどね」
ダイヤ「言っている場合ではありませんわよ」
ルビィ「お腹空いてるだろうなぁ」
花丸「マルが見つけたらのっぽパンあげるずら」
果南「犬ってパンとか食べるの?」
鞠莉「小原家を総動員すれば一網打尽デース!」
梨子「みんな……来てくれてありがとう」
善子「ふん、ヨハネの力さえあれば犬一匹など簡単に……」
善子「……でも、ありがと」
千歌「フフッ♪ じゃあ、みんなであんこちゃんを探そう! おー!」
0023名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:29:47.48ID:Vmkk0YFs
―――
―
1時間後
ザー…ザー…
梨子(こんな時に限って雨降ってくるなんて。みんなに悪い事しちゃったなあ)
梨子(傘さして走るの、結構難しい)
梨子(……あれ?)
パシャパシャッ
梨子「――善子ちゃんっ」
善子「梨子……ヨハネよ」
0024名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:30:13.78ID:Vmkk0YFs
梨子「見つかった? ……って、そんな雰囲気じゃないか」
善子「ハァ…ハァ…」
梨子「それ、お気に入りのパーカーじゃなかったの?」
善子「堕天使の力をもってすれば、染み込んだ雨粒を吹き飛ばすことなど容易……クックック」
梨子「はいはい……風邪引いちゃうから、傘入って?」
善子「いらない」
梨子「善子ちゃん……?」
善子「あの子は、この雨の中震えてるかもしれないんだから」
梨子「――っ」
善子「最初見つけた時もそうだった。雨が強い中、屋根も無い場所で小さくなってて」
善子「そんなライラプスを助けてあげたのは、私なの……!」
0025名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:30:40.60ID:Vmkk0YFs
善子「きっと今回だって、私の助けを望んでる……そんな気がするの! だからっ――」
梨子「善子ちゃんっ!」
梨子「……落ち着いて? 風邪引いちゃったら、元も子もないでしょう」
善子「堕天使は風邪なんて引かないわ」
梨子「……中の貴方は大丈夫でも、借りているその体は人間なの。もっと大切にしてあげて」
善子「え――?」
梨子(こんな感じ……だよね)
善子「フフッ……クククッ……貴方がそういうのなら致し方ない。この仮初の体を休めましょう」
梨子「はぁ……じゃあ、あそこのコンビニで」
0026名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:31:08.70ID:Vmkk0YFs
―――
―
善子「……」ブルブル
梨子「はい、ホッカイロとカッパ買ってきたわ」
善子「なんでカッパ?」
梨子「見た目よりずっと保温性が高いのよ」
善子「……ありがと」
梨子「ふー……あんこちゃん、見つかるかな」
善子「ライラプスよ」
梨子「はいはい……」
善子「見つかるわよ、きっと」
梨子「どうしてそんなことが言えるの?」
善子「フフッ……あの子と私は、運命(ディスティニー)で繋がっているのよ」
梨子「ディスティニーって……」
0027名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:31:35.58ID:Vmkk0YFs
善子「……堕天使って、いると思う?」
梨子「え?」
善子「私さ、小さい頃からすっごい運が悪かったの」
善子「外に出ればいつも雨に降られるし、転ぶし、なにしても自分だけうまくいかないし」
善子「それで、思ったの」
善子「きっと私が特別だから、見えない力が働いてるんだって」
梨子「それで……堕天使?」
善子「勿論、堕天使なんているはずないって、それはもうなんとなく感じてる。クラスでは言わないようにしてるし」
善子「……でもさ」
善子「本当に、そういうの全くないのかなって」
善子「運命とか、見えない力とか」
0028名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:32:03.05ID:Vmkk0YFs
善子「――そんな時、出会ったの」
善子「何か見えない力で引き寄せられるようだった」
善子「これは絶対偶然じゃなくて、何かに導かれてるんだって……そう思った」
善子「不思議な力が……働いたんだって」
梨子「……」
善子「……もう出ましょう。ライラプスを探さなきゃ」
0029名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:32:38.02ID:Vmkk0YFs
―――
―
善子「……」キョロキョロ
梨子「いまの所、誰からも連絡来てないし。町から出ちゃったのかな」
善子「ううん、いるわ」
梨子「それも運命?」
善子「……知らない場所に行くとは思えないの」
梨子「ああ……」
チュンチュン
梨子「雨、止んだね」
0030名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:33:08.87ID:Vmkk0YFs
クウーン…
梨子「――え?」
善子「今の、聞こえた?」
梨子「まさか……あんこちゃ――」
善子「シッ……静かにして」
クゥーン…クゥーン……
梨子(きっと傍にいる……でも、どこかに隠れてるみたいで、正確な位置まではわからない)
梨子(でも放っておけば、またどっかに行っちゃうかもだし……どうしよう)
善子「……」スッ
梨子「……善子ちゃん?」
梨子(額に指を当てて……堕天使のポーズ?)
0031名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:34:27.51ID:Vmkk0YFs
善子「お願い、ライラプス」
善子「私の所に来て……!」
梨子「――っ」
――本当に、そういうの無いのかなって。
――運命とか、見えない力とか。
梨子(善子ちゃん……)
善子「ウーン……ウーン……!」
――これは絶対偶然じゃなくて、何かに導かれてるんだって……そう思った。
――不思議な力が……働いたんだって。
あんこ「くぅーん……」スタスタ
梨子「あんこちゃん……!?」
善子「ライラプスっ……!」
あんこ「わんっ」
よしりこ「……っ!」
善子「ライラプスぅ! 信じてたわ! 流石ヨハネと上級契約を交わした……グスッ」
梨子(見えない力……か)
0032名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:35:01.25ID:Vmkk0YFs
―――
―
母「本当にありがとうございました……!」
娘「あんこ、ごめんね……ごめんね……!」グスッ
梨子「いえ、見つかってよかったです」
善子「……」
梨子「では、私たちはこれで……」
あんこ「わんっ」パタパタ
善子「……え?」
あんこ「くぅーん」スリスリ
善子「ライラプス……」
娘「きっとお礼言ってるんだよ。お姉さんに……『ありがとう』って」
善子「……そっか」
善子「じゃあね、あんこ」ナデナデ
梨子「……クスッ」
スッ
善子「……貴方」
梨子「元気にね、あんこちゃん」ナデナデ
0033名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:35:28.19ID:Vmkk0YFs
―――
―
梨子「"みんな手伝ってくれてありがとう"……これで一件落着ね」
善子「……まあ、偶然よね」
梨子「え?」
善子「分かってるのよ。きっと今回限りの出来事で、ただの偶然だって」
善子「明日から、元通りの不幸な堕天使に――」
0034名無しで叶える物語(りんご)2018/03/02(金) 14:35:58.05ID:Vmkk0YFs
梨子「見えない力は、あると思う」
善子「……梨子?」
梨子「善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも」
善子「……そうかな」
梨子「うん。信じている限り……きっとその力は働いてると思うよ」
善子「……」ニコッ
善子「流石私のリトルデーモン。ヨハネの名において、上級リトルデーモンに認定してあげるっ♪」
梨子「ありがと、ヨハネちゃん」フフッ
善子「善子! ……あれ?」
梨子「フフッ♪」
0038名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/03/02(金) 15:18:36.16ID:wUVJ5axQ
よしりこなんだよなぁ
0041名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)2018/03/02(金) 16:30:07.06ID:V/nMCPqM
乙やで
0042名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/03/02(金) 16:53:53.77ID:v3VLyV0F
おおー好き!おつかれ!
`¶cリ˘ヮ˚)| 風の音が大きすぎて寝られないじゃないの!
0047名無しで叶える物語(湖北省)2018/03/03(土) 00:04:55.64ID:VYgjZGb9
ヨハリリ
0048名無しで叶える物語(もんじゃ)2018/03/03(土) 02:38:51.16ID:kK+kWjoe
いけるじゃないですか