〜黒澤家〜
ルビィ「ふんふふーん♪」
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「あ、おねえちゃん!どうしたの?」
ダイヤ「猫のお世話はきちんと出来ていますか?」
ルビィ「うん!毎日ごはんあげたり遊んであげたして、おかげでルビィもお寝坊しなくなったんだ!」
ダイヤ「そう、それはよかったですわね」フフ
ルビィ「えへへ〜、今度の日曜日にね、スフィンクスちゃんにお城を作ってあげることになったの!」
ダイヤ「お城…ですか」
ルビィ「あ、キャットタワーのことだよ!はいこれ!」スマホ
ダイヤ「ふむ…」
ルビィ「スフィンクスちゃんが喜ぶもの、作れるといいな〜」
ダイヤ「なるほど…ルビィ、ちょっと」
ルビィ「ん、なあにおねえちゃん?」
〜日曜日〜
善子「堕天使ヨハネ、ここに降臨!」ガララッ
花丸爺「やあ、おはよう善子ちゃん」
善子「あ、おはようございます」ペコリ
花丸爺「みんなならもう、納屋で道具の準備をしてるよ」カキカキ
善子「ありがとうございます」
善子(ん?みんな…?)
花丸「あ、善子ちゃんきたよ」
ルビィ「おはよう、善子ちゃん!」
善子「ヨハネよっ!…早速準備に励んでいるようね、リトルデーモン」
ダイヤ「くだらないこと言っていないで、早くあなたも手伝いなさい」
善子「げぇっ!?だ、ダイヤ!?」
ダイヤ「人の顔を見て『げぇっ!?』とはなんですか、失礼な」
善子「な、なんであなたがここに…」
ルビィ「ルビィが今日のこと話したらね、おねえちゃんも是非手伝いたいって」
花丸「ダイヤさんなら頼りになるし、人数が多いに越したことはないずら」
ダイヤ「ということで、今日はよろしくお願いします」
善子「うぅ…はいぃ…」
ルビィ「そういえばおねえちゃん、まだスフィンクスちゃんのこと見てなかったよね?」
ダイヤ「そうですわね、折角ですから一度お目にかかりたいですわ」
善子「そう!?それなら今すぐ…」
花丸(あ、元気になった)
ダイヤ「準備が終わったあと、にしましょうね?」
善子「アッ、ソウデスネ…」
花丸(またしぼんだずら)
花丸「この部屋ずら」ガララッ
スフィンクス「ンニャー」トテトテ
善子「おー我がリトルデーモン・スフィンクスよ」ナデナデ
ダイヤ「へぇー、これが…」
スフィンクス「!」ビクッ
スフィンクス「フシャアアアアア!!!」シュタッ
よしまルビィ「「「!?」」」
ダイヤ「んなっ…」
ルビィ「す、スフィンクスちゃんが…」
花丸「ダイヤさんに威嚇してるずら…!」
善子「や、やめなさい!!!」ヒョイ
スフィンクス「ヴヴヴヴヴヴ…」
花丸「今まで誰にも威嚇したことなかったのに…」
善子(コラー!余計なこと言うんじゃないわよー!!!)
ルビィ「お、おねえちゃん…」オロオロ
ダイヤ「…」プルプル
花丸「ダイヤさん、大丈夫?」
ダイヤ「ええ、大丈夫です…それでは行きましょうか…」ズーン
ダイヤ「…」ユラァ〜
花丸「ずらぁ…」
ルビィ「どうしよぉ…」
善子「スフィンクス!なんてことするのよ!」
スフィンクス「…」プイ
善子(うぅ、今日一日どう過ごせばいいのよ…)
〜竹林〜
花丸爺「さて、全員揃ったところでそろそろ始めるぞ」
全員「「「「はーい」」」」
ダイヤ「本日は、何卒よろしくお願いしますわ」ペコリ
花丸爺「ほほほ、なにもそんなに畏まらんでもよいぞ」
ルビィ(おねえちゃん、持ち直したみたいでよかったぁ)
花丸(流石は網元の長女ずら)
善子(平然としているのが逆に恐いわ…)
花丸爺「今日はこれを基に作業してもらおうかの」ペラ
ダイヤ「これは…設計図でしょうか」
花丸爺「そうじゃ」
善子「あ、さっきこれを書いていたんですね」
花丸爺「まずは材料になる竹を切り倒すぞ」
・・・
花丸爺「ふむ、この竹で良いじゃろう…みんな、危ないからこっち側に立っていなさい」
全員「「「「はーい」」」」
花丸爺「…」ギコギコ
ルビィ「すごーい、おじいちゃんはやい!」
ダイヤ「とても手際がよいのですね」
花丸「いつもやってるからね」
善子「一刀両断…かっこいい!」
花丸「一刀ではないずら」
花丸爺「そろそろ倒れるぞー」ギコギコ
ビュオオオオオオ
竹「あーらよっと」グラッ
善子「ん...ってのわあああああ!!!!!」サッ
バターン
花丸爺「だ、大丈夫か善子ちゃん!?」
ダイヤ「なんとまあ...」
花丸「竹がピンポイントに善子ちゃんの居た位置に倒れたずら...」
ルビィ「こわいよぉ...」
善子「これもまた...我が運命(さだめ)...」ブルブル
花丸(震えながらも悟ってるずら)
花丸爺「それではこの材料を、設計図通りの大きさに切り分ける作業にはいるぞ」
花丸爺「二人一組になって作業を進めるんじゃ」
善子「それじゃあ...」
花丸「一緒にやろうか、ルビィちゃん」
ルビィ「うん♪」
善子「え”っ!?、ってことは...」チラッ
ダイヤ「よろしくお願いしますわ、善子さん」
善子(な、なんでよ...)ヘナヘナ
花丸(善子ちゃんには少しダイヤさん耐性をつけさせた方がいいずら)
ルビィ(おねえちゃん、善子ちゃんと仲良くなれるといいなぁ)
・・・
ルビィ「すごいよ花丸ちゃん!すいすい切れてる!」
花丸「えへへ、昨日読んだ大工の本にコツが書いてあったんだ」ギコギコ
花丸爺「ふむ、こっちは問題なさそうじゃな」ギコギコ
花丸爺「それに比べてあっちは...」チラッ
ダイヤ「全然切れてませんわよ、善子さん!それに曲がっていますわ!」
善子「う、うっさいわね!わかってるわよ!」ギコギコ
ダイヤ「しっかり見ないとまっすぐ切れませんわよ?もっと集中なさい!」
花丸爺「なかなか大変そうじゃな」ハハハ
ダイヤ「やっと一つ切り終わりましたわね」
善子「なんかどっと疲れたわ...次は...痛っ!」チクリ
ダイヤ「どうしたんですの!?」
善子「ああ、木のトゲが指に刺さっちゃったみたい」
ダイヤ「あなたって人はつくづく...って、血が出てるじゃありませんか!?」
善子「こ、このくらい平気よ」
ダイヤ「そういうわけにはいきませんわ、ちょっと来なさい」グイッ
善子「えっ、ちょっとぉ!?」
ジャー キュッ
善子「別に、ここまでしなくてもよかったのに」
ダイヤ「仮にもスクールアイドルの手、傷跡が残ったりでもしたら大変ですわ」フキフキ
善子「...」
ダイヤ「これでよし、と」絆創膏ペタリ
善子「...ダイヤ」
ダイヤ「なんですか?」
善子「そ、その...ありがと...///」
ダイヤ「フフ...どういたしまして」ニコッ
ダイヤ「それでは作業に戻りますわよ、早くしないと日が暮れてしまいますわ」スタスタ
善子「あっ!ちょっと待ってよぉ!」ダダッ
・・・
花丸爺「...よし、これで完成じゃ」
ルビィ「わーい!」キャッキャッ
ダイヤ「皆さん、お疲れさまでした」
善子「クク...これで我がリトルデーモン・スフィンクスにも一つ箔がつくわね...」
花丸「まる、もうお腹ぺこぺこずらぁ〜」
花丸爺「さ、これをみんなで運んでしまおう」
全員「「「「はーい!」」」」
〜国木田家〜
花丸爺「これでよしっと、設置完了じゃ」
善子「さあ、あなたの城よ、スフィンクス」
スフィンクス「...」クンクン
ルビ丸「「...ゴクリ」」
スフィンクス「...」ウロウロ
シュタッ
三人「「「登った!!!」」」
ルビィ「スフィンクスちゃん、気に入ってくれたんだね!よかったぁ」
善子「誇らしいわよ!我がしもべ!」ホクホク
スフィンクス「ニャオーン」ドヤッ
花丸「主人の変なところが移ってるずらぁ〜」アハハ
花丸爺「ほっほっほ、よかったのう」
ダイヤ「...」チラッ
花丸「ダイヤさん、何もそこまで離れなくても...」
ダイヤ「で、ですが...」
ルビィ「き、きっとさっきはびっくりしただけだから、ね?」
ダイヤ「...ええ」テクテク
ダイヤ「...」ソォ~
スフィンクス「...」クンクン
花丸「おお!威嚇しないずら!」
ダイヤ「!」パアァ
スフィンクス「」プイッ
ダイヤ「なっ...」ガーン
ルビィ「ああっ...」ガックシ
善子「き、きっとそのうち慣れるわよ!ね?」アセアセ
ダイヤ「ええ、そうだといいですわね...」ズーン
花丸「そ、そろそろご飯の時間ずら!今日はみんなも食べていってよ!」ダッ
善子「ええっ!?悪いわね!じゃあ準備を手伝わせてもらうわっ!」ダッ
ルビィ「おねえちゃん、何ごとも忍耐だよ!がんばルビィ!」ダッ
ダイヤ「ええ、そうですわね...」トボトボ
スフィンクス「...」クシクシ
花丸爺「大変じゃのう」シミジミ
・・・
全員「「「「ごちそうさまでした!」」」」
ダイヤ「さ、帰りますわよルビィ」
ルビィ「うん!ばいばい、花丸ちゃん!」
花丸「またね〜」
善子「さて、私も...あれっ!?」
ルビィ「ん、どうかしたの善子ちゃん?」
善子「ない!お守りがないのよ!」オロオロ
花丸「お守りって...あ、いつもかばんに付けてたやつ?」
善子「それよ!パパがくれた大切なものなの!」
善子「もしかしてさっきの竹林の中に...探しに行かなくちゃ!」ダッ
花丸爺「待ちなさい!外はもう真っ暗じゃよ!」
ダイヤ「終バスの時間も迫ってますわ」
善子「うぅ...」
花丸「とりあえず家の中とその周りはおらが探しておくから、それでも見つからなかった明るくなってから探そう?」
善子「...ありがとう、お願いさせてもらうわ...」
スフィンクス「...」チラッ
〜翌朝〜
ピリリリリリ
善子(ん...こんな朝早くから電話...?)
スッ
善子「んん、もしもしぃ...?」
花丸「大変だよ善子ちゃん!スフィンクスがいなくなっちゃった!」
善子「え...な、なんですって!?」
花丸「朝起きたらいつもの場所にいなくて...家の中を探してもだめだったずら!」
花丸「今までこんなこと一回もなかったのに...」
善子「わ、わかった!とにかくすぐに向かうわ!」バッ
〜国木田家〜
善子「花丸!」
花丸「よ、善子ちゃん...」
善子「その様子だと...」
花丸「うん、家の外も探したけど見つからなくて...ルビィちゃんとおじいちゃんには道路の方を探してもらってるけど...」
ルビィ「だめだぁ〜全然見つからなかったよぉ〜」トボトボ
花丸爺「一体どこに行ってしまったやら...」トボトボ
花丸「まだ探していないのは...」
善子「昨日の竹林...!広いから手分けして探しましょう!」ダダッ
花丸「うん!」ダダッ
ルビィ「急ごう!」ダダッ
花丸爺「ひぃ〜年寄りには堪えるわい」タッタッ
善子「スフィンクス〜!どこなの〜!出てきなさい〜!」ダッダッダッ
善子「もう...急にどうしたってのよ全く...」
ガサガサッ
善子「!」ピタッ
善子「今、確かにあそこの草むらが...」
ガササッ
善子「やっぱり気のせいじゃないわ!」ダダッ
ガサッガサッ
善子「そんなところに隠れてたのね、全く悪い子だわ」フゥ-
善子「さ、早く出てらっしゃい、おうちに帰りましょう」
グルルルル...
善子「...え?」
きゃあああああああああ!!!!!
花丸爺「今の声は...」
ルビィ「善子ちゃん!?」
花丸「急がなきゃ...!」
善子「ひっ...何よ、あんた一体なんなのよ...」ブルブル
野犬「グルルルルルル...」
善子(まさか...いつかのHRで言われてたのはコイツなの!?)
善子(確かに長毛でペットショップでも見たことあるけど、なんだか薄汚い...)
善子(目立つ傷もいくつかあるわね...)
野犬「...」ジリジリ
善子「や、やめなさい...私なんか食べてもおいしくないわよ...絶対お腹壊すんだから...」ブルブル
善子(はは、犬相手に何言ってるのかしら私、とうとうおかしくなったのね)
善子(そもそもペットショップに売られている犬なのに、どうやったらこんなに凶暴になるのかしら?)
野犬「!」バッ
善子(ああ、だめだ...コイツ本気で襲いかかってくるみたい...)
善子(時間の流れがゆっくりに感じるわ...)
善子(やられるなら、せめて痛みのないように...)
野犬「バウッ!」
タタタタッ ビューン! ドンッ! ザクッ!
野犬「ギャインッ!」ズサーッ
善子「...!?な、何が起こったの!?」
ピョーン シュタッ
スフィンクス「ヴヴヴヴヴヴ...」
善子「す、スフィンクス!?」
スフィンクス「...」
善子「あなたが助けてくれたの...?というか今までどこに...」
野犬「...」スクッ
善子「!」ビクッ
スフィンクス「フシャアアアア!!!!!」
野犬「グルルルルルル...」
善子「だ、だめよスフィンクス!こんなヤツ相手にしたらケガじゃ済まないわ!」ブルブル
スフィンクス「マ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"オ”.....」
野犬「...」ジリジリ
スフィンクス「ヴヴヴヴヴ...」
善子「お願い...お願いだから...」
野犬「バウバウッ!」
スフィンクス「ミ"ャ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」シュバッ
善子「だめえええええええ!!!!!」
ガブゥッ!
スフィンクス「ミギャアアアア!!!」
善子「あ...ああ...」ヘタッ
スフィンクス「フシャアアアア!!!!」ザクッ
野犬「ギャンッ!」ブンッ
スフィンクス「ギャッ!」ドサッ
スフィンクス「フー...フー...」ヨロッ...
野犬「ガルルルルル...」
善子「お願い...お願いだから...もうやめてええええええええ!!!!」
花丸爺「こらああああ!!!その子から離れんかああああ!!!」ダダダダダッ
花丸爺「せいっ!」ブンッ
野犬「!」シュバッ
タッタッタッタッ.....
花丸爺「はぁ...はぁ...逃げおったか...善子ちゃん、ケガは!?」
善子「わ、私は大丈夫です...けど、スフィンクスが......スフィンクス...?」
スフィンクス「...」カプ
スフィンクス「...」ヨロヨロ
善子「これは私のお守り...!もしかして、あなた今までこれを探して...!」
スフィンクス「」ドサッ
善子「スフィンクス!」
ルビィ「善子ちゃん!大丈夫!?」ダダダッ
花丸「一体何があったのっ!?」ダダダッ
善子「私のせいで...スフィンクスが...」
花丸「ひ、酷いケガずら...」
花丸爺「とにかく急いで家まで運ぶんじゃ!」
善子「は、はい!」ダダッ
ルビィ「大変だぁ...もしもし、おねえちゃん!?」
・・・
プルルルルル...プルルルルル...
花丸爺「クソッ、こんな時間じゃどこの病院もつながらんわい!」ガチャン
善子「スフィンクスぅ...」
スフィンクス「フーッ...フーッ...」
ビビーッ!ビビ-ッ!
花丸爺「なんじゃこの非常事態に!」ガララッ
ダイヤ「おじいさんっ!」
花丸爺「ダイヤちゃん!どうしてここに!」
ダイヤ「ルビィから事情は聞きました!黒澤グループの動物病院に緊急手術の要請をしましたので早く車に!」
花丸爺「そういうことらしい!善子ちゃん、早く乗りなさい!」
善子「はい!」タタタッ
ルビィ「おねえちゃん...ありがとう...」ハァハァ
花丸「ま、まる達もいくずら...」ヒィヒィ
ダイヤ「それでは急いで車に!」
花丸爺「わしはここで待ってるよ...腰が抜けてしまったわい」ヘナヘナ
ダイヤ「わかりました!」
バタンッ ブロロロロロロ
花丸爺「なんとか間に合ってくれぃ...」
〜手術室前〜
獣医「それではお嬢様、ここでお待ちください」
ダイヤ「わかりました、頼みましたわよ」
ウィーン
ルビィ「スフィンクスちゃん...」
善子「うぐっ...スフィンクスぅ...スフィンクスぅ...」グスッ
ダイヤ「...」
善子「私のせいで...スフィンクスが死んじゃうよぉ...」
花丸「そ、そんなことないよ!きっと大丈夫!」
善子「もう無理よぉ...あなたも見たでしょあの傷を...」
善子「私をかばったばかりに...あんなことにぃ...」
花丸「...」
善子「私がお守りを失くしたりしなければ、こんなことにはならなかったはずよ...」
善子「...いえ、そもそも私と出会わなければ、スフィンクスがこんな酷い目には...」
花丸「そ、そんな...」
善子「私の不幸体質なんかに巻き込んだばっかりにぃ...」
善子「スフィンクス...ごめんなさいぃ...」グスッ
ルビィ「善子ちゃん...」
ダイヤ「...」
善子「うぅ...ひっぐ...」
ダイヤ「...」スゥー...
ダイヤ「津島善子っ!!!」
善子「!」ビクッ
ルビ丸「「!」」
ダイヤ「あなたは何ですか!?あの子の主、そうでしょう!?」
ダイヤ「それなのになんですかこの有様は!それでもあの子の主ですか!」
善子「うぅ...」グスッ
ダイヤ「スフィンクスは自分の傷と今も闘っているのです!それを主のあなたが信じなくて誰が信じるというのですか!?」
ダイヤ「だから...!」
ギュッ
ダイヤ「あの子が生きて帰るのを待ちましょう、願いはきっと届くはずですわ...!」
善子「うぐぅ...ダイヤぁ...ごめんなさぁい...ありがとぅ...」ポロポロ
花丸「ダイヤさん...!」
ルビィ「やっぱりおねえちゃんだ...!」
善子(だめよ、勝手に死んだりしちゃ、そんなこと絶対ヨハネが許さないんだからね…)ギュッ
善子(生きて帰ってきなさい...スフィンクス...!)
スフィンクス「...」ピクッ
・・・
ウィーン
獣医「ふぅ、これで手術は終了です」
ダイヤ「それで、容態は!?」
獣医「何とか一命を取り留めました。あんな傷を負っていたのに、すごい生命力ですよ」
ルビィ「や、やったぁ!」
花丸「これで一安心ずらぁ...」
善子「よかったぁ...本当によかったぁ...うええええええん...」
ダイヤ「ほら、せっかく無事だったんだからもっと笑ったらどうですの?」ナデナデ
善子「だって...だってぇ...」ポロポロ
ダイヤ「フフフ...」ホロリ
一命を取り留めたスフィンクスは、驚異的なスピードで回復していった。療養中、ご飯を食べる量が明らかにいつもより多かったのは、それだけ傷の治癒に栄養が必要だったってことかしら?
そして、私達を襲ったあの犬が捕まって、保健所で殺処分された報せを聞いた。それを聞いて安心はしたけど、なんだか喜べない。あの犬に付いていた傷が、未だに頭から離れないでいる。
そして―――
ダッダッダッダッ
善子「堕天使ヨハネ!今日も降臨!」ガララッ
善子「待ちわびたでしょう、我がしもべスフィンクスよ!私から直々に給餌を」
ダイヤ「もうあげましたわよ?」
スフィンクス「zzz」スピー
善子「ってぇ!?なんでよぉ!?」
ダイヤ「もの欲しそうにしていたもので、つい」オホホ
善子「というか、なんでアンタの膝の上で寝てるのよ...」ワナワナ
ダイヤ「私がここに座っていたら、この子から乗ってきたものでして」ナデナデ
花丸「今まで善子ちゃんの膝の上しか乗らなかったのに...」
ルビィ「やっぱりおねえちゃんはすごいなぁ」
善子「いいからその子をこっちに寄越しなさいよ...」プルプル
ダイヤ「寄越しなさいですって、怖いでちゅね〜サファイアちゃん♪」ナデナデ
善子「変な名前つけんなー!」プンスカ
スフィンクス「...」スクッ
シュタッ
ダイヤ「あら、もう降りてしまうんですの?」
善子「偉いわ...!それでこそ私のしもべ!」
スフィンクス「...」トテトテ
善子「さあ...!こっちへいらっしゃい!」
スフィンクス「!」ピョーン
善子(そう、あなたは結局私の下に帰ってくる運命なのよ...!)
ガシィ!
善子(ん...この感じどこかで...)
スフィンクス「♪」ケリケリケリケリ
善子「いだだだだ!!!!やめなさい!!!だからなんでこうなるのよ〜〜!!!!」
スフィンクス「♪」ガジガジ
おわり
0110名無しで叶える物語(もんじゃ)2017/11/04(土) 08:10:42.42ID:KeNvVhcv
ほしゅ
スレタイからしてファンタジー系の話になると思いきや…
善子は捨て猫を拾う話似合うな、乙!
1作目2作目と作風が違いすぎて草
一体お前に何があったwww乙乙