ホンダが日産を吸収合併し、日産から派遣される取締役をごく少数に制限し、現経営陣の全員退陣を事実上容認させ、日産の各部門をホンダの指揮下でリストラすること——これらを条件に合意しなければ統合は成立しないと明確にすべきだ。

指揮権と責任を一元化するのが「統合」の本義であり、持ち株会社による形式的な連携では、経営機能がバラバラに残ってしまい、統合効果を生み出せない。今回提示された持ち株会社案は、日産経営陣の保身と延命、さらにはルノーが売却価格を引き上げたいという思惑が一致しただけであり、ホンダが膨大なリスクを一手に引き受ける構図にほかならない。

真の統合を目指すならば、開発や製造調達などすべての経営機能を包括的に再編し、単一指揮系統の下で迅速かつ効率的に運営する体制こそが不可欠。ホンダはこれらを十分認識し、日産・ルノーと一時の妥協ではなく、長期的視点で真の統合を実現する策を打ち立てるべき。