一方、プリウスと同程度売れている他の車種はどうか。
たとえば、トヨタのアクアは2014年以降の新車販売台数で
プリウスに匹敵する人気車種だが、同じ期間に報告され
たブレーキ不具合は、実に12件しかな
かった。また、2018年の
年間新車販台数でプリウスとアクアを上回った日産の
ノートおよびノートe-POWERシリーズを見てみると、ブレーキ不具合の
数は明らかに抜きん出ていると言えよう。

 なお、プリウスをめぐっては2018年10月、トヨタがハイブリッ
ドシステムの異常を判定する制御プログラムが不適切であり、
急加速時などに走行不能になる可能性があるとして、プリウス、
プリウスα、ダイハツ・メビウス(製造はトヨタ)の
計124万9662台のリコールを国土交通省に届け出た。これは、急
加速時等の高負荷走行中に昇圧回路の素子が損
傷した場合、
フェイルセーフモード(故障時に自動的に減 速するなど具合を最
小限に抑えようとする機能)に移行できない危険性が
あるからというものだった。

トヨタタブーでプリウス問題を一切検証しないメディア

 ところが、こうしたプリウスの不具合報告の多
さや重大なリコールについて、新聞やテレビなどのマス
コミが報じることは
ほぼ皆無だ。そして当然のように、いま、ネッ
ト上で騒がれている“プリウスミサイル”説もまったく検証しようとしない。
というか、「高齢者
の運転」は連日のようにとりあげる
にもかかわらず、「事故車はプリウス」ということには触れようと
すらしないのである。