0001名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/14(日) 22:59:00.64ID:h/JSKKTg
0157名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/21(日) 23:11:31.12ID:OcomuEPw
ムシャムシャ…ムシャムシャ…
海未「あ、真姫ちゃん。久しぶりだね〜」
真姫「あなた…………海未……?」
0160名無しで叶える物語(えびふりゃー)2023/05/21(日) 23:15:08.45ID:6C50vYEW
やっぱもんじゃ糞だわ
ンミチェア刺されたじゃないのか……
0163名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 16:05:25.30ID:eMS1GezT
海未「海未ちゃん? もう、違うよぉ真姫ちゃん」
海未「久しぶりだからって顔を忘れられるのは傷ついちゃうなぁ、私は海未ちゃんじゃなくて─」
海未「ことりだよ。南ことり。ね、思い出してくれた?」ニコニコ
真姫(あんなに綺麗だった髪も、容姿も…見る影もなくなってしまったけれど─)
真姫(私の目の前にいるのは確かに─海未だ)
真姫(けれどその声や仕草は海未のそれではなくて─ことりそのものだった)
0164名無しで叶える物語(なっとう)2023/05/22(月) 16:07:27.39ID:1+nbfWU6
ひぃ……
0165名無しで叶える物語(うろん)2023/05/22(月) 16:09:40.83ID:M1v1BqGe
😱
0166名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 16:27:15.59ID:eMS1GezT
海未「私ね、皆ともっとお喋りしたかったし、お茶もしたかったし、出かけたりもしたかったの」
海未「だから穂乃果ちゃんと海未ちゃんにお願いして、μ’sの皆を呼んでもらったんだ」
海未「えへへ、真姫ちゃんに会えて嬉しいなぁ。他の皆も来てくれるんだよね?」
海未「私がいるのは内緒にしてって伝えてあったから、びっくりしちゃったかな?」
海未「皆と話したいことがいっぱいあるんだ。…あ、でもその前に、まずは急にいなくなってごめんねって言わなきゃだよね」
0167名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 17:08:52.59ID:eMS1GezT
真姫(海未がことりの声で話し続ける)
真姫(不思議と私は落ち着いて話を聞いていた)
真姫(あまりにも現実感のない光景が、私の中の感情を麻痺させている)
真姫(海未の隣に横たわる─腐乱した死体が二つ)
真姫(どちらも野生動物に食い荒らされたかのようにぼろぼろで、顔も判別できない)
真姫(けれど─私にはそれが誰なのか分かるような気がした)
0168名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 17:16:08.52ID:eMS1GezT
真姫「穂乃果……ことり……」
海未「……」ピタッ
海未「……」
海未「……」
海未「……」
海未「……」
海未「! 真姫ちゃん! 来てくれてありがとう!」
真姫「……え?」
真姫「……穂乃果?」
0170名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 18:29:59.69ID:eMS1GezT
海未「ねーねー聞いてよ! 海未ちゃんたらひどいんだよ?」
海未「穂乃果のことを犬みたいに扱ってさ、知らずにことりちゃんを食べさせたんだよ?」
海未「こんなの海未ちゃんじゃない! 本物の海未ちゃんはどこに行っちゃったんだろって思ったらね?」
海未「本物の海未ちゃんから手紙が来たんだよ!」
海未「だから誰かに知らせなくっちゃって思って……」
ピタッ…
0171名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 18:38:01.29ID:eMS1GezT
海未「おや真姫。会いに来てくれたんですか」
海未「ふふ、穂乃果とことりもきっと喜びます。二人とも─」
ムシャムシャ…
ムシャムシャ…
海未「こうして、私の中で生きているんです」
海未「ふふ、ふふふふふ……」
海未「あはははははは!」
あはははははははははは……!!
0172名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 18:42:50.74ID:eMS1GezT
真姫(笑ってる)
真姫(海未の声で、穂乃果の声で、ことりの声で─)
真姫(私の目の前にいるのは、海未? 穂乃果? ことり?)
真姫(夢の中のような、ふわふわした浮遊感の中で─)
真姫(私は私の右手に握られているナイフの事を思い出した)
0173名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 18:50:07.95ID:eMS1GezT
あはははははははは……!
真姫(もし、皆がこの海未に会ったら…会ってしまったら─)
真姫(正気でいられるのは─いったい何人いるだろう?)
カチャ…
真姫(ナイフを構えて、海未に少しずつ歩み寄る)
真姫(震えが指先から全身に広がって、まっすぐ歩くのが難しい)
真姫(視界がぼやけて、海未の姿もよく見えない)
真姫(それでも、私が……私がやらなくちゃ…)
「真姫」
真姫(海未の声がした)
0174名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 18:53:18.44ID:eMS1GezT
────
──
─
絵里「……ん」パチッ
絵里(! 私、気を失って……)
絵里「!! え……」
ゴォォォォォ……!!
パチパチ…パチパチ…!
絵里「何で、別荘が燃えて…」
0175名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 19:22:41.53ID:eMS1GezT
真姫「……目が覚めた?」
絵里「真姫!? いったい何があったの!? 穂乃果は!? 海未は!?」
真姫「……」
絵里「……真姫?」
真姫「私の言う事をよく聞いて」
真姫「ここには─何もなかった。誰もいなかった……いいえ。今日、私達はここには来なかった」
0176名無しで叶える物語(なっとう)2023/05/22(月) 19:23:53.62ID:1+nbfWU6
まだひとひねりしそう
0177名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 19:30:44.12ID:eMS1GezT
絵里「何を言って…」
真姫「もうすぐにこちゃん達が来ると思う。その時は絵里も私と同じ事を言って」
絵里「真姫っ!」
真姫「お願い!!」
絵里「!」
真姫「お願いだから……」グスッ
真姫「今は─今は何も聞かないで……」
0178名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/22(月) 20:47:15.73ID:eMS1GezT
──
『本物の海未ちゃんのお墓』
「……」
ザクッ…ザクッ…ザクッ…
ガッ…
「……!」ヒョイ
『遺書』
「……」
パカッ
パラッ…
今日はここまでです。
明日で終わります、今度は嘘じゃないっす。
0180名無しで叶える物語(もんじゃ)2023/05/22(月) 20:51:50.21ID:Ldv9O3BM
乙乙
0183名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 20:47:17.32ID:Ttu1Qdg4
『この手紙は私、園田海未の遺書です。
どなたが見つけてくれたのかは分かりませんが、感謝致します。
通常、遺書とはこれから死ぬ人間が書く物ですが、私は既に死んだも同然。
これは死んだ人間が行う最期の告白です。』
0184名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 20:57:29.79ID:Ttu1Qdg4
『どこから書けばいいのか迷いますが……やはりあの日─ことりと私が登山に行った日の事から書くべきなのでしょうね。
ことりはあの時、私の目の前で熊に食べられてしまいました。
私はただ震えていました。
右腕にほんのわずかなかすり傷を負った後、体が全く動かなくなってしまったのです。
ことりはそんな私をかばいました。
あの時私を置いてことりが逃げてくれたならどんなに良かったか。』
0185名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:04:17.92ID:Ttu1Qdg4
『ことりの体が食いちぎられ、ことりのうめき声が少しずつ小さくなるに従って、私は不思議な感覚を味わいました。
呆然とことりを見ている私…その私を俯瞰する私に気づいたのです。
熊はことりの両脚を食べて満足したのか、私を放っていなくなりました。
ことりを犠牲にし、私が生き残りました。
その日からです。
私はよく記憶が飛ぶようになりました。』
0186名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:15:53.78ID:Ttu1Qdg4
『最初はごく短い時間でした。
それが時が経つにつれ、10分、20分と長くなっていき─1時間を超えた頃。
私を見る穂乃果の目が変わっていることに気づきました。
あんなに怯えた目をした穂乃果など、私は知りません。
何度理由を聞いても、穂乃果は答えてくれませんでした。
戸惑うばかりの日々が過ぎ、ある日、記憶が飛んだ後─
私の目の前に切り刻まれたことりの遺体がありました。』
0188名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:26:47.44ID:Ttu1Qdg4
『自分の右手を見下ろすと、黒ずんだ肉切り包丁が握られていました。
想像できるでしょうか。
意識が消えて、自分が何をしているのか覚えていない。
気がつけば見知らぬ場所にいて、目の前に無惨な親友の遺体がある。
その時の衝撃を。』
0189名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:36:40.61ID:Ttu1Qdg4
『私は穂乃果が私を恐れる理由が分かりました。
ことりが死んだあの日から、私の中には悪魔が棲みついたのです。
悪魔は私の意識を乗っ取り、私の体を使ってことりを切り刻みました。
私はただただ恐れました。
自分の意識が消えるのを恐れ、眠りたいと思う事がなくなりました。
それでも私が私でいられる時間は、どんどん短くなっていきました。』
0190名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:42:20.46ID:Ttu1Qdg4
『もし、切り刻まれたことりの遺体を見つけたあの時に戻れるならば。
私は迷う事なく自分の頸動脈を断ち切ると思います。
私の命が消えてしまえば、私の中の悪魔も消えてなくなると思うのです。
今はもう、遅すぎる考えですが。』
0191名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:46:01.49ID:Ttu1Qdg4
『これを書いている今、私の目の前には穂乃果の遺体があります。
穂乃果の首からは血が流れ、手にナイフが握られています。
いったい何があったのか、私には何も分かりません。
ただ、私が穂乃果を死に追いやった事だけは間違いないようです。』
0192名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:49:43.86ID:Ttu1Qdg4
『そろそろ自分の意識が遠くなりつつあるのを感じます。
ここまで書くことが出来てよかった。
次に私の意識が戻るのはもはや何日先になるのか分かりません。
下手をすればもう一生戻らないかもしれません。
それでも、もし次に私の意識が私の体に戻ったその時─私は、自分で自分の始末をつけようと思います。』
0193名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 21:51:51.53ID:Ttu1Qdg4
『そして願わくば、呼吸を止めた私の身体も、この家も、痕跡を残さずに全て焼き尽くしてしまいたい。
親友を見殺しにし、死に追いやったおぞましいこの身体など─跡形もなく消し去ってしまいたい。
どうかその願いが叶いますように。
さようなら。』
0194名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 22:05:27.69ID:Ttu1Qdg4
パラッ…
絵里「……ねぇ、真姫。海未はいったい…」
真姫「解離性同一性障害。いわゆる多重人格よ、多分だけど」
絵里「多重人格…」
真姫「一般的には幼少期のトラウマが発症の原因になる事が多いらしいけどね」
絵里「見つけてほしいみたいに、埋められてたのは…?」
真姫「海未の人格の一つ、穂乃果みたいな人格がやったみたいね。まぁ、穂乃果らしいっちゃらしいわね」
0195名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 22:09:11.00ID:Ttu1Qdg4
絵里「……」グスッ
真姫「? 何泣いてるのよ。そういえばにこちゃん達も泣いてたわよね」
絵里「何って……三人が可哀想だからに決まってるでしょ!? 海未もことりも穂乃果も、誰も悪くないのに、こんな…」
真姫「別に泣くような事でもないでしょ?」
絵里「!?」
0197名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 22:15:28.22ID:Ttu1Qdg4
真姫「三人とも死んじゃったけど、きっと向こうでも仲良くやってるわよ。なぁんて」クスクス
絵里「なにを……言ってるの…?」
真姫「! そうだ、絵里も一緒に食べましょう」ゴソゴソ
絵里「は……?」
真姫「海未に自分が自殺した後別荘を焼いてくれって頼まれて、その通りにしてあげたんだから─」
0198名無しで叶える物語(もんじゃ)2023/05/23(火) 22:16:05.33ID:ljldZB0y
ファッ?
0199名無しで叶える物語(しまむら)2023/05/23(火) 22:20:54.91ID:Ttu1Qdg4
真姫「少しくらい貰ってきたって──罰は当たらないでしょう?」ニコッ
終わり
今度こそ終わりです。
私はことほのうみ大好きです。念のため。
0203名無しで叶える物語(もんじゃ)2023/05/23(火) 22:30:51.25ID:sXoKRMLV
よくわかりませんでした!
ホラー映画の終わり方やな乙
難しい題材なのにようまとめて書き切った!
0206名無しで叶える物語(うろん)2023/05/23(火) 23:27:11.36ID:5HDcFlSu
マキチャン