0001名無しで叶える物語(もんじゃ)2019/07/21(日) 00:18:05.42ID:SO/flDkL
「故障?」
「嘘でしょ?こんなところで...動きなさいよ!」
それはうちと真姫ちゃんが温泉旅行に行った帰り道でのこと
「なによここ....」
「真姫ちゃん、見て!これ」
「これは....」
この話はうちと真姫ちゃんが不思議な体験をした話の記録である
希「西洋ではね魔術のシンボルとしてよく使われているんだよー」
真姫「そういえば...。希の好きなタロットカードでも見たことがあるわね」
希「そうそう、守護の力があるってされてるんよね」
真姫「守護の力なら今の状況にはもってこいかもね」
希「あとはあの有名な陰陽師のやつでも有名なんよ」
真姫「へー」
希「この五芒星には色々な意味があって五元素を表しているんよ」
真姫「五元素?」
希「まぁ、簡単に言えばこの五芒星って形は....」カキカキ
真姫「.......」
希「木、火、土、金、水の5元素があって....お互いにこんなかんじに」
真姫「成程ね、この星の形がその五元素がお互いに繋がっているのね」
希「そういうことやね」
真姫「さすが希ね、こういうことは詳しいわね」
希「真姫ちゃんだって昔は結構詳しかったやん」
真姫「今は使うこともないから忘れちゃったわよ」
希「もう....」
真姫「それに私が忘れたって希がいるし、いいじゃない」
希「頼ってくれるのは嬉しいけど...なんかもったいないなぁ」
真姫「じゃあ、今度希が教えてよ、それならいいでしょ?」
希「お、言ったね?言ったからには色々付き合ってもらうよー」
真姫「今までだって充分と付き合ってきたつもりなんだけど」
希「あんなのは全然だよ、覚悟しておいてね?」
真姫「うわぁ...目がすごい輝いてる....変なことを言わなければよかったわ」
希「へへへへ」
希「よし!!完成!」
真姫「じゃあ、いざって時はここに逃げ込みましょう」
希「そうやね」
真姫「ここにじっとしていたいけど...この結界がちゃんと効くのかわからないし、効いたとして長く持つかわからないから一旦移動しましょうか?」
希「脱出の手がかりが見つけられればいいね」
真姫「慎重に行きましょう、もしかしたら朝になったら出られる可能性もあるし」
希「今日は徹夜だね」
真姫「こんな徹夜...今回だけにしたいわね」
希「真姫ちゃん」スッ
真姫「え?」
希「離れ離れにならないように手を繋いでおこう?」
真姫「たしかにこの暗闇ではぐれのは危険ね、わかったわ」スッ
希「♪」
希「思ったより出会わないね....そんなにいないのかな?」
真姫「たしかに対面はしないけど...感じない?希」
希「感じる?」
真姫「...この周りの暗闇から視線というか気配とかを感じない?」
希「........」キョロキョロ
真姫「私の気のせいならいいんだけど...」
希「うーん...嫌な感じはたしかにするかも」
真姫「もしかして囲まれてるとか?」
希「こ、怖いことを言わないでよ!」
真姫「........!」
希「どうしたん?真姫ちゃん?」
真姫「...なんか臭うわね」
希「え?もしかしてう、うち臭う?走ったり色々したから臭うのかな?...」
真姫「そうじゃないわ、この独特の腐ったような臭い....」
希「....あ、本当だ!もしかしてこの臭いって」
真姫「近いみたいね....中々面倒そうなものが」
希「前の方から臭ってくるよ」
真姫「どうする?戻る?」
希「これは素直に戻った方がよさそうやね」
真姫「臭いを避けて移動してたら村の中心部の方まで戻ってきちゃったわね」
希「うちら追い込まれてるとかじゃないよね?」
真姫「たしかに...意図的にここに誘導されたって可能性は否定できないわね」
希「じゃあ、うちらまずいんじゃ....」
真姫「元々ここは連中のホームグラウンド...こっちには圧倒的にアウェイってことよ」
希「..........」
ジリリリリ!!!
真姫 希「!!」
ジリリリリ!!!
希「あの電話ボックスの電話ってコードが切れてたはずだよね?」
真姫「...どうやらお呼びのようね」
ジリリリリ!!!
真姫「........」
希「っ........」
ジリリリリ!!!
希「ま、真姫ちゃん!これは出ない方が....」
真姫「もちろん出ないわよ、こんな見え透いた罠なんかに」
希「そ、そうだよね」
真姫「無視よ、無視」
ガチャン!
希「え」
真姫「は?」
ガン!!
真姫「じゅ、受話器が勝手に落ちた?」
希「.........」
『............』ザー
希「な、なんか聞こえない?わ、うちの気のせいかな?これは」
真姫「ノイズみたいなのが聞こえるわね、希は」
希「うちもそんなかんじ...」
真姫「こっちが出ないから勝手に出たってことかしら?ハイテクね...いや壊れているから廃テク?」
希「真姫ちゃん疲れてる?」
真姫「少しつかれてる」
『...........』ザー
真姫「ねぇ、希」
希「なぁに?真姫ちゃん?」
真姫「体が動かないのは私だけなのかしら?」
希「奇遇やね、実はうちも動けないんよ」
真姫「意地でも私達と話したいってことなのかしら?」
希「うちは話すことはないんだけなー」
真姫「それは奇遇ね、私も話すことなんてないわ」
『.........』ザー
『.....い....な....ま』
真姫「なにか言ってる?」
希「個人的には聞きたくないんやけど!」
『あ....らし....なか...ま』
真姫「仲間?」
『....あ....た...しい...なかま』
希「あんたらの仲間になった覚えはないよ!!」
『......ふ...あは....』
真姫「.........」
『あははは....あはははは....』
希「なに笑ってるんや」
希「なんかもう頭きた!....ふぬぬぬ.....」
真姫「希、あんまり無理は」
希「ふぬぬぬ.....!」
パー!!
真姫「!ペンダントが光った!?」
希「うわっ!」ドサッ
真姫「う、動けるようになった?」
希「もう...なんなん....」
真姫「希、大丈夫?」
希「平気....」
真姫「このペンダントが助けてくれたのかしら?」
希「かもね...でも、助けるならもう少し早くしてほしかったよ」
真姫「........!」
希「真姫ちゃん?」
真姫「しっ...ちょっと静かに」
希「え?」
真姫「いいから.....」
ザワ....ザワ...
真姫「風は吹いてないし...木や草のざわめきとかじゃないわよね」
希「もしかして....うちら」
真姫「これは本当に囲まれてるかもしれないわね」
希「.......」
真姫「希」スッ
希「うん」
真姫「ここからさっきの結界を作った場所まで突っ切るわよ」
希「OK....」ガシッ
ダッ!!
タッタッタッタッ
希「はぁ....はぁ...」
真姫「はぁ....はぁ.....!!」ゾクッ
希「!真姫ちゃん」
真姫「はぁ...はぁ...なによ」
希「なんか背中の方から寒気がしない?」
真姫「今日は本当に気が合うわね、私も感じるわ」
希「ねぇ...ここはあえて振り返ってみない?」
真姫「あえてってなによ」
希「だって気になるやん!」
0128名無しで叶える物語(家)2019/07/29(月) 14:32:39.17ID:tjLOUpyg
いいねーゾクゾクする
タッタッタッ
希「真姫ちゃ〜ん」
真姫「っ.......」
希「せーので見ようよ」
真姫「もう!どうなっても知らないわよ」
希「このままじゃ気になって仕方ないやん!」
真姫「わかったわよ」
希「よし、いくよ!」
真姫 希「せーの!!」クルッ
「...........」
真姫「!」
希「うわっ」
真姫「ちょっと!なんかいたわよね?」
希「奥の木の陰になにかいた!」
真姫「人?」
希「わかんない」
真姫「もう一回見る?」
希「そうやね」
真姫 希「せーの!!」クルッ
「...........」
真姫「長い髪が見えたわ」
希「なんか...さっきより近くにいなかった?」
真姫「...たしかにさっきはもっと奥にいたわよね」
希「もしかして距離を詰められてる?」
真姫「こっちは全力疾走してるのよ」
希「向こうも全力疾走してるかもよ」
真姫「いや怖いから、そんなの」
希「どうする?もう一回確認する?」
真姫「....嫌な予感しかしないけどね」
希「いくよ....」
真姫 希「せーの!!」クルッ
「「.........」」
希「なんか増えてる!!!」
真姫「しかも、やっぱり距離が詰められてるわよ!」
希「これはまるでチョコラテイングレスやね」
真姫「...は?チョコ?」
希「真姫ちゃんチョコラテイングレスを知らんの?」
真姫「知らないわよ!なんかの呪文?」
希「真姫ちゃん小さい頃とかやったりしなかったん?」
真姫「そんな言葉初めて聞いたわよ、なによそれ」
希「要はだるまさんが転んだやね」
真姫「っ...普通に言いなさいよ!わかりづらいっての」
希「いやー人間って怖いと現実逃避をしたくなるもんでつい」
真姫「なんなのよ、この緊張感があるのに緊張感がない感じは!」
0134名無しで叶える物語(もんじゃ)2019/07/30(火) 00:17:40.11ID:z2vpWYKD
希「だって....!真姫ちゃんあそこ!」
真姫「さっき作った結界ね!早くあそこまで行きましょう!」
ザッ
希「はぁ...はぁ...到着!!」
真姫「さてと....っ...効果があればいいんだけど...」
希「ふぅ.....」
真姫「........!」ゾクッ
希「これはまた大勢で....」
真姫「囲まれてしまったみたいね...」
「「「........」」」
希「っ....さすがにうちもこれは怖いかも」
真姫「そろそろ時間的に夜明けだけど...この数はその影響ってことなのかしら?」
希「そうかもね...」
「「........」」
真姫「服装が今風の服装じゃないわね...希の話通りの霊達なのかもね」
希「うん....」
真姫「結界の中に入ってこないところを見ると入ってこれないってところかしら?」
希「そうだったらいいんだけど....」
「.........!」ガキン!
真姫「どうやら結界がちゃんと効いてるみたいね」
希「空が明るくなってきたよ...そろそろ夜明けみたい」
真姫「そうね...でも数がどんどん増えてない?見えてるのは私だけ?」
希「うちにも見えてる、まるでゾンビ映画みたいや」
「「「「..........」」」」
ガキン!!ガキン!!ガキン!!
真姫「!」
希「結界を攻撃し始めた!?」
真姫「まさか、結界を数で押し切るつもり!?」
希「これはまずい....」
真姫「っ......」
希「効くかはわからないけど...やるしかないみたいやね」
真姫「希?なにをするつもる?」
希「すぅ...臨!兵!闘!者!皆!陣!」ヒュン!ヒュン!
真姫「それは....九字切り!」
希「烈!在!前!!」ヒュン!ヒュン!
真姫「........」
希「うちは印までは結べないから、早九字の方だけどね」
「っ........」
真姫「全部とは言わないけど...効いてるみたいね」
希「うちだってやる時はやるんだからね」
真姫「さすがね、希」
ガキン!ガキン!!
希「もう、しつこいなぁ!」
真姫「希の九字切りが効いても数が数だからキリがないわね」
希「もうすぐ夜明けなのに」
真姫「...見て!連中の体がどんどん透けていってるわ」
希「本当だ!」
真姫「この感じなら...もう少し耐えれればなんとかなりそうよ」
希「っ...それまで結界が耐えてくれればいいんだけど....」
真姫「........」
希「臨!兵!闘!者!皆!」ヒュン!ヒュン
バリン!
真姫「!」
希「結界が!」
「「.........」」
希「あともう少しなのに....」
真姫「希、目をつぶって」
希「え?」
真姫「早く!!」
希「!う、うん?」
真姫「出力最大!!」
カシャ!!
「「!!」」
真姫「よし!走るわよ!!希!」
0141名無しで叶える物語(家)2019/07/30(火) 00:53:26.72ID:GvXQavmP
待ってます
タッタッタッ
真姫「フラッシュは本当に安定してるわね....カメラの趣味をきっかけを作ってくれたパパには本当に感謝ね」
希「さすが真姫ちゃん!」
真姫「このまま鳥居まで行くわよ!」
希「あそこが出口ならいいんだけど」
真姫「今はその可能性を信じて走るしかないわ!」
希「今日は本当に走ってばっか....今日は夜は廃村で運動会?」
真姫「そんなこと言えるならまだ走れるわね!」
希「あとで本当に筋肉痛になりそう....」
ザッ!
真姫「見えてきたわ!!太陽も登ってきてる!朝日よ!!」
希「このまま無事に出られればいいんやけどね...」
「ぁぁあ!!!!!!!」
真姫「!」ビクッ
希「!うわっ!!」ズルッ
グラッ
真姫「ちょっ!!」
希「うわあああああ!!」
真姫「このままだと見えない壁にぶつかる!!」
パー!!
真姫「なに!?この光は!!」
希「眩しい!!」
真姫「っ.........」
真姫「.....ここは....」
希「....あれ?」
真姫「道路?あそこにあるのは私の車よね?」
希「うちら...さっきまで森の中にいたよね?」
真姫「えぇ...これは一体?」
希「元の世界に戻ってきたってことなんかな?」
真姫「多分...夢とかじゃないわよね?」
希「夢とかじゃないとは思うけど...」
真姫「.........」プニッ
希「はぁに?まひひゃん?」
真姫「夢かどうか確認しようと思って」
希「うひのほっへてやらないへよ!!」
真姫「........」プニップニッ
希「まひひゃん!!!」
希「もう....真姫ちゃん?うちのほっぺはおもちゃじゃないんだよ?」
真姫「靴をよく見たら泥まみれだし...さっきまでのことは現実だったみたいね」
希「うわぁ...服とかも汚れちゃったね」
真姫「どうやら本当に無事に戻ってこれたみたいね、なんか緊張感が解けて...眠い.....」
希「うちも眠いよ、徹夜で村でサバイバルだったし」
真姫「希....おんぶ....」
希「え?」
真姫「おやすみなさい.....」コテッ
希「うわっ!ちょっと!!うちによりかかって寝ないでよ!!」
真姫「真姫ちゃん....眠い....」
希「真姫ちゃん、そんなキャラじゃないでしょ!?起きて!!」
希「車は無事だったみたいやね」
真姫「そうね....」
希「エンジンは動くかな?」
真姫「......」スッ
ブーン!!
希「かかった!!直ったみたいやね!」
真姫「そうね....」
希「えっと....真姫ちゃん?」
真姫「希、私のお願いを一つだけ聞いてくれる約束だったわよね?」
希「え?あー...そうやったね、そういえばそんな約束したね」
真姫「運転よろしく.....」スッ
希「え?」
真姫「このままだと事故を起こしそうだし...かと言ってここで仮眠していくのもなんか嫌だし」
希「それでうちが運転を?」
真姫「ん....」
希「えっと...うちも徹夜明けなんだけど....」
真姫「........」ゴソゴソ
希「真姫ちゃん?何をしてるん?」
真姫「....はい」
希「これは....栄養ドリンク?」
真姫「ファイト...いっぱーつ....」
希「なんか元気が出ない掛け声だなぁ....」
真姫「それじゃあ...よろしく」
希「もー...どっかの大きい駐車場とか休憩所についたら交代だからね」
真姫「んー....」
希「まぁ...真姫ちゃんがうちにお願いしてくれるのも珍しいし...少し頑張ってみようかな」
ブロロロ....
真姫「zzzzzzz」
希「真姫ちゃんぐっすりやね....」
希『じゃあ!うちが運転変わるよ』
真姫『お断りします』
希『なんで!』
真姫『だって、希の運転って荒いんだもの』
希『えー...そんなことはないと思うけ』
真姫『あるわよ、希が運転してたら希みたいにすやすや落ち着いて寝てなんていられないわよ』
希「ふふ♪...あんなこと言ってたけどすやすややん」
チャラン
希「あれ?うちのアメジストの色が少し濁ってる?」
真姫「zzzzzzzzz」
希「........」チラッ
希「真姫ちゃんのマカライトも濁ってる?そっか...また、うちらを助けてくれたんやね...」
真姫「んー.....」
希「真姫ちゃんが起きたらまずは...この石を清めてあげないとね...」
真姫「zzzzzzzz」
希「色々あったけどうちはとっても楽しかったよ、ありがとう真姫ちゃん」
真姫「..........」
希「また、どっかに行こうね?真姫ちゃん」
おしまい
これでおしまいです
最後までお付き合いいただきありがとうございました
えーめっちゃ面白かったです
安易に真相究明されないのもいいけどちょっと気になってもやもやしますね
0154名無しで叶える物語(SIM)2019/08/01(木) 03:30:07.47ID:cZuJRzNC
おつおつ、面白かった
0156名無しで叶える物語(関西地方)2019/08/02(金) 01:53:51.22ID:WdP0er3L
乙です、まさかこのシリーズの続きが読めるとは
大人になった2人の絆というか信頼感が好き
面白かった