【独占】エイベックス黒岩克巳社長、逆風と勝算「それでも、コンテンツメーカーであり続ける」
2/17(月) 17:00

韓国に先を越された
J-POPはK-POPにマーケットを提供し、先を越された

いま、10年前には考えられなかったことが起きています。日本のマーケットにおいては、僕たちはかなり以前からBoAをきっかけに韓国のアーティストを手掛けていました。
それからたくさんの韓国のアーティストがやってきて、日本では2010年頃にK-POPブームが到来し、いまでは確実に一つのジャンルになり、一つのマーケットになりました。

それ以前は個々のアーティストのファンマーケットはあったんですけれども、ジャンルとして確立されてきたのはここ10年弱ぐらいです。ポイントは、K-POPがグローバル規模でひとつのマーケットになってきているということです。
いま、Apple MusicやSpotifyの中のカテゴリーの中にはカントリーミュージックやヒップホップなど、いろんなジャンルがありますが、K-POPはひとつの確立されたジャンルなんですよね。世界的プラットフォームの中の一つのジャンルとしてある。J-POPは悲しいかな、ないんです。

彼らは何をしたのか。長いポートフォリオの中で戦略的に、着実に、グローバルなマーケットをつくっていったんです。まず隣の日本のマーケットに進出した。僕たちは「一緒にやろうよ」とマーケットを提供し、そして彼らはノウハウを吸収していきました。

彼らは日本市場で得た資金で、世界にK-POPを広げていく、勝負をかけていくのだというグローバルな感覚がそもそもあったわけですよね。
そのとき日本の音楽業界では、国内の順位や人気にこだわっていました。出てくる音楽は日本のマーケットを意識したメロディーライン、歌詞、ビジュアルでした。

日本マーケットは先細りしていく。最初から世界展開を

それが悪いということではありませんが、我々もK-POPを見習っていかなければいけないところは確実にあります。

(中略)

また東南アジアのエンタメ市場は盛り上がっていますね。マレーシア、フィリピン、ベトナムの女性はファッションやメイクに敏感です。
いま、東南アジアで人気があるのも韓国の女性アーティストなんですよね。比較的「かっこいい」系の韓国勢が人気で、アイドルなど「かわいい」系の日本勢は苦戦していますが、今後王道の分野でぶつけていきたいと思っています。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200217-00032164-forbes-ent