(一部抜粋)

あらためてこのBTSというグループの実態について調べてみると、なかなか興味深いことが見えてきた。
そもそも英語の歌を歌っていなかったBTSが「全米ヒットチャート1位」になった背景には何があるのか。
英語圏での本当の評価はどんなものなのか。そしてそうした背景から、今回の騒動はどこに行くのかを探ってみたい。

BTSのデビューは2013年。その後、ソーシャルメディアでの動きが活発になり、
16年には米フォーブス誌の「ここ30日で最もリツイートされたアーティスト」という世界的なランキングで、
なぜか突然、米大物歌手のカニエ・ウェストやジャスティン・ビーバーなどを押しのけて、
BTS(Bangtan Boys)がトップになるという現象が起きている。

この話で思い出すのは、米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」だ。
これには随分前から読者がネットで投票できるシステムがあったのだが、
なぜか06年から、世界的に知られているとは言い難い韓国人アーティストが何年も続けてトップになるという現象が起きて話題になっていた。
おそらくファンが、ネットを使ってどんどん投票を行ったのだろうとの声もあった。
韓国系の人たちは、この手の人海戦術は以前から得意だったようだが、それは最近も変わらない。

少し話が逸れたが、とにかく、BTSは16年以降も地道に活動を続けてきた。
そのBTSの活動を支えてきたのは、「アーミー」と呼ばれる熱心なファンたちで、彼らがBTSをつくったと言っても過言ではない。

アーミーは、ネットなどどこかに投票できるチャンスがあれば飛びつき、ソーシャルメディアなどでもBTSを推すことに余念がなかった。
例えば、ネット投票で決まるビルボード音楽賞のトップ・ソーシャル・アーティストというランキングでは、
17年と18年にジャスティン・ビーバーをおさえてトップになったのがBTSだった。

この賞は世界で最もネットで人気のあるアーティストを決めるという触れ込みで、
韓国人アーティストとしてはBTSが史上初の快挙ということになっているが、
世界で最も人気があるというのは、申し訳ないがちょっと違うと多くの人が思ったはずだ。
その後、気が付けば18年9月に全米アルバムチャート「ビルボード200」で1位に輝くまでに上り詰めた。

実は、BTSは10月25日に初めて英語の曲を米国で発売した。
だが残念ながら売り上げはパッとせず、全米シングルチャート「ビルボード100」ランキングでは、現時点で最高89位にとどまっている。
どうもBTSやK-POPが米国で旋風を巻き起こしているというのは言い過ぎのように感じる。

もっと言えば、アーティストとしての評判は米英の評価を見ている限り芳しくないようだ。

英ガーディアン紙の評価は「あまりにありふれた作品」と特に辛辣(しんらつ)で、
「曲を聞いたすぐ後でも何も記憶に残らない。右から入った音楽がそのまま左の耳から出ていってしまい、何の印象もない」と書き、
「ソーシャルメディアのファンの力による口コミをここまでうまく生かしたものはなかった」と皮肉っている。

ただこの「ファンの力」という指摘は一理ある。BTSがビルボードでナンバーワンになったのは、熱狂的なアーミーを中心としたファンの力が大きい。
とはいえ、アーミーらのサポートは常軌を逸したものだと言える。

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181115-00000018-zdn_mkt-int