大和民族は、縄文時代以前から日本列島に住んでいた人々のうち、
弥生時代に大和(奈良盆地の南東部)を本拠地とする人々を中心に形成されたヤマト王権(大和朝廷)に属する民族の呼称。
ヤマト王権の勢力拡大に伴い、一地域名であった「大和」が日本を広く指す呼称となり、
民族名ともなった。ただし、ヤマト王権の成立過程は現段階でも明らかになっておらず、謎も多い。
大和民族の形成当初は九州地方の隼人や、東北地方の蝦夷が異民族とされていた。
しかし彼らは中世以前に大和民族と完全に同化している。
琉球諸島の住民は中世に独自の王朝を築いた歴史を持ち、日清両属状態を解消して完全に日本に組み込まれたのが明治になってからであるため今でも文化的異質性が残っているが、
文化的・言語的には本土住民と同系であったから、近代以降の歴史の中で日本人としての一体感が醸成された。
さらに大和民族からは明らかに異民族であるアイヌも大和民族との混血や文化的同化が進んだ結果
、(民族的)日本人と大和民族の範囲はほぼ一致するようになり、ことさら大和民族という呼称が使われることは稀になっている。