別に金髪や服装にしろ食の選択にしろ、そのこと自体は個人の嗜好や性癖の問題だが、当然その嗜好性癖が社会一般の価値観と対立する場合は反社会的だと見なされる
ましてそれだけでなく、自分の嗜好や性癖こそが正しく社会一般の価値観は誤っているというような主張を始めれば極右極左やカルト教団と同様の反社会的思想の持ち主と見なされても仕方がなく、
人間を社会的な動物であると前提した場合、そうまでしなければ自己のアイデンティティを維持できないとしたらそれはもう、一種のビョーキと言えるかもしれない
自己の嗜好性癖が反社会的だと見なされるということは、単にアイデンティティを自己確認するだけにとどまらず社会がそれを追認することを意味するので、結果としてより強くアイデンティティを感じることが可能となる
この場合、反社会性が大きければ大きいほどそれによって生じる強力な反動が自己確認としてより大きくフィードバックされるので、より強くアイデンティティを欲するほどより強い反社会性に向かおうとすると考えられる
逆にいえば反社会性が強いほど大きくアイデンティティを欲していると考えられるのであって、このことは元々のアイデンティティが希薄で自己の承認欲求が満たされていないと感じる程度が相当に大きいことを意味するのだから、
このような視点から考えた場合、極端な主張の裏側には満たされない承認欲求が潜んでいると考えることができる
つまり、先に述べたビョーキの原因には薄弱なアイデンティティと満たされない承認欲求があると考えることができる
つまり、社会と齟齬をきたすほどの病的に極端な主張の一因として、アイデンティティの薄弱さと承認欲求の不満足を疑うことができるということになるだろう
