視聴率50%超 NFLスーパーボウルの異常な熱狂と経済効果





 全米が大熱狂! アメフトの王者を決める第51回スーパーボウルが盛り上がるシーズンがやって来た
日本で野球一辺倒で、まだまだマイナーだけど、アメリカで、アメフットが超面白い、
 2月5日(日本時間6日)、全米ナンバーワンのアメフトチームを決める「第51回NFLスーパーボウル」が開催される。
「スーパーサンデー」とも呼ばれ、アメリカ中が大熱狂するという1日限りのスポーツイベント。一体どのくらい凄い!?
米ハーバード大学を卒業し、アメフト大好きのパックン氏に聞いた。
「全米視聴率は毎年50%ほど。日本の人口とほぼ同数の人間がテレビにかじりつきになります。当日の午後はお店もいっぱい閉まるくらい。
とにかくアメリカ人のアメフト熱はスゴイんです! 日曜はアメフトが見たいからという理由でミサに人が集まらず、土曜の夜にミサを行なう教会まで出てくる始末。
夫がアメフトに熱中しすぎて妻に構ってあげられず、“アメフト未亡人”と名乗る女性がたくさん出てきます」そう、尋常じゃない熱量なのだ!
「さらにスゴイのは、その経済効果。電化製品店では“スーパーボウル需要”でテレビの買い替えがこの時期に集中し、750万台から1000万台が売れるといいます。
そして、食べ物の消費量が感謝祭に次いで一年で二番目に多いのもこの日。アメリカの小売店組合の調べによると、その日だけでチキンウイング(手羽先)12億本。
ピザ3千万スライス。ポテチ1千万t。ビールは5千万ケースが飛んでいくそうです。
そして…その翌日には胃薬が普段の2割増しで売れるという流れです!
そのようなこともあって、企業CMもスゴイ! スーパーボウル放送中に30秒流す権利は500万ドル(5億円以上)。企業はそれ以上のお金を費やして面白いCMを制作します」
スーパーボウルの経済効果は約500億ドル(約5兆円)とみられる。
もはや、一日で起こる社会現象だ、他にも、CSでNFL実況を務めた経験のある、タレントのタージンが声を大にしてこう語る。
「昨年の50回記念大会を現地で取材させてもらったのですが、とにかく熱気がスゴイ! 何日も前からエクスペリエンスというイベントがあり、選手の人形や看板、
アメフトの体験会などに老若男女がたくさん集います。当日もスタジアムに入れない人たちが周りを取り囲んで、
チームのユニフォームや仮装をしながらBBQ(バーベキュー)をして大騒ぎ。街全体がお祭りムードになるんです」スゴい……。
「スーパーボウルを生で見られるなんて一生に一度あるかないかですから。
オリンピック並みの価値があるんですよ。毎年、出場チームのホームタウンとは関係のないところで開催されることが多いのですが、、熱狂的なファンはどんなに遠くても足を運びます」
ふむ。とにかくスゴイということはビンビン伝わった! では、実際に見てみようとする人に向けてアメフトの魅力を簡単に教えてもらおう!
「選手の身体能力に注目ですね。100mを10秒台で走る陸上選手並みの選手もいます。たとえるなら、ウサイン・ボルトとカール・ルイスが全速力で走ってきて、ガチンコでぶつかっているようなもの。
こんなエキサイティングなスポーツを見られるのはこの世でアメフト、NFLしかありません」(パックン)
強烈です!「あと、ルールが複雑だと思っている人もいるかと思いますが、実は単純明快。攻撃はパスかランかしかない。
球を前方に運ぶだけ。守備はそれを阻止する。細かい反則などのルールは気にせず、まずはそれだけ知っておけばよし。
もともと日本人なら絶対にハマれるスポーツなんですよ。一プレー一プレーが相撲の立ち合いと一緒。ぶつかり合いの醍醐味です。
そして一球ごとに作戦が繰り広げられる野球の要素もある。相撲と野球のいいとこ取り! そんなスポーツです」(タージン)
米国スーパーボウルに匹敵するのは、欧州では5月にUFFAチャンピオンズリーグの決勝戦が話題になり、日本では10月の野球日本選手権シリーズである。
 日本のアメフット人気は、ラクビー人気の復活で下火になりつつがあるが、
 大学ラクビーは帝京の独壇場のため、東京ではラクビーの盛んだった早大、慶大がアメフットにシフトし、関西ではラクビーは、同志社一辺倒だったため、
アメフットに特化した京大、関学大、立命大の活躍が顕著で、アメフット社会人は京大、関学、立命大出身が多い。2020年東京五輪を控えており、アメフットを目指す日本人選手は少ない。
 米国でもサッカー人気が浸透しており、今後どうなるかは分からないが、
サッカーとラクビーを融合したアメリカンフットボールは、アメリカンファーストが生んだ独自のスポーツ文化である。