>>858
拝聴した
東方キャラに扮装した精悍な髭ヅラの白人男性が、バイオリンで東方原曲を奏でる動画

概要
お品書きはBadApple、セプテット、フラワリングナイト、太陽信仰、少女綺想曲の4曲
BadAppleのみ東方幻想郷3面道中曲でなく例の影絵の方であるのはご愛敬だろう

その演奏を一言で表現するならば、「力強い」と申し上げるのが妥当ではないかと思う
本来的に、ヴァイオリンは非常にエッジの効いたシャープな音を出す楽器だとは思うが
本奏者の場合、その流麗かつ歪みねえ演奏を実現する為に必要な肉体のコントロールが
「繊細な神経」以上に「尋常ならざる筋力」によって成されているように見うけられる
すなわち、例えば一流のスケーター達が氷の上をなめらかに滑り進むようなソレでなく
凍てつく海を粉砕しながら強引に目的地へ推し進む砕氷船のような力強さを感じるのだ
「クッソ握力強い投手が投げる、ありえない速度と軌道の変態パワーカーブのようだ」
と申し上げれば、きっと諸兄にも馴染みがあるかと思う

だが、本作を視聴し終え、かようにヘドロのような雑感を抱いたところで、ぼくは惑う
軽挙妄動なぼくゆえ、見た目、すなわち東方キャラのコスプレをした髭面の外人という
悲惨な光景が生み出す一種の偏見や思い込みに囚われているのではないか…?と

そう、見た目に惑わされず、瞳を閉じ、心を研ぎ澄ませ、本作に身も心も委ねてみれば
麗しきルナサ嬢が森の湖畔でユニコーンと戯れつつ、弦を滑らせる姿も幻視できる筈だ
さっそくリピートボタンを押し、本作がもたらす幻想世界に身をゆだねてみたところ、
無事に筋肉ムッキムキで精悍な髭を蓄えたルナサ嬢が幻視出来た

本日の教訓
「一度脳内に刷り込まれた強烈な情報は、そう簡単には上書きできない」

感想のようなもの
ようつべの感想欄を見渡してみる限り、やはりぼくに限らず多くのリスナーさん達は
演奏もさりながら、その独特すぎる演奏スタイルの方に目が行ってしまうようである
こと強烈なのはレミリア。「ダンボール切っただけ」の羽は流石に草不可避であろう
そしてその清々しいまでのドヤ顔。演奏に限って言えば、十分ドヤる資格もあろうが

だが悠久なる歴史を振り返れば、何も本作の演奏者のセンスが逸脱してるというより
外国人の男性コスプレイヤー全般に当てはまる傾向では、とも改めて感じる

「なぜ外国人のコスプレは雑なのか」

翻って、非常に根深い謎であるように感じられる
そもそも、日本の伝統的なキモヲタさんは、明白なフェティズムと共にキャラを見る
故に衣装など、そのキャラの記号を身にまとって「なりきる」ことに没頭する際には
「いかに自分の美学を外部に表現するか」が一種のステータスとなり、目標ともなる

一方で外国の人々、特に上述のタイプの人たちは「なりきる」ことを目的としていない
自らその記号を纏い、属性を示すことで「サンドイッチマン」になっているだけであり
趣味を分かてる「仲間探し」のため、自分自身を広告塔にしているのにすぎないのだ
内面に向かうエクスタシーが、外に向けたエクスタシーか。そこに大きな違いがある

特に本作は、どう考えても「自分の演奏を人に聴いて欲しい」という第一目標があって
そのためにコスプレという"手段"を用いているにすぎないことは、逆に明々白々である
よりアグレッシブにコスプレをコミュニケーションツールに活用しているという点では
伝統的なクソ雑外国人コスプレイヤークラスターの中でも特にイノベーティブだと感る
あと、雑、雑とは言ったが背景や使用カメラなど動画そのものの質はとても上質であり
服装が雑な点は、むしろ「わざと」、東方原作と演奏者の距離の暗喩なのかもとも思う

https://imgur.com/73mXdAq.png
※参考 今昔クソ雑外国人コスプレイヤー。なお、霊夢のコスが特にイミフ