>>423
読了した
現実と夢(異世界)を繋ぐ匣(はこ)を、岡崎教授が所有しているとの情報を仕入れた蓮メリが、
同研究室に乗り込んで強奪を測り、教授とのブラックジャック勝負に勝った賞品として譲り受け、
匣(はこ)の正体をあれやこれや調査した後、メリーの力で匣(はこ)を開くことに成功する話

本作の根底には、統一理論(複数の異なる体系が最終的に一つの体系に収斂するという理論)と
不確定性理論が敷かれており、異世界やパラレルワールドと呼ばれるような諸々の末端的空間は
とどのつまり同一の地平上に並列しており、「夢」も然りだという。これが本作最大のミソだろう。
本作でメリー達の味わうこととなる悪夢、幻、異界、現実は、本来いずれも「現実」である
我々は、無限の可能性の海から、我々が認知し、実在を確信している天地だけを切り出して
「現実」と定義しているにすぎない。故に現実も幻想郷も夢も空想も、本来的に同じものである

さて、こうして「開かれた匣(はこ)」の中にはさらに3つの「匣(はこ)」が存在する。

・掌に乗るサイズの、幾何学的な、心臓のような匣(はこ)
・古くて重い、石の墓石のような匣(はこ)
・おふだの貼られた、20世紀のテレビのような匣(はこ)…ていうかテレビ

蓮子たちは、というか読者は、この3つの「匣(はこ)」から一つを選ぶことで物語が分岐し、
何を選択したかによって、それぞれ異なるエンディングを迎える事となる

まあ厳密には匣(はこ)は開かれたのではなく、開く前の状態に一旦戻されたというべきだが、
こまけえことは省略させていただき、以後一貫して開かれた匣(はこ)と表現する

先に言っておくと、こっからクソ長い感想書くけどコピペ荒らしじゃないので許してね