フランが三輪車に乗って散歩をすると言い出したので温かく見守る事にした
あいとっ♪あいとっ♪フランの三輪車はステキなの〜♪と
音痴極まりないダミ声で歌いながら上機嫌なフラン
すると下校時の小学生がフランを見つけ、石を投げ付けて来た
「いだいの!痛いイタイイタイのやめてなのー!!」
フランは泣きながら三輪車で逃げようとするが、所詮はチスイコウモリの妖怪が扱ぐ三輪車である
小学生の足の方が勝っていたようであっという間に追い付かれてしまう
小学生達はフランの髪の毛に給食の牛乳をかけた
「やめてなのー!くさいのー!べとべとなのー!」
気持ち悪い声で泣き喚くフラン
その後も執拗に蹴ったり定規で叩いたりランドセルで殴ったりしていたが、
やがて飽きたようで小学生達は帰っていった
「へっほ、へっほ・・・酷い目にあったのー・・・うゆ?」
今度は中学生達がフランを発見した
中学生達はフランを三輪車から蹴り落とすと、サドル部分に瞬間接着剤をドバドバと塗りたくり
ブレーキのチューブを切断した上で再びフランを座らせてくっ付かせてしまった
「フラン三輪車から降りれなくなっちゃったのー!!」
そしてフランを三輪車ごと担ぎ上げ、急な坂道の前にやって来た
「何するのー!やめてなのー!」
そして背中をドン!と押すと三輪車は物凄い速度で坂を駆け下り始める
「いびゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
坂を下りた所には踏み切りがあった
フランを乗せた三輪車は踏み切りの手前の段差で弾んで孤を描くように投げ出された
そしてガシャーン!と大きな音と共に踏み切りの真ん中に叩きつけられる
「いいいい痛いの・・・・体のあちこちがすごく痛いの・・・はやく帰るの・・・・」
何とか起き上がろうとするが、三輪車と共に横倒しになっており、
更に足が下敷きになっており起き上がることが出来ない
そうこうしている間に踏み切りの信号がカンカンカン・・・と鳴り出した
「たいへんなの電車がきちゃうの・・・あいとっ!あいとっ!あいとっ!」
しかしどうしても起き上がれない
やがてずっと先の方から電車の姿が見えてくる
「電車さん待ってなの止まってなのーー!!!!!」
一方、その電車の運転手は踏み切りに子供らしきものが蹲っているのを確認し、
一瞬ギョッとしたが、よく見るとフランだったので
何だ、糞チスイコウモリかとアクセル全開で直進した
「ちょ・・・あんまあああああああああああ!!!!!!」
翌朝、フラン死亡のニュースに町の人々は歓喜したのは言うまでもない