ランドール氏が司会をする招霊会で、かつてと畜を仕事としていた人間の霊が霊媒に憑(かか)ってきました。その時点ではランドール氏には何の予備知識もありません。いかなる素性の霊であるかは分からないのです。

ランドール「これまであなたが置かれていた状況を教えてください」

霊「動物の目と鳴き叫ぶ声に取り囲まれていました。そのほかには何も……あたり一面が目なのです。何千、何万もの目に見つめられ続けて……その恐ろしい状況を想像してみてください!」

ランドール「多分それはあなたがと畜した動物の目ではないでしょうか」

霊「そうです。私は三十年間、清肉包装工場で働いておりました」

ランドール「一頭を殺すたびに、あなたはその目を見ていたのではないですか」