この世には、楽に死ねる方法や必要な道具まで教えてくれるバカ者がいるらしい。そして本当に
自殺を実行してしまう大大大バカ者が後を絶たない。いじめ、解雇、家庭崩壊、借金苦、失恋……
自殺には理由があるだろう。けれども、霊界は自殺者にとても厳しい。あの世はこの世から逃避し
た人間が行くための場所ではない。しかし、あの世は自殺者を受け入れてくれない。あの世(霊界
)はそんな自分勝手な死を許さない。

 霊界から見て現世は修行の場であり、「あなたにはまだ足りないところがあるから、それを現世
の荒波に揉まれ補ってきなさい」と、霊界側はその人間をおもんぱかって送り出しているのだ。だ
から、現世で様々な苦しみや悩みがプログラムされる。そうした「悩みや苦しみを乗り越え自分の
霊的レベル(品格)を高めなさい」というのが、霊界の深慮遠謀なのだ。自殺者は、身体に根が生
え、1本の木と化し、行動の自由を奪われた「自殺者の森」の一員となる。

 ところが、この世から逃避せず寿命をまっとうした人間は霊界から受け入れられ当然、涅槃に招
待される。この涅槃(ねはん)というのは一切の欲望が完全に消え去り、苦しみや悩みがまったく
ない最高の世界のこと。つまり、そこは終着駅の天国。