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2021年3月10日、中国メディアの観察者網によると、ドイツで出版されたの児童向け図書に「新型コロナウイルスは中国から来た」と記載されていることに中国系住民らが反発していた問題で、出版社が謝罪し販売を中止した。

記事によると、ドイツで4日に発売された人気児童図書シリーズの最新刊「アンナとモリッツのコロナの虹」は、子どもたちに新型コロナの知識を伝えることを目的に作られたものだが、作中で「ウイルスは中国からやって来て、そこから全世界に広がった」との説明があり、現地の中国系住民が憤慨していた。

ドイツの中国系住民コミュニティーのSNSアカウントは5日に「同書の説明は、ウイルスが中国で作られ、ばらまかれたとの誤解を招き、中国の血を持つ住民の差別を引き起こしうる。特に対象が児童ということで誤った認識を抱きやすく、中国の児童との関わり合いの中で傷害が生じることになる」とのコメントを発表した。

また、ハンブルクの中国総領事館も4日に「事態の動向を注視している」とし、速やかに出版社に対する抗議を申し入れたことを明かしたほか、「挑発、差別を含む言動はドイツの主たる価値観にそぐわない」との見解を示した。また、現地の中国系住民の保護者に対して、学校や幼稚園でこのような言動に遭った場合には自分の身を守るとともに、教師や学校に報告するよう子どもに指導するよう求めた。

記事によると、騒動を受けて同書の出版社は「配慮不足だった」として公開謝罪するとともに、現在の出版分を販売中止とし、修正を施した上で再版することを表明。一方で、表現について「意図的なものではなかった」と強調したこともあり、現地の中国系住民からは「誠意が足りない」との不満の声が出ているという。(翻訳・編集/川尻)

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