【文春オンライン】累計260万部『君たちはどう生きるか』映像化を巡り著者遺族が出版元に抗議

1937(昭和12)年に吉野源三郎が著した小説『君たちはどう生きるか』。一昨年に新装版と漫画版が刊行されるや社会現象を巻き起こし、合わせて260万部の大ベストセラーとなった。

 だが現在、吉野の長男・吉野源太郎氏が、出版元・マガジンハウスに対し、映像化を巡って弁護士を立て、抗議していることがわかった。

 源太郎氏は、週刊文春の取材にこう語る。

「無許諾で、『君たちはどう生きるか』のドラマが作られていたのです」


 氏が指摘するのは、昨年5月にTBS系で放送された『教えてもらう前と後 池上彰と日本が動いた日「君たちはどう生きるか」SP』(制作・毎日放送)内で、原作が映像化された部分。加藤清史郎(17)が主演する、約30分のドラマだった。

 源太郎氏によれば、出版社との間で結んだ契約では、映像化などは氏の了解を得た上でなければならない。だが、ドラマ化はテレビ局と出版社の間で無断で進められ、源太郎氏がその事実を知ったのは放送後だったという。

「映像化は全部お断りしていた。今回だけ例外的に許可したなんて思われると、私が嘘をついたことになってしまう」(源太郎氏)

 源太郎氏の代理人弁護士は「映像化についての話し合いもなく、条件的な提示もなく進んでしまったことは、著作権の侵害として問題になるでしょう」と指摘。

 いっぽうのマガジンハウスは週刊文春の取材に対し、「誠意ある対応を今後もしていきます」と回答した。

 映像化の経緯など、詳しくは2月14日(木)発売の「週刊文春」で報じている。