「安倍元総理の政治をどのように評価するのか、新しい政治を作っていくためにどうしても検証していかなければならない」

 安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区補選(4月11日告示、23日投開票)に立憲民主党の公認候補として出馬するジャーナリストで前参院議員の有田芳生氏(71)が15日、山口県下関市で会見を開いた。

 有田氏は京都市出身。2010年から22年まで全国比例で参院議員を2期務めた。ジャーナリストとして、オウム真理教や旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)などを取材した経験を持つ。

 出馬会見に先立ち、ジャーナリストの横田一氏が有田氏に聞いた。

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 ──(講演で)山口4区補選の重要性を話していました。

 安倍晋三元総理が亡くなった議席を争う選挙に野党の候補者がいないという、みっともない状況はいけないと思いました。やはり、戦う野党でないといけない。この機会に「アベ政治」をどう検証するのか。山口県民だけではなく、日本全体が考えなければならないことだと思っています。

 ──(検証は)旧統一教会問題も含めて。

 そうですね。旧統一教会の問題、アベノミクスの問題、それから北朝鮮の拉致問題、安倍さんは(いずれも)最重要課題と言っていたのに何の成果もなかったわけで、検証が必要でしょう。

 ──(テレビ番組で)「政治の力(で統一教会への捜査が止まった)」と言った途端にテレビに呼ばれなくなったと発言していました。小西参院議員が入手した総務省の行政文書にもつながる話です。メデイアが萎縮して政治のことを語らなくなると。

 小西議員が明らかにしたのは放送法に基づくテレビ番組などに対する解釈の問題ですが、解釈変更の問題だけではなく、実際に去年からの旧統一教会問題の報道をめぐっても政治の力が働いているというのは(テレビ制作)現場は知っているわけですよ。皆が言わないだけ。その政治の圧力について明らかにしていかないといけないと思います。

 4区補選には安倍後援会が推す前下関市議の吉田真次氏(38)=自民党公認=のほか、政治家女子48党幹事長の黒川敦彦氏(44)が立候補を表明している。

(聞き手=ジャーナリスト・横田一)

日刊ゲンダイ
3/16(木) 14:45配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/caf0f73e9d27e2472eec1e32ed498eaffe4f49e8