師と仰いだプロレスラーの力道山さんが朝鮮半島にルーツがあることなどから、日朝関係の改善に意欲を見せていたアントニオ猪木氏。一緒に活動をした政治家らからも悼む声が上がった。
衆院議員時代に一緒に訪朝した経験がある大阪府議の松浪健太氏(51)は「相手の顔を見ないことには交渉も始まらないとし、北朝鮮の幹部にも歯に衣(きぬ)着せぬ言動が印象的だった」と振り返る。
夕食を共にした今年の節分の日。猪木氏はマスク姿が広がるコロナ禍で、「マスク」と「メロン」を引っかけて「マスクメロン」とダジャレを披露し、メロンをくれたという。
急激に弱っていく姿を目の当たりにしてきた松浪氏は「衰える姿をさらすのも生き様と話していた。決してかっこつけることなく、ありのままで逝かれた。お疲れ様という気持ちです」と話した。
元参院議員でジャーナリストの有田芳生氏は「拉致問題解決のため、独自のルートを開拓して風穴を開けようとしていた。車いすで国会を訪れるなど、最後までがんばっていた。お疲れ様でした」とねぎらった。
元プロレスラーで石川県知事の馳浩氏は北朝鮮やイラクなどで「プロレス外交」をしたことに触れ、「とにかく人生最高の思い出しかありません。『猪木さん、元気ですか〜!』と、哀悼の誠を捧(ささ)げます」という談話を発表した。
https://mainichi.jp/articles/20221001/k00/00m/040/244000c