安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治のつながりが大きな関心を集める中、岸田文雄首相が10日、当初の予定を大幅に前倒しして内閣改造に踏み切った。記者会見した岸田首相は「旧統一教会が不当に自民党の政策に影響を与えたとは認識していない」と強調し、9月に予定される安倍氏の国葬にも理解を求めた。

 モーニング姿の岸田首相は午後6時すぎから首相官邸で会見に臨んだ。旧統一教会について、自身は「関係がない」と明言。その上で「関係の点検と見直しを了解した者のみを(閣僚に)任命した」と説明した。安倍氏が旧統一教会の関連団体にビデオメッセージを送っていた点について問われると、「当時の安倍元首相の判断」としてコメントを避けた。

 安倍氏の国葬について反対意見が増えているとの指摘には、東日本大震災からの復興や経済再生、外交面などでの安倍氏の実績を強調。「国内外から高い評価と幅広い弔意が寄せられている」と各国の対応を列挙し、「国の公式行事として各国代表を招く形式が適切」と語った。
 会見は約45分で終了。記者からは「まだ質問がある」「短すぎる」などの声が上がったが、岸田首相はそのまま会見室を後にした。

時事通信
2022年08月11日07時19分
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