「党本部の最重点候補として臨みたい」
党山形県連会長でもある遠藤氏は会見で、出馬が選挙戦直前となった出遅れを挽回するため、総力をあげる考えを示した。大内氏は「岸田政権の支持者が選択肢を失うことはあってはならない」と強調した。
自民執行部は今月中旬まで、山形を不戦敗とする方向で調整を進めていた。13日には党本部で、山形県連幹部が茂木敏充幹事長や遠藤氏と面会。自民幹部によると、県連側は、麻生太郎副総裁や茂木氏が山形の党員向けに直接経緯を説明することを条件に、候補擁立の見送りと、現職で国民民主の舟山康江副代表(56)の推薦を受け入れる意向を示したという。
しかし数日後、水面下で協議してきた国民民主幹部から自民側に推薦を辞退する意向が伝えられ、事態は一変した。もともと自民では「全ての選挙区に候補者を立てるのが原理原則だ」(世耕弘成参院幹事長)などと反発が強く、最終的に独自候補として大内氏を擁立することになった。
自民幹部は「国民民主はルビコン川を渡ろうとしたが、引き返してしまった」とこぼす。
自民執行部が山形で選挙協力を模索した背景には、憲法改正論議に積極的な国民民主との関係を強化し、早期の改憲発議につなげる思惑もあったとみられる。公明党が憲法改正や防衛力の強化に慎重な姿勢ものぞかせることから、国民民主を連立政権に引き入れる構想を語る自民幹部もいる。
ただ、別の党幹部は「国民民主の玉木雄一郎代表を最後まで信用できるか不透明だったため、水面下の協議と同時並行で大内氏の出馬準備も進めていた」と明かす。自民は土壇場でこの下準備が機能したが、山形の選挙態勢の構築が遅れるなど、必要以上に傷を負ったともいえる。
山形選挙区では、共産党新人の石川渉氏(48)、NHK党新人の小泉明氏(51)も立候補を表明している。
産経新聞
2022/5/29 20:50
https://www.sankei.com/article/20220529-KC7GVFI5YFKH5P7GJLI343QLWM/