立憲民主党の安住淳国会対策委員長は15日、自民党総裁選など衆院選に向けた各党の動きを伝えるテレビの報道番組や情報番組に関して「総裁選は重要な選挙だが、総選挙を控えている状況を全く理解していない」と批判した上で、「個別の番組についてチェックさせてもらう」と発言した。問題と判断した場合には放送倫理・番組向上機構(BPO)への申し立ても検討する構えだ。

 共産、国民民主両党の国対委員長との会談後、記者団の取材に応じる中でこうした考えを示した。

 会談では、TBSの10日の情報番組が野党の動きを取り上げる中、出演者が共産について「暴力的な革命というのを党の要綱として廃止していない」と事実に反する発言をした問題を、共産の穀田恵二国対委員長が「公党に対する侮辱」として提起したという。

 安住氏は「共産党の立場を全面的に支えていくことになった。(番組を)チェックするのは良くないが、暴走されたら国民を扇動する暴力装置にテレビがなりかねない」と述べた。

 問題になった発言についてはTBSが13日の番組内で「共産党の綱領にそのようなことは書かれていなかった」などとして謝罪、訂正している。安住氏は以前から衆院選を前に自民党総裁選に関するニュースに多くの時間を割く番組を問題視しており、牽制(けんせい)の意味もあるとみられる。(北見英城)

朝日新聞
2021年9月15日13時23分
https://www.asahi.com/amp/articles/ASP9H46QDP9HUTFK009.html